答え

D

H

I

あこや貝の餌料となるプランクトンはDのキートセロスとHのスケレトネマです。当たりましたか?

あこや貝にとっては大好物ですが、ノリ養殖時期に異常に大発生すると芽傷みや色落ちの原因になる事も有るそうです。異常に大発生してもあこや貝が食べ過ぎてお腹を壊す事はないので(笑)一年を通じてこのプランクトンが多く見られる年はあこや貝の健康状態も良く真珠も良く育ってくれるから嬉しいプランクトンです。両方とも珪藻類で植物性のプランクトンです。

キートセロス SPP:殆どは写真の様な郡体となっています。大型の郡体や小型の郡体等の色々な種類が有りますが各々の細胞に共通の刺毛が見られます。一個一個が個体です。これで16個とカウント計算します。

スケレトネマ コースタータム:
これも多数の細胞が繋がっています。これで26個とカウント計算します。

あこや貝の大嫌いなプランクトンはIのヘテロカプサです。

1992年の夏〜秋に英虞湾に大発生し海の色は褐色になりました。私達もこの時にはプランクトンの事まで分からなくてプランクトンがあこや貝を殺す事を始めて知りました。このプランクトンは動物性で小さな物なのですが良く泳ぎ回ります。硬い甲冑を身にまとった様なプランクトンで餌と思って取り込んだあこや貝は消化出来ずに死んでしまいます。触れた瞬間に外套幕が萎縮を始めてどんどん痩せて行き弱いものは短時間で死滅してしまいます。最悪の赤潮プランクトンです。このプランクトンが発見されるまで赤潮はプランクトンの大量発生によるものなのでプランクトン自体よりも酸素濃度の低下(酸欠)やプランクトンが死滅した後のガスの発生を計測していましたがこのプランクトンがあこや貝を殺してしまう事が分かってから顕微鏡でプランクトンの測定が必須となったのです。今でも時々確認されますが今のところ1993年以降の被害は有りません。志摩地区各養殖研究会で毎週火曜日に観測が続けられ各地からデーターが用いられ各養殖屋にFAXで報告されます。

ヘテロカプサ SP:ギムノデイニウム属に良く似ているので慣れた人でないと見分けにくいです。体の下半分に縦に走る溝が見られないのがヘテロカプサです。この大きさよりも顕微鏡で見ていると小さく見えるので殆ど分かりません。(笑)泳ぎ回っていますが直線的に進みカクカクっと方向を変えて進むのが特徴です。

実に様々なプランクトンがおります。顕微鏡を覗くと貝の種みたいな物や蟹の幼虫みたいな怪獣も見つけたりロケットやUFOの様な生物も見たりして小さな世界に色々あるんだなぁと感心してしまいます。プランクトンの名前も色々どうやって付けてるんだろうと思いますよね。Fの「ヘテロシグマ アカシオ」ってそのまんまアカシオ(赤潮)やんか!なんでやねんって突っ込みいれたくなっちゃうわ(笑)。それとJの「ギムノデイニウム ミコモトイ」って何で「ミキモトイ」なんやろか?やっぱり「ミキモト」なんかな(笑)。以前は「ギムノデイニウム ナガサキエンセ」と呼ばれていたそうです。。関係各位様、勝手なコメントして済みませんが普段からお世話になっています。研究頂きこれからも何卒宜しく御願い致します。(見ていないとは思いますが(笑))


参考物件

赤潮プランクトン観測用写真集
  三重県水産技術センター配布資料より