甲州街道を歩きました
平成28年4月9日~4月16日

 五街道のひとつ甲州街道は、江戸日本橋を起点に、内藤新宿、下高井戸、上高井戸、布田五宿、 府中、日野、八王子を通り小仏峠から甲府を経て信州の下諏訪に至る、200キロ強にも及ぶ約53里 の道である。甲州街道は当初、江戸城と甲府城を結ぶ軍事目的を主眼としたものだったが、江戸城 に危機が及んだときの避難路だったという説もある。、これは甲府城を有する甲府藩が親藩であるこ と、沿道の四谷に伊賀組・根来組・甲賀組・青木組(二十五騎組)の4組から成る鉄砲百人組を配 置し、鉄砲兵力が将軍と共に甲府までいったん避難した後に江戸城奪還を図るための街道ということ。

 甲州街道は五街道の一つだが、参勤交代路としての利用は少ない。
 道路整備が不十分だったようで甲州街道を往来する旅人は東海道、中山道に比べ少なかった。また、参勤交代に利用したのは高島藩(諏訪)、高遠藩(伊那)、飯田藩の3藩だけだった。ちなみに東海道は159藩、中山道34藩、奥州街道17藩、日光街道6藩である。

 しかしながら、今回歩いてみた印象では
①「甲州街道」を示す標識がいたるところにあり、道に迷うことは少なかった。国土交通省を始め 、各市町村が「甲州街道」を意識した取り組みをされているように感じた。
②かなりの数の宿場町が町並み保存の努力をされており、山陽道よりははるかに往時の雰囲気が楽 しめた。

 その他にも、

③数箇所で富士山が遠望でき、天気が晴れていた所為もあり、日本人としての魂をゆすぶられる思 いをさせてもらった。
④高低差がすごかった。下図をご覧いただくとわかるが500m級の山を二つ、1000m級の山を2つ上 り下りした勘定になる。

甲州街道高低図

⑤このように高度が高いので、桜が十分楽しめた。ほかにも桃の花、山つつじなどが満開の所が多 く、実に大きな目の保養になった。
⑥中山道と同じく、馬頭観音や道祖神がいたるところで祭ってある。馬頭観音は当然、馬を守って もらう願いだろうし、道祖神は旅の安寧を願ったものである。この点は高低差の少ない東海道との 大きな違いである。
⑦やたら芭蕉の句碑があるが、説明版はほとんど無いのでどれが碑か良くわからない。芭蕉は「野 ざらし紀行」を書く旅の最後に甲州街道を通ったようだ。
⑧明治天皇御休止の碑もやたら多い。また、南アルプスふもと付近では明治天皇に献上した清水跡 というのが何箇所も出てくる。ほかの街道でも明治天皇御休止の碑はあるが、こんなに多いのは初 めての気がする。

といったところです。

*なお、汚い字の日記はほとんど立ったままで書いているのでご容赦願いたい。その気になればワ ープロで打ち直すところだが、くたびれたのでやめます。
**地図は2種類使いました。ウォーキングに使用した地図はgoogleから印刷した地図に各種情報を書き込んだ地図で、各日の冒頭にある地図です。もうひとつは「ちゃんと歩ける甲州街道」という本から取った地図です。これは著作権違反の恐れがありますのでUPしておりません。


1.4月9日(土)  23.3Km
江戸日本橋―内藤新宿―下高井戸―上高井戸―国領(布田五ヶ宿
 【
見所】日本橋の「日本国道路原票」・日比谷公園の「松石」
  
 【写真集1はこちら】

2.4月10日(日) 30.2Km
国領(布田五ヶ宿)―府中―日野―八王子―駒木野
 【
見所】西光寺の「近藤勇坐像」・府中市の町並み・高安寺の伽藍・谷保天満宮(野暮天の語源 という説もある)・スポーツ公園の「桜吹雪の道」・「日野宿本陣跡」

 【写真集2はこちら】

3.4月11日(月)  21.5Km
駒木野―小仏―小原―与瀬―吉野―関野―上野原 
 【見所】「小仏関」跡・街道沿いの桜、桃、山ツツジなどの花・小仏峠に上る途中の「レンガつ くりの跨道橋」・小仏峠の山道・「小原宿」の町並み・人造湖「相模湖」・「吉野宿」の町並み

 【写真集3はこちら】

4.4月12日(火) 28.2Km
上野原―鶴川―野田尻―犬目―下鳥沢―上鳥沢―猿橋―駒橋―大月―下花咲―上花咲―下初狩
 【見所】街道沿いの桜、桃、山ツツジなどの花・野田尻宿から見える「富士山」・犬目宿寶勝寺 から見える「富士山」・大月市から見える「富士山」・日本三奇橋のひとつ「猿橋」と渓谷美(パ ンフレット「03 大月観光ガイドマップ」参照)

 【写真集4はこちら】

5.4月13日(水) 22.2Km
下初狩―中初狩―白野―阿弥陀海道―黒野田―駒飼―鶴瀬―勝沼
 【見所】笹子峠手前の「矢立の杉」・笹子峠と山道・「近藤勇と柏尾戦争」の碑

 【写真集5はこちら】

6.4月14日(木)  30.1Km
勝沼―栗原―石和―甲府柳町―韮崎
 【見所】「勝沼宿」のワイナリーと葡萄農園の町並み・大宮五所神社の「老松」・遠くの山並み にかかる霧雲・笛吹き川沿いの「松並木」・「笛吹権三郎像」(笛吹童子とは関係ある?)・遠妙 寺の「仁王門」などの伽藍・石和町の町並み(歩道タイルの絵がいい)・甲府の「美術館通り」・ 甲斐市下今井の「なまこ壁」(××の壁)・塩川橋から見える「富士山と南アルプス」・韮崎市に ある「馬つなぎ石」と町並みと「小林一三生家跡」

 【写真集6はこちら】

7.4月15日(金)  33.4Km
韮崎―台ヶ原―教来石―蔦木―金沢
 【見所】南アルプス風景(富士山もうっすらと)・北壮市(ほくとし)の町並み・台ヶ原宿の「 日本の道百選」の町並み・「サントリー白州蒸留所」(望遠撮影)・白州町のきれいな川の流れ・ 白州町の「御膳水跡」・眞福寺の珍しい山門・「蔦木宿」の町並み・

 【写真集7はこちら】

8.4月16日(土)  25~26Km
金沢―上諏訪―下諏訪
 【見所】富士見町の一里塚(唯一現存)・茅野市の御柱祭り看板・「神戸」の町並み・甲州道中 の「五十一里塚~五十三里塚」・諏訪市内の酒蔵・諏訪市の「吉田の松」・諏訪市の「棚田」・「 諏訪湖」・「甲州道中・中山道合流之地」碑

 【写真集8はこちら】


9.パンフレット集
  01 武蔵府中熊野神社古墳
  02 日野宿
  03 大月観光ガイドマップ
  04 御柱祭り・橋本政屋