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ヤイユーカラパーク VOL44 2003.06.21
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春のキャンプ その1

「雪解けのあと寒気が入ったので、山菜の伸び加減がちょうどいいと思うよ……」との悦子さんの情報に、心躍らせながら日高へと向かいました。誂えたような好天気です。2年ぶりの“有勢内生活館”は、地元の悦子さんとDさんが町役場に掛け合ってくれたおかげで懸案のトイレの使用ができるようになり、大掃除と日干しをすませると、快適なコンディションになりました。やっぱり、ここが使い勝手のよいベースキャンプです。

到着したメンバーが悦子さんの案内で山に入り、夕食の材料を収穫してきます。山菜の仕分けや調理、温泉行きなどが一段落して、初日の夕食会。子どもが多い今回は、それだけでも心楽しいものがあります。

二日目。早朝に到着したメンバーを含め、全員がそろいました。東京から参加の2名を入れて大人15名、子ども8、犬2です。朝食後、浦河へ向かいました。

いつもの沢で花々を楽しみ、キトピロ(ギョウジャニンニク)の群生地を見つけては夢中になって笹原に分け入ります。みんな、よく働きました。

カムイ橋へ移動して昼食。去年は雨のなか、橋の下でのバーベキューでしたが、今回は晴天で風もなく、快適な昼食パーティです。“キッチン山下”はフル操業。いやはや、よく食べました……!

午後は、恒例の山奥散策の後、静内へ戻りました。

静内温泉のあと、悦子さん夫妻とDさんも交えての夕食会。全員の自己紹介やほら話で、にぎやかに夜が更けていきました。

三日目目。“引き潮情報”が二転、三転し、午前中に館内の掃除と片づけをすませて、12時前から潮の引いた浜で潮干狩りを楽しみました。悦子さんが獲ってくれるウニを交代でもらって食べながら、自分も何とか見つけようと探し歩きます。その甲斐あって、見事ゲットした人も……。ツブはふんだんに獲れたので、なかなか楽しい浜あそびでした。

会館に戻り、それぞれ荷物を積んで解散。最後まで好天に恵まれたキャンプでした。みんな、また会いましょうネ……。

日高 春のキャンプに参加して

阿部 桃香(4才・札幌)

あべももか

阿部 竜也(9才・札幌)

さいしょにさんさいとりキャンプにいって、あいぬねぎしかとれませんでした。

つぎにたのしかったのは、つりです。なにもつれなかったけど、たのしかったです。

☆ 「あいぬねぎ」というよびかたは、いやな気もちになる人がいるので、つかわないようにしましょう。「ぎょうじゃにんにく」か「きとぴろ」か「ぷくさ」というのがよいとおもうよ。(けいらのおじさん)

阿部 涼太(10才・札幌)

かなりたのしかった。とくにつり。魚はつれなかったけど、つりができたから、たのしかった。

夜ねるとき、ねぶくろでねていて、さむくてこごえそうだった。

バーベキュウでは、しか肉やとり肉が、とくにおいしかった。

またこんど、ぜったいにここにきたいです。

☆ 「こごえそうだった」……気がつかず、ごめんなさい!(おとないちどう)

小田島 海渡(9才・小樽)

山にいくとかえるがいて、1かいにがして、またおんなじかえるをみつけて、またはっぱにのっけてにがして、やっといなくなったから、うれしかった。

小田島 幸平(11才・小樽)

1日目

山でさんさいをとりにいきました。さいしょは、たけとささの木がじゃまでした。だけど、なれてきました。

だけど、なれてきました。そしてはしってたら、かわにあしがはいった!くつがぬれた。

2日目

つぎは、さんさいをとった。だけど、きのうとちがう山をいった。さんさいは、きのうよりとった。

さいしゅうび・3日目

あさは、いぬとあそんだ。かえるよういをした。

つぎは、つりにいく。

いつもニュースレターで読んで、「楽しそうだな」と思っていた山菜とりに、初めて参加しました。そのわりには、集合場所の地図も持たずに出発し、なぜか浦河だと思いこんでいたために、浦河周辺をウロウロして、集合時間に大幅に遅れてしまいました。

いざ山菜とり!と思っても、何しろどれが山菜だか全くわからず、しばらくはボーッと周りを見ているだけでしたが、何とかキトピロとコゴミをとることができたので、一安心。

毎食、おいしいものを食べて、お酒をたくさん飲んで、幸わせな時間です。

さて、これから潮干狩り。その成果がどうなるか、楽しみです。

佐伯 奈津子(東京)

自然と共生する人びとの知恵 


カユ・ラハイ:

木の皮がヒモになる。表皮をはがし、繊維を残せばできあがり。マリンドの人たちは、何か伝えたいことがあるとき、伝言を託す相手の腕に、このヒモを結ぶ。ヒモを結ばれた人は、伝言相手に会ったとき、この伝言を思い出し、相手にヒモをとってもらって伝言を述べる。この木に生息するイモムシは美味。

カユ・ブス:

白い木の皮を薄くはがし、家の屋根に用いる。約5年もつ。煙でいぶすと、さらにもちがよくなる。

ポホン・バビ:

木の実を、火の保存・もち歩きのために用いる。

ポホン・サブン:

木の葉を手でこすり、水をつけると、泡のようなものが出てくる。石けん代わりになる。


以上、インドネシア最東南端の西パプア・メラウケ(ニューギニア島の西半分)の森を歩いて、先住民族マリンドの人たちから教わった知恵である。東京から来たわたしにとって、ただ「木がたくさん生えているところ」でしかない森が、人間の暮らしを助け、豊かにするものとして現われた。

今回の山菜採りも、そんな発見の連続だった。衣食住で「食べる」が最優先のわたしは、食べる葉を探すことに血マナコになってしまったが、薬になり、服のための糸になり、もしかしたら家の建材になる葉もあるだろう。

本来、人間は森、海、川など、自然と共生していたことを実感できる3日間だった。これから何度も、山菜採りとシカ狩りに参加させていただき、暮らしの知恵を吸収していきたい。

その前に、コゴミとギョウジャニンニクをおいしく料理して食べるぞ。

山本 倫子(札幌)

「アイヌの事を知りたい」と最初は、単純な動機で『ヤイユーカラの森』をたずねました。約半年経ちますが、知識はほとんど身についていません………(笑)。

ただ、夜智子さんが、「来週のキャンプとか、いろんな行事に参加すればいいさ。今度(来週)は、樺太アイヌの事がわかるようになるよ」と話して下さり、体験だけでも重ねたい、体験できる『ヤイユーカラ』はありがたいなあ、と思いました。

「山菜採りでは、必要以上のものは採らない」という、あたりまえなのですが、なかなか実行できない「アイヌの暮らし、考え方」を学べました。ありがとうございました。

山本 充(札幌)

おいしい山菜、きれいな空気と水、そしておいしいお酒(?)で、私も命の洗たくをしました。

それにしても、毎年山菜がたくさん採れるのに、川では魚が一匹も釣れないんですよね〜。(川に魚がいないのか? 漁師の腕前が悪いのか?)

山本 晶代(札幌)

春のキャンプでおいしいごちそうをいただくたびに、そのレシピをしっかり頂戴して、家庭でもくり返し楽しまさせていただいています。

何十年か後には、ちゃっかり山本家伝統料理になっているかも……。

山本 侑(12才・札幌)

今年の鹿肉は、とてもやわらかでおいしかった。

去年の肉のように骨付きで硬い肉も、ガツガツ咬んでいると、「ああ、オレは今肉を喰ってるんだ〜〜」という実感があって好きだ。どっちにしろ、鹿はウマイのさ!

山本 和(6才・札幌)

すごく大きなおなべで作ったごはんが、とてもおいしい。

山の中の川で、軍手をお洗たくしたのがたのしかった。

(桃ではなく、カエルが流れてきたそうです)

【母の独言】和は、去年までは母と一緒にくっついていたのに、今年は小田島さんのお兄ちゃんと手をつないで、さっさと先を歩いていた。

キケンな場所に来ると、お兄ちゃんが和の肩を「しっか」とだいて、守ってくれたね。どうもありがとうね。

とってもカッコ良かったよ!