◇ 壁の厚み

胴体や響板の厚みの事です。

完成したトンコリは、分解しないと中身を見る事が出来ません。
ヘソの穴から覗き見することはできますが。。
響板の厚みは本体との接着部分を横から見ればおおよそ解りますね。
本体は、背中をコンコンと叩いてみて、トンコリに聞いてみるしかないのでしょうか。
実際にどれくらい削ってあるのか、壁の厚みは何ミリなのか?
ちょっと気になりますよね。


◇ 実は削っている人も

そもそもあまり厳密に何ミリにすると決めて作っている訳では無いかもしれません。
また、もし削り過ぎてしまったら穴が開いてしまいますから、
ギリギリまで薄くしたいと思ってもなかなか難しいものです。
削っている途中で、いまどれくらいの厚みなんだろう、と思って測ろうとしても、
船の形になっているので普通の物差しでは測れないんです。


◇ そこで

厚さ測定器「トンコリぜいにくゲージ」を作ってみました。


トンコリぜいにくゲージ


この形なら好きな所を挟めます。目盛りで何ミリか解る訳ですね。
完成品でも、失礼ながらヘソから片足を入れますと
背中側の1点だけは測定する事が出来ますので、
さっそく、ひと世代前の先輩方が製作したトンコリを測らせて頂きました。

6丁ほど測定した結果はどれもほぼ一緒で、12ミリくらいでした。
ひとつは結構厚めで15ミリくらいでした。
ちなみに響板は様々で、6ミリくらいの薄いものから10ミリ以上の厚いものまであります。
まあ、12ミリというのは、おおよそ目で見て手で触って、
こんなもんだろうと思える厚みなんじゃないかなぁと思います。
また、内側はあまり均一に平らにしない方が音が良いという話もあり、
丸ノミなどで手彫りをしたままの状態になっていますが、
どこか一部だけ薄くなっていたら割れ易くなってしまいます。
でも、やっぱりどこまで薄く出来るか挑戦してみたいですよね。


◇ ちょっとその前に。。

トンコリという楽器は、他の弦楽器などのように、
板そのものを響かせて音を出すという方向で果たして良いのかどうか、
これまた結論が出にくいお話です。
良く鳴るトンコリが意外と厚めだったりもしますし、
単純に板は薄くないと振動しにくいのは確かですし。。
材自体を振動させるのか?
空気の振動を内部で反響させる為に厚く作るのか?
答えは両方です。
両方とも必要です。 と思っています。
音作りの難しさ、面白さはどうやらこのあたりにありそうです。


◇ それでも

でも、でも、薄く作ってみたいですよね(笑)。
という訳で、削りながら測りながら、作りました。
完成品にある姫子は、響板も背中も6ミリに仕上げています。
(響板は彫刻しないのであれば4ミリまで可能ですが、
6ミリを彫刻して溝が3ミリの設定にしました。アブナイ!!)

でも、全て6ミリでは不安ですので脇腹を10ミリに設定し、
ウエストのくびれ部分は叩いたりもしますのでもう少し厚めにしました。
枠はしっかりしていて、表面と裏面が薄い作りですので、
ちょうど太鼓のような構造となっています。

また、くびれがあって、音を響かせる室が上下に分かれる形なので、
そこでぶつかった音がヘソから出てきそうな気がしませんか?
何の根拠もないですけど(笑)。


◇ 音は?振動は?

音は、どうでしょうかねぇ。
弾いていると、両手にビリビリと振動が伝わってきて、
材自体が響いているな、と実感できます。
つまり、音が胴の表面からも直接出ている事になり、
ここまで胴が鳴ってくると、やはり材選びはとても重要になってくるのです。


よじ登る。。

とりあえず戻ってみる。