日高キャンプでのこと。

阿部さん家の愛犬(名前は忘れた)を見てびっくり。身体の半分が顔、しかも決して可愛くない。「こ、これは何だ！？」……ブルテリヤという、ブルドックとテリアを交配して創った種族というが、「どうしてブルドックとテリアを交配させなきゃならないんだ？」……答えは、なかった。

がに股はブルの脚つきではあるけれど、いかにも細く華奢で、その分顔は……デカイ！ブルの威厳と獰猛さは皆無で、どっちかというと情けない表情である。その顔の大きさのせいで、誕生はひどい難産なのだというこの宝物が、臆病なのかどうか、無闇に人なつこく、ヨタヨタと駆け寄ってきては足元に身体を摺り寄せてくる。

2日一緒にいるうちに、彼(彼女だったかな？)の雰囲気が誰かに似ていると思いはじめる。そうだ、その仕草が、最近"ポチ"と呼ばれはじめたどこかの国の宰相とそっくりなのだ!

覚束ない足取りでよたよたと阿部パパに走りより、身体を摺り寄せる姿は、ブッシュと並んでテレビに映る彼の姿と同じだ。頭を撫でられて---多分嬉しいんだろう---締りのない表情をさらに弛緩させるところもそっくりである。違いは、犬ほど主人に愛されていないことだろう。

いやはや、生きていると色んなものに出会うものだ……!

この種族を知らない人もいるかと、カラー写真を掲載して、敬意の表明とした。