英雄伝説W〜朱紅い雫 Prologue 始めに光と闇があった。 光のバルドゥスと、闇のオクトゥム。 相反しながらも不可分の存在。 その永き相克の果て 大地と精霊ドゥルガーが現れた。 精霊は大地に命を吹き込み 最後に人を創った。 光と闇、そして精霊の加護の下 人は繁栄を続けていった。 しかし、人は幼く不完全な存在。 自らの益を求め、過度に大きくなるその営みは 大地に混乱をもたらし 神々の秩序をも歪めてしまった。 光は世界の維持を望み、闇は破壊と再生を求めた。 そして、精霊の調停も空しく両神は相争い、 バルドゥスがオクトゥムを封じることで決着をみた。 しかし、光と闇は不可分の存在、 半身を封じたことでバルドゥスの躯は砕け散り やがてドゥルガーの眷属も眠りについた。 それから幾星霜…… 神々の眠る地、エル・フィルディンにおいて 争いを続ける二つの勢力があった。 光を奉じるバルドゥス教会。 闇を崇めるオクトゥムの使徒。 人は未だ、巣立ちを迎えることなく 神々という名の運命に囚われ続けていた。 これは、ガガーブの彼方で綴られた 人と神々をめぐる物語である。