◇ 材の買い付け
僕のような一般人が材木を買いに行くとすれば、
普通はホームセンターのような大きなお店でしょうか。
材木屋さんという専門のお店は最近少なくなってきたような気がします。
ネット販売という手段もありますね。
しかし千差万別の木ですから、やっぱり実際に見て触って匂いをかいでみたいですよね。
僕ももちろんそのような街中のお店にも行くのですが、
もっともっと源流の、山から切ってきた原木が積んである「ヤード」と呼ばれる所にいきます。
広い土地にトラックやフォークリフトがあって、製材所があって、木っ端やおがくずがあって、
そして丸太が山積みになっているのです。
もーそれだけでワクワクします。
製材所という場所は、お店ではなくお仕事の現場ですから、
接客とかレジとか、そういう場ではありません。
なので、前もって連絡して約束の時間に行く事もありますが、
大抵はいきなり訪問しちゃいます。
でも意外と迷惑がられる事もなく、逆にお茶を入れて頂いて数時間話し込む事の方が多いです(笑)。
盛り上がっちゃうんですよね、なんだか。
迷惑ですよねほんと。
そうやってお知り合いになった業者さんが遠方に幾つかあり、一緒にヤードを歩いてくれます。
そして、昔の良材が積んである場所に案内してくれるのです。
ところで、今現在で、丸太のまま良材があるというのは珍しいです。
もう樹齢の凄い大木などは取り尽くされてしまったからですね。
僕が目を付けるのは、その昔の良材の残りものです。
何かの目的で角材に製材したけど、なんとなく売れ残ってしまったというもの。
倉庫の奥で何十年も放置されていたものとか、
こうやって屋外の土場に何年も積んであったりもします。
一応屋根が乗っていて風通しも良く、こういうのは中まで良く乾燥しているんです。
「この種類はここにあるだけだよ。
あとは…、あ薄いのが少し、あっちにあるけどダメかな。」
そんな会話です。
求める材種が松系で、目的のサイズがこれくらいと伝えますと、
パソコンの在庫表には載っていない、つまりネット販売なんかもされない、
このまま朽ち果てるのを待っているようなものが主人の頭の中から出てきます。
「こんなんで良ければねぇ、何かに使ってもらえたらいいんだけど。」
って、すんばらしい材が積んでありました。
でもねこれ、脚立であがって結構高く積んであったりして、
「動かせるヤツだけにしてね。」って(笑)。
こうやって出会った材は、思い出がいつまでもずっと染み込んでいて、
いつも弾く時に思い出すんですよ。
よじ登る。。
とりあえず戻ってみる。