肥満予防のための食事

 肥満を防ぐには、自分の生活パターンに合ったエネルギーの所要量を知り、それに見合ったバランスの良い栄養素が入った食事を取る必要があります。


1 栄養所要量と食品群別摂取量(食品構成)とは?

 栄養所要量は、健康を保持・増進するために必要な栄養素量を表したものです。では、この栄養所要量を満たすためには、どのような食品をどの程度とればよいのでしょうか? それを日常生活に取り入れやすい食品群別に表示したのが「食品群別摂取量(食品構成)」(表3)です。
どのように当てはめるのか、順番に見ていきましょう。

2 あなたに適した栄養所要量を調べてみましょう。

 栄養所要量は、性別・年齢・生活活動強度などにより、それぞれ異なります。

@ 生活活動強度を判別してみましょう。

 生活活動強度とは、日常生活での基本的な運動強度のことです。仕事の内容などにより、4つに区分されています。  表1を参照して、自分の生活活動強度を判別しましょう。

表1 日常生活からみた生活活動強度の区分(目安)

区 分 生活活動強度
と指数
生活動作 時間 日常生活の内容
J 軽い   睡眠
  座る
  立つ
  歩く
 8
12
 3
 1
通勤、買物など1時間程度の歩行と軽い手作業や家事などによる立位のほかは大部分座位で事務、勉強、談話等をしている場合
K 中等度   睡眠
  座る
  立つ
  歩く
 8
7〜8
6〜7
 2
通勤、買物のほか仕事などで2時間程度の歩行と事務、読書、談話による座位のほか機械操作、接客、家事等による立位時間の多い場合
L やや重い   睡眠
  座る
  立つ
  歩く
 筋運動
 8
 6
 6
 3
 1
農耕、漁業、建築などで座位、立位、歩行のほか1日のうち1時間程度は重い筋作業に従事している場合
M 重い   睡眠
  座る
  立つ
  歩く
 筋運動
 8
4〜5
5〜6
 4
 2
1日のうち2時間程度は激しいトレーニングとか木材の運搬、農繁期の農耕作業などのような重い筋作業に従事している場合

A 身長を計測し、エネルギー所要量簡易算出式で計算してみましょう。

 エネルギー消費量は、身長によって異なります。適正な栄養所要量を知るためにも、改めて身長を計ってみましょう。 生活活動強度・身長が分ったら、「エネルギー所要量簡易算出式」(表2)に従って計算して下さい。

表2 エネルギー所要量簡易算出式

 区  分 男  性 女  性
J 軽い  20〜29歳 20.00×身長−1,150
 30〜39歳 19.17×身長−1,054
 40〜49歳 18.57×身長− 998
 50〜59歳 20.00×身長−1,300
 60〜69歳 18.21×身長−1,132
 70〜79歳 15.48×身長− 838
 80歳以上 12.62×身長− 525
 20〜29歳 15.50×身長− 636
 30〜39歳 15.00×身長− 611
 40〜49歳 15.00×身長− 611@
 50〜59歳 16.00×身長− 788
 60〜69歳 16.00×身長− 858
 70〜79歳 13.09×身長− 526
 80歳以上 14.55×身長− 818
K 中等度  20〜29歳 22.74×身長−1,327A
 30〜39歳 20.83×身長−1,033
 40〜49歳 20.83×身長−1,083
 50〜59歳 22.86×身長−1,479
 60〜69歳 21.43×身長−1,427
 70〜79歳 17.74×身長−1,000
 80歳以上 15.24×身長− 775
 20〜29歳 17.33×身長− 679
 30〜39歳 17.67×身長− 793
 40〜49歳 17.67×身長− 793
 50〜59歳 18.83×身長−1,002
 60〜69歳 18.50×身長−1,051
 70〜79歳 16.48×身長− 864
 80歳以上 16.67×身長− 977
L やや重い  20〜29歳 25.95×身長−1,397
 30〜39歳 25.83×身長−1,408
 40〜49歳 25.00×身長−1,325
 50〜59歳 27.38×身長−1,786
 60〜69歳 24.40×身長−1,532
 20〜29歳 20.67×身長− 801
 30〜39歳 21.17×身長− 976B
 40〜49歳 21.17×身長− 976
 50〜59歳 21.67×身長−1,078
 60〜69歳 22.00×身長−1,260
M 重い  20〜29歳 30.95×身長−1,747
 30〜39歳 30.00×身長−1,638
 40〜49歳 29.17×身長−1,554
 50〜59歳 31.90×身長−2,082C
 60〜69歳 28.21×身長−1,782
 20〜29歳 24.33×身長− 988
 30〜39歳 24.17×身長−1,056
 40〜49歳 24.17×身長−1,056
 50〜59歳 25.00×身長−1,217
 60〜69歳 25.33×身長−1,449

【簡易算出式での計算例】
@の例 J 軽い・・・・・の女性の場合(40歳で身長155p)
    15.00×155−611=1,714kcal

Aの例 K 中等度・・・・・の男性の場合(27歳で身長170p)
    22.74×170−1,327=2,538kcal

Bの例 L やや重い・・・・・の女性の場合(32歳で身長155p)
    21.17×155−976=2,305kcal

Cの例 M 重い・・・・・の男性の場合(51歳で身長160p)
    31.90×160−2,082=3,022kcal

B 自分がどのグループに属するかを見つけましょう。

 Aで得たエネルギー所要量に対応した食品群別摂取量(表3)を見て下さい。自分のエネルギー量といちばん近いものを探します。そして表示された栄養素を見て下さい。これだけ摂取するために、食品群ごとの目安を利用して献立をつくりましょう。

表3 食品群別摂取量(食品構成)

  区 分
 栄

 養

 素

 等

エネルギー(kcal) 1,100 1,500 1,600 1,700 1,800 2,000 2,300 2,600
たんぱく質(g) 35 45 60 55 65 70 80 85
カルシウム(mg) 500 500 600 500 600 600 700 800
鉄(mg) 7 8 10 9 10 10 12 10
ビタミンA(IU) 1,000 1,000 2,000 1,200 2,000 1,500 2,000 2,000
ビタミンB1(mg) 0.5 0.6 0.7 0.7 0.8 0.8 1.0 1.1
ビタミンB2(mg) 0.7 0.9 0.9 1.0 1.0 1.1 1.3 1.5
ビタミンC(mg) 40 40 50 50 50 50 50 50
動物性たんぱく質比(%) 40〜50 40〜50 40〜50 40〜50 40〜50 40〜50 40〜50 40〜50
脂肪エネルギー比率(%) 25〜30 25〜30 20〜25 20〜25 20〜25 20〜25 20〜25 20〜25
 食

 品

 群

穀類 (以下の単位は g) 140 220 260 280 300 340 390 440
種実類 3 3 3 3 3 3 3 3
いも類 30 50 50 50 60 60 70 80
砂糖類 5 5 5 5 5 5 10 10
油脂類 10 10 10 10 10 15 20 25
豆類 30 50 50 50 80 80 80 100
その他の豆類 5 5 5 5 5 5 5 5
果実類 150 150 150 150 150 150 150 150
緑黄色野菜 100 100 100 100 100 100 100 100
その他の野菜 200 200 200 200 200 200 200 200
海藻類 5 5 5 5 5 5 10 10
調味嗜好品 50 50 50 50 50 50 50 50
魚介類 40 40 40 40 50 50 70 80
小魚類 5 5 5 5 5 5 5 10
肉類 40 40 40 40 40 50 60 60
卵類 30 40 40 40 40 40 50 50
乳類 200 200 200 200 200 200 250 300
注) 豆類は大豆・大豆製品、その他の豆類は大豆・大豆製品以外の豆類をいう。

3 一日30食品を種類の異なる食品群から。

 私たちが健康を維持・増進するには、数10種類の栄養素が必要です。一方、食品は、種類によって含まれる栄養素に特徴があります。また、同じ種類のものであっても、個々の食品に含まれる栄養素の種類と量には違いがあります。

 したがって、1日に摂取する食品の種類と数が増すほど栄養素のバランスはよくなります。
現在の日本人の食生活の実態を考え合わせると、一日30食品を目安にすることが望ましいといえます。30食品または30を上回る食品数をとっても、食品の種類に偏りがあっては栄養素のバランスをとることはできません。
次に示す6つの食品群をもれなく組み合わせてとることが大切です。

食品のはたらきとその分類    クリックすると大きい画像(54kb)が出ます。

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一日30食品を上手にとる方法

 一日30食品を上手にとるためには、次のことを毎日実行しましょう。

  「6つの基礎食品」の各群から、もれなく組み合わせる。
  主食、主菜、副菜をそろえる。
  朝食もしっかり食べる。(欠食すると30食品とることが難しくなる)
  野菜は、できるだけ多くの種類をとるようにする。


参考;「健康増進のしおり」No44,83      

企画・編集・発行: 社団法人日本栄養士会