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ヤイユーカラパーク VOL45 2003.12.28
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おもな内容

2010年冬季オリンピックに抗して

7月にカナダの松井健一さんから、以下のメッセージとプレス・リリースが送られてきました。小泉純子さん(東京)の翻訳でお届けします。遅くなってすみません。

前略

7月2日、オリンピック委員会がバンクーバーとウィスラーでの2010年冬季ゲームの誘致を決定しましたが、それに対してシュティカ(ローザリン・サム氏代表)、スクウェルクウェックウェルト・プロテクション・センター(ジャニス・ビリー氏代表)の公式合同声明がでました。下に同封します。興味のある方々へ情報をまわして下さい。今後開催地周辺の先住民族の間で、開発を周辺にしたさまざまな動きがでることと予想されます。

松井

新 聞 発 表

インディアン、長老、土地使用者は、2010年オリンピックゲームを先住権を脅かすものと見なす


≪2003年7月15日,セクウェップムゥ準州カムルーパ;St’at’imc準州リルワット≫

国際オリンピック委員会の決議が下された時、その場にいた多くのインディアンは大きなショックを受けた。何故ならば、その決議とは、彼らの土地が更に破壊され、寸断されるという大変深刻な脅迫を意味するからである。


シュティカ・キャンプのスポークスパーソンであり、2010年バンクーバー・ウィスラー招致――現在はSt’at’imc準州で直接行われることになった件への反対を声高に唱えるロザリン・サムは、最初のリアクションとしてこう語った。

「私はSt’at’imcのリルワット人として、祖母と母として、IOCがバンクーバーで行われた私たちのミーティングで彼らに向けて話した言葉を聞かなかったことと、何故オリンピック・ゲームの開催権利をウィスラー・バンクーバーに与えてはならないのかを記した書簡を読まなかったことに対し、非常に憤慨しています。IOCが、未だにイニシアチブを取ってSt’at’imcのチーフ全員に会い私たちの土地の使用許可を取らないことに対し、ショックを受けています。遠い昔、白人が最初に来て約束し、安物の宝石、ビーズ、病原菌の蒔いてある毛布しか与えなかったように、空頼みと共に私たちの土地を破壊し私たちをそそのかす未来が見えます。仕事とお金に関する約束はほんの数日しか持たないでしょう。しかし、私たちの土地は何百年も破壊されたままになるでしょう。私は7世代先の子孫まで考えて未来を見据えます。オリンピックは、今から7年後の2010年だけ、3週間のパーティーのことだけしか考えていません。」

シュティカとサンピークス・スキーリゾートの拡張に反対するスクウェルクウェックウェルト・プロテクションセンターは、早くも2002年6月には国際オリンピック委員会に対する正式訴訟を記し、2003年3月に選定委員会と会合を持ち、問題に関して審議したが、未だに回答を受け取っていない

先住民族は所有の土地での開発に対する承諾を与えなければならない、という国際法に基づくと、バンクーバー・ウィスラーでの2010年オリンピックに協力する者誰もが国際的に認識されている先住民族の権利を犯していることは明白である。

インディアンは、たくさんの土地を自由に入手し強制的に先住民族から奪ったオリンピックと他の大規模スキーリゾート開発を、不動産取引として見ている。ブリティッシュ・コロンビア州にあるサンピークス・スキーリゾートは、オリンピックに参加するアスリート達が使用できるようその施設を改善する計画を既に発表している。インディアンがあくまで反対する、最後に残された渓谷を新植民地主義的な方法でこじ開けようするスキーリゾートを含めた同様の開発にも弾みがついている。

現場のインディアンとシュティカとスクウェルクウェックウェルト・プロテクションセンターは、以下のことを明白にする:

 ・我々は我々の伝統的領土でのオリンピック絡みのすべての開発に反対する。

 ・我々はオリンピック絡みのすべての観光事業にも反対する。

 ・我々の許可を得ていないすべての開発者は、不譲渡の原住民の資格と権利を侵害している。

 ・我々はアスリートと旅行者を含む世界中の人々に、我々の権利と資格の侵害をしないこと、そして、2010年オリンピック
    に関わらないことを求める。

問い合わせ先:ロザリン・サム:1-604-894-2400 Eメール:sutikalh2003@telus.net

          アーサー・マニュエル:1-250-319-0688 Eメール:artmanuel@earthlink.net