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                  ライブ参戦者必見企画
                          「正しい紙吹雪の作り方」

今や、イナゴのライブにはマストアイテムとなった紙吹雪。
「SAKURA」のメロディーとともに会場一杯に舞い散る紙吹雪はメンバーと僕らをますます近くしてくれる感さえあります。
でも、その紙吹雪ってどうやって作ったらいいのか、作ったはいいけどナゼかキレイに舞い散らない・・・などなどギモンは尽きないものです。
そこでここでは僕、番長お薦めの「美しく舞う紙吹雪作成講座」をご披露しますので、これから紙吹雪を作ってみようかなという方や、どう作っていいのか困っている方は参考にしてみてください!

   用意するもの;

・お花紙
くす玉や学祭などの飾りつけを作るのに使う書初めの半紙みたいな色つきの紙です。
「五色鶴」という商品名で売られている場合もあります。
愛媛県の伊予三島にある「合鹿(ごうし)製紙」という会社が全国シェアの8割以上を占めている隠れたヒット商品です。 通常400円前後で大きな文房具屋や画材店、模型店などに売っています。
Geogleなどで「おはながみ 五色鶴」と検索するとすぐ見つかります。
単色500枚入りでかなり多彩な色がありますが、僕は「桜吹雪」ということで「桃色」を使っています(サクラなのにモモ??)
どうしてこの紙を使うのか、ということについては後述するとして・・・。


・はさみ
子どもが工作で使うようなかわいいものじゃなく、できるだけ刃渡りの長い(できれば80mmくらい)洋裁はさみのような切れ味の良いものがいいです。
刃渡りが短いと作業途中で絶対に指が痛くなりイヤになります!
ただし、洋裁専用のはさみで布以外のものを切ると切れ味が悪くなることがあるので注意して下さい。

・ビニール袋
コンビニでパン1コ買ったときに入れてくれるような一番小さいもので十分です。
もしくはスーパーで取り放題(?)のロール状に巻いてるビニール袋とか。

・新聞紙
これを敷いてやらないとおうちの人に怒られるぞぉ!


   作り方;

@お花紙を厚さ2mm程度(枚数換算で25〜30枚くらい)を重ねて取り、短い辺に平行に幅2cmくらいに細長く短冊状に切ります。
このとき、お花紙を新聞紙からあまり離さずに低い位置で切ることがポイントです。
ナゼなら、高い位置から切り落とすと、短冊状の紙がバラバラになって落下し、再び集めるのにすげぇ難儀するからです。
さらに短冊状に切るときは、紙を押さえてる手(右利きの人なら左手)はしっかりお花紙をつかんでいてください。でないと、まっすぐ切っているつもりがだんだん斜めになっていって、最終的に思いっきり台形の短冊ができあがってしまうからです。
この作業を1組につき10〜12回繰り返すことになります。
出来上がった短冊の束は切り落としながら新聞紙の上に並べておくと次の作業がラクです。


A今度はビニール袋の口を開いておき、その上に短冊状に切ったお花紙ををひと束づつ持ち、長い辺を横にして1辺が2cmくらいの三角形になるように斜め交互に切り落とします。(左下の画像ではわかりやすく黒く線を引いてみました)
このとき正確な三角形にこだわる必要はありません。直角三角形でも二等辺三角形でもなんでもオッケーです。 ただし、単純に四角く切ってはダメです。(この理由も後述

          


Bこの作業を何度も繰り返してください。 ただこれだけです(笑。
  でも、500枚全部つくる必要はありません。
だいたい「SAKURA」の演奏時間を考えてもひとりでそんなに大量の紙吹雪を撒き散らせるハズがありません。
250枚分程度(ビニール袋3分の1から2分の1)作れば十分、友だちに配ってもおつりがくるハズです。
見た目以上に意外と量は多いものなのです。
余ったお花紙は次のライブにとっておきましょう。



さぁ! これでアルゼンチン人もびっくりなくらい見事な紙吹雪が舞うはずです。
さっそくあなたもトライ!!
もちろんライブ終了後には各自、撒き散らした紙吹雪のお片付けも忘れずに!




  ※どうして「お花紙」じゃなくてはならないのか、どうして四角じゃなくてわざわざ三角に切るのでしょう? それは重力と空気抵抗に関係します。

物体はその重さに関係なく落ちる速度は一緒、というのがガリレオが証明した物理の定理ですね。
しかし、実際には地球には空気があり、その空気抵抗というものが物体の落下にも大きく作用します。
つまり簡単にいえば、重量が軽くて空気に触れる面積の大きいものの方が抵抗を受けやすいのでゆっくり落ちることになります。
そこで紙吹雪をつくる紙も折り紙のように厚くて重いものより、お花紙のような薄い紙のほうが良いわけです。
さらに面積も大きいほうが空気抵抗を受けやすいので、あまり小さく切っては意味がありません。(でも大きく切りすぎても重量の問題に絡んでくるため注意です)
ならば軽ければ軽いほどいいのか、というとそうでもなく、たとえばティッシュペーパーのように軽くてやわらかい紙だと、今度は撒き散らすために放り投げてもうまく飛ばないため、折り紙よりもたちが悪い結果になってしまいます。

   「重すぎず軽すぎず、かつ大きすぎず小さすぎず」 ←めちゃめちゃロジスティック!

  ではなぜ三角なのか・・・。
これも空気抵抗に関係するのですが、歌舞伎の舞台で雪の場面に使われる紙吹雪は和紙を三角に切ったものを使っています。
これは江戸時代からの伝統らしく、もちろんその当時、空気抵抗がどうのとか知識があったとは思えず、芝居関係者たちの経験法則で三角に切った紙がいちばん雪がちらちら舞う様子を再現するとわかっていたからでしょう。
三角の紙吹雪は、究極の様式美の世界である歌舞伎でもその美しさが証明されているのです。
もちろんこの紙吹雪はすべて手作業で作るワケで、実際に撒かれた紙を見るとかなり大きさもかたちもバラバラで、逆にこの不揃いさがちらつく雪のリアルさを出しているのかもしれません。
でも現在では三角に切る手間もバカにならないということで、四角にすることが多くなってるそうです。
もしかすると今をときめく中村獅童や市川新之助も修行時代に一日中、和紙を切っていたのかもしれません・・・。

ちなみに海外の舞台事情はどうか、というと日本のように手間をかけているところはほとんどなく、細長い紙を四角く切ったものや、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場では、パンチで丸くくり抜いただけのいかにもアメリカらしいコンビニ大量生産品を使っていました。


余談ですが、歌舞伎の紙吹雪といえば雪の場面のほかに、春の桜吹雪というのも定番です。
このときは舞台上にホンモノの桜の枝を取り付け、さらに桜の花びらの形に切ったピンクの紙を降らせるのです。
日本人はことさら桜(それも散りぎわの桜)を愛する民族ですので、わざわざ紙を花びらの形に切る手間をかけてまでこだわる美意識はさすがです!


追加情報;
紙吹雪は撒きたいけど作ってる時間がない、という方に朗報です!
未確認ですが、横浜のランドマークプラザのお土産ショップに桜の花の形に切ってある紙吹雪が売っているらしいです。
ほかにも木の葉や星型などもあるそうです。
ただし、どんな紙質なのか不明ですので、お花紙のようにキレイに舞うかどうかギモンです。

            

追加情報 その2
三角に切るとなぜ、キレイに舞い落ちるのかという疑問について、我が中年イナフの頭脳部門担当準隊員、ロケット工学の専門家からご教授頂きました。
それによると、三角にすることにより「揚力」と「抗力」が複雑に絡みあって、ひらひらした動きになるのだそうです。(なんのこっちゃ?)
正確な答えを得るためには計算機を数日間、回す必要があるくらいややこしい問題らしいですが、感覚的には「非対称」の形であることがこのような結果を生むのだと考えられます。
さすが日本の頭脳は違うね。


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