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2004.06.30 |
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『1421―中国が新大陸を発見した年』 ギャヴィン・メンジーズ 著/松本剛史 訳 (ソニー・マガジンズ/2003,12,20)
『青い地図―キャプテン・クックを追いかけて』(上・下) トニー・ホルヴィッツ 著/山本光伸 訳 (バジリコ/2003,12,25)
『1421』の著者は1937年生まれのイギリス人。英国海軍の潜水艦艦長として世界中の海を回り、退役後本書に物語られている15世紀、中国の明朝・永楽帝の命によって家臣・鄭和が行なった世界一周の航海に興味を持ち調査旅行を行なった。1492年コロンブスによって「発見された」とされているアメリカ大陸に、鄭和の船団は1421年に到達し、移住者さえも残していた……等々が報告されている。
『青い地図』の著者は、1958年生まれのピューリツアー賞受賞アメリカ人ジャーナリスト。クックの乗船エンデヴァー号の複製船による再現航海に乗船したのをきっかけに、1776年のクック最後の航海(3回目)の航路を自身が18ヶ月かけて辿った記録。
偶然同じ時期に邦訳が出版された両書は、それぞれが予想以上の面白さに溢れていた。どちらも著者が、先人の航路を忠実に辿っていくことで"発見"していく事象の面白さである。特に『青い地図』では、二百年前に航海日誌や船員の記録として書かれた記述(体験)と現代の著者自身の体験や感想が、交錯して描かれながら航路を進んでいくという手法が、優れた効果を出している。改めて、太平洋の島々にこころ魅かれるのであった。
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