◇ 糸巻きの具合



自分のトンコリの糸巻きは緩くて、演奏中に弦が緩んでしまうという悩みのある方がいます。




◇ 本体の穴


僕が作るものは9mmの穴を開けて丸棒を差し込んでいます。

ですが、9mmの穴に9mmの丸棒で作ってはダメなんですね。
緩んでしまいます。
また、もっと緩く作っておいて、弦を張った時の摩擦で止まるというものもあります。
止まっている時はいいのですが、止まらない場所があったりします。

木材は変形します。また、使えば磨り減りますが、
ゴシゴシ磨り減るという前に、力が加わると表面が僅かに凹むのですね。
ある程度凹んで潰れると安定してきます。
そこまで潰してあげて、それから糸巻きを合わせていくと具合のよろしい糸巻き具合になるのです。


◇ 糸巻きの作成

本体と同じ硬さの素材というのもあまりよろしくないようです。
僕はキサラ(耳)はトペニ(楓)と決めています。今のところ。
松材より全然硬いハードメープルを使います。
イタヤカエデ、シュガーメープルとハード系は違うのか似たようなものなのか、
そこらへんは木材になってしまうとちょっと解りづらいのですが、楓です。
楓は結構硬いので簡単には折れず、ねじれにも強いので音も合わせ易いと思います。

素材は、丸棒部分の木目が真っ直ぐになるように木取りします。
木目にうねりがある材は折れ易いですし、変形もし易い為、避けます。
デザインは四角です。あまり目立たず、機能的であった方がよろしいかと思いまして。

また、完全な現物合わせですので、同じサイズと言えども場所を入れ替えては使いません。
1〜5番まで目印を付けて決めています。
また、弦を通す小さな穴を開ける位置もそれぞれ変えています。


◇ 現物合わせ

実際に使う本体に合わせる前に、同じ穴より若干大きく開けた他の材を使って、
ほぼ丸くした丸棒の当たりを見ます。
グリグリ回して引き抜くと凸部が当たって光りますので、そこを削り、
これを何度も繰り返します。
これで、ほぼそのまま使える丸いものにして、
最後に本体で回して、入り具合や回した感じの重さをちょっとだけ調整して完了です。
ここではかなりキツメに設定して差し込んだまましばらく放置します。
どちらもまだまだ反る危険がありますので、たまに180°回したりして様子をみます。
木の動きが止まり、回し具合がよろしければ、長さを決めて切断し整形します。

最終的には幾ら合わせても季節毎、雰囲気毎に木が動きますから、
1年を通して音合わせに支障の無い程度という事で。


狙い通りにピタッと止まり、
回し始めはニュル〜っと動く。

そんな糸巻きに仕上がっています。


よじ登る。。

とりあえず戻ってみる。