◇ 杢(もく)とは


木には木目というのがあります。
その繊維が細かくうねって、そこに光が当たるとキレイな模様が出るものを杢目(モクメ)と呼びます。
木目と同じ呼び名なのでまぎらわしいですね。
それら繊維で出来た杢の他に、樹液の関係で色味がついた杢目があります。


メープルの杢

中でも、孔雀の羽のような模様になった孔雀杢(クジャクもく)などはとても美しいですね。
それに似たような杢で、鶉杢(うずらもく)というのがあります。
沖縄では鶉目(ウジラミー)と言われていますね。

しかし、これにはちょっとした勘違いがあるようです。
鶉杢でも鶉目でもよいのですが、モクと読む杢目の「目」という字にまどわされて、
鶉の目玉のような模様のある杢という話になってしまっている場合があります。
真っ黒心材の中に、ちょこっと白い部分がある材の事ですね。
これはヌケと呼ばれていて、バイオリンの指板に使う黒檀でこのヌケがあれば
使われる事はまずありません。

ギター用材などで重宝される、バーズアイメープルというのがありますが、
あれは鳥の目玉の様な杢で正解なのですが、
本来の鶉杢は、鶉の羽根にある美しい模様に似た材の事です。
鶉の画像をネット検索してみて下さい。容易に想像が出来ると思います。
また、ここまでウズラなカミゲンも珍しいと思いまして下に紹介しときます。

1枚だけ勘違いの写真がありますが、
どっちが正解だかは、解りますよね。


鶉杢

鶉杢

勘違いの鶉目



◇ ヌケ

真っ黒い心材の中に、
飛び飛びでポツポツと白くなっている部分があります。
このようなものをヌケと呼びます。


青黒檀のヌケ

画像の棹材は青黒檀です。
ポツポツでなくても、じわっとしていてもぼやっとしていても、
まあ、黒いはずの場所が黒くならなかった部分の事ですね。
「あらら、ここだけ抜けてるね。」という意味でしょう。
ただ、これは単純に面白い、趣があるという事で、
三線の棹材としては欠点という扱いではなく、
逆に重宝される場合があります。
これは僕も大好きな杢ですし、
滅多に出ないものですからちょっと貴重です。
透漆で仕上げたらとてもキレイな色になるんですよ。


よじ登る。。

とりあえず戻ってみる。