◇ 荒割
角材などから、おおよそ作りたい形に荒割(あらわり)して、さらに乾燥させます。
すでに十分乾燥している材でも、荒割してから半年は寝かせます。
樹木を切り倒してから乾く時に反ったりねじれたりするのですが、
それがおさまって、例え50年経っていたとしても、
角材からトンコリの形に加工すれば動きます。
常に動こうとして内部で緊張したままの状態になっているのですね。
これは背中側ですが、内側をくり抜く作業もある程度終わらせています。
この「ある程度」というのが結構重要で、
動いた分だけ削って調整出来る量は残しておかなければなりません。
ほとんどの場合、すでに乾燥し終わった状態で購入してきますが、
陸前高田の松は倒木してから製材までたった1年、
内部は全然乾燥していません。
生木の場合はノミが進まず、むしり取るようになってしまうので、
水分を感じたらそこで作業を止めて1週間ほど乾燥を待ちます。
今回はこれを繰り返して短期間に荒割しましたので、
あとでねじれが止まるまでしばらく待つ事になりました。
待ちきれなくなったので首から上だけ先に彫刻してしまいました(笑)。
◇ 壁の厚み
さて、別ページに完成品の胴体や響板の板の厚みを書いていますが、
これは製作工程のいつ決めるべきなのでしょうか。
響板を接着してからでは測れなくなりますし、内部は削れませんので
やはり接着前という事になりそうです。
また、少々厚めに作っておいて、最終仕上げにカンナを掛けて完成とするのもアリですが、
厚みを憶えておかなければなりませんね。
普通に、形や厚みを完成させて接着すればいいんじゃないの?と思いますが、
なぜこんな心配をしているのかといいますと、
接着の際に、押さえつけて固定するので、キズがついたりします。
その他の作業でも何かとキズついたりして気になりますので、
最後にいっぱつ、外からカンナを掛けたくなるのです。
また、接着剤は膠を使いますが、これが横にはみ出します。
接着前に響板の形をと胴体にピタッと揃えて製作した場合、
全くズレずに接着しなければなりませんが、これは無理ですね。
なので、響板は少々大きめにしておき、
接着して硬化した後で、はみ出した膠と一緒に削って整えるのです。
まあ、壁が薄くなるほどまでは削らないですけど、
外から削る事は確かです。
従いまして、外側は最後まであまりキレイに仕上げませんが、
内側はこの荒割段階でほぼ仕上げておきます。
◇ 糸蔵
糸蔵(いとぐら)と勝手に呼んでいます。
首の内側、糸を巻き取って仕舞っておく場所ですね。
ここは真っ先にくり抜いておくべき場所です。
首が2本になるように(アハハ)真ん中を開け、
外側も細くしておき、なるべく早く変形し終わってもらいます。
糸巻き穴を開けた後でねじれてしまっては具合が悪いからですね。
但し、穴開け後の仕上げしろとして皮一枚は残しておきます。
よじ登る。。
とりあえず戻ってみる。