百名山99座

水晶岳(2986m)
鷲羽岳(2924m)

登山日記

  2011.8/1(木)〜            8/4(日)

3泊4日
一日目(晴れ)
二日目(小雨・霧・晴れ)
三日目(晴れ)
四日目(曇り・小雨・晴れ)
 

           水晶岳                                           水晶岳・鷲羽岳
8/1(木)      〜
     4(日)

水戸5:00−北関東道−関越道−上信越道−長野道−158号−471号−10:10新穂高登山者専用無料駐車場11:00−ワサビ平小屋−鏡平山荘16:20()
  山荘4:00−双六小屋6:30−三俣山荘9:40−鷲羽岳11:15−水晶小屋13:15−水晶岳14:3015:00−小屋16:00(泊)

 水晶小屋5:00−黒部源流−三俣山荘8:00−三俣蓮華岳9:50−双六岳11:50−双六小屋13:30−夕食16:30(泊)

  双六小屋4:40−弓折分岐−鏡平山荘6:1030−ワサビ平小屋9:20−駐車場10:30−深山温泉11:40-11:30−松本IC−長野道−上信越道−関越道−北関東道−水戸16:30

山登りの費用 高速代(4850円 3400円 550円 400円)
鏡平山荘(8800円 朝食なし弁当あり、オレンジ200円、生ビール800円)
双六小屋(りんご
300円、コーヒー400円、お湯200円)
三俣山荘(コーヒー
600円、ホットミルク400円)
水晶小屋(素泊まり
6500円、お湯200円、カップラーメン500円)

三俣山荘(ネクター
400円)
双六小屋(
8000円 夕食のみ、コーヒー400円)
鏡平山荘(ラーメン
700円 ペットボトル400円)
温泉
500円  
内訳 移動  走行距離 794 km
歩行時間  1日目6時間、2日目 10時間303日目 7時間、4日目 6時間  
  今回三度目の挑戦でやっとのことで北アルプス最奥の水晶岳に登ることができた。このコースは、私の体力では、4日間かかる。予備日を入れても五日間の休みが必要だ。お盆休み以外で連続の休みが取りづらく百名山の山では99番目になってしまった。

 一度目は2005年の8月に笠新道から登り双六・三俣と縦走する予定だったが、台風の影響でなくなく双六から下山することになった。

 二度目は2013年に職場の同僚とテント持参で富山の折立から入山し、雲ノ平を経由し三俣からピストンで水晶岳を目指す予定だったが、後輩が高山病になり三俣から下山する羽目になった。

 今回、山頂ではガスがかかり360度の展望にはならなかったが、下山後、ガスが取れ素晴らしい展望が開け、立山・雲ノ平・薬師岳・黒部五郎岳・槍ヶ岳・裏銀座の山並みが見れたことはとてもよかった。

 
水晶岳を別名「黒岳」と呼ぶことが多い。私は何度か北アルプスを登っていて水晶岳が周りの山の陰になり黒っぽく見えたことがあったので黒岳と言うのかと勝手に解釈をしていた。実際には、この周辺の山の多くが白く明るい岩で構成されているのに対し、水晶岳は、黒っぽい岩で構成されている。水晶岳の名は、花崗岩中に水晶やザクロ石の結晶が多くみられることからつけられたそうだ。

 水晶岳は、予想に反し、ゴツゴツとした針峰状の岩峰を持っている山であった。

 
新穂高登山者用無料駐車場 仮設の橋

4時に起床し、新穂高に向け家を5時に出発する。北関東道路が開通し首都高速を通らずに松本まで行けるようになった。新穂高に着き登山者専用無料駐車場を探すが、いつものことだが道に迷う。深山温泉にナビをセットしていたが分館があるらしく途中で分からなくなった。畑仕事をしていたおじさんに道を聞き1020分に無事に駐車場へ。予定より早く着いた。ほぼ満車状態であったが、数台の空きスペースがあったので助かった。今からだと鏡平山荘まで行けそうだ。山荘に電話をして予約を入れ、夕方5時頃になりますと言った。

濁流が・・ 登山口
登山届ポスト 左俣谷
登山届けを出すのを忘れていたのに気がついたが、場所が見つからない。ゲート入口にポストがあって一安心。
中崎橋 林道
笠新道分岐(水場) わさび平小屋
左俣林道を歩くのは5回目だ。ここから約5時間のコースだ。無理をせずにゆっくり歩こう。
冷えたリンゴ・オレンジ・トマト・きゅうり
わさび平小屋に立ち寄りオレンジを買いむさぼりつく。そして、タバコを一服、先を急ぐ。
穂高連峰? 秩父沢
休憩適地
チボ岩付近で韓国人登山者4人組とすれ違う。「こんにちは。」と挨拶をしてくれた。先日、木曽駒ヶ岳で韓国人山岳ツアーによる登山事故が起こっている。この登山者はしっかりした服装・装備をしていた。
下山者
ここからは多くの登山者とすれ違う。「天気はどうでしたか?」と数人の登山者に聞くが「晴れていたよね。」と中途半端な返事が返ってきた。明日の天気は曇りの予報であった。
シシウドヶ原

明日は移動日なのであさって晴れてくれればいいと思った。

岡山県から来ていた青年

シシウドヶ原で休憩していた青年がいた。彼は岡山県から来ていた。登山は始めたばかりと言っていたが、冬山も少しかじっていると聞きびっくりした。

キヌガサソウ
コイワカガミ 鏡平ベンチ
鏡平山荘 山荘内部
彼とは夕食の時に、偶然にも隣の席になった。明日は双六でテント泊し、次の日に笠ヶ岳へ向かうとのことだった。足を痛めていたようだったので「無理をしない方がいいですよ。」と声を掛けた。前に座った三人組の登山者は(歯が痛かった?)夕食を二人分しか頼んでいないようでおかずを三人で分けてご飯と味噌汁を食べていたのには恐れ入った。(小屋も混んでいたのでアルバイト従業員も見て見ぬふりをしたのかなと思った。)

夕食を食べ、布団に入る。今日は一畳に一人だ。ゆっくり寝られそうだと思っていたが、、隣で大いびきをかかれ、寝られたのは数時間だった。寝られなかったのは私だけではなかったようだ。極めつけは夜中の
2時に火災報知器が鳴り響いたことだ。原因は結局わからなかったが、登山者の誰かが非常ボタンを押していたと証言した宿泊者もいた。私はそんな馬鹿なことは無いだろうと思った。山小屋の管理人から何の説明もないと怒っていた宿泊者もいた。
槍・穂高が・・ 弓折分岐
朝の3時過ぎに目が覚め(ほとんど寝ていない。)4時に鏡平を出発する。朝の4時に出発する登山者は誰もいない。不安が頭を過ぎる。ここから先は10年前に熊とすれ違った登山道を歩く。笛をぶら下げ(北海道で購入したもの)と鈴2つをサックに装着し小屋を出発する。小屋のお姉さんが見送ってくれた。熊の話をすると両手をたたく仕草をしてくれた。何かで音を出した方がいいとアドバイスをしてくれたようだ。
お花畑 双六岳
弓折分岐までの稜線でライトを付けた登山者が下山しているのを見て、安心していたがすれ違うこともなく弓折分岐に到着。あのヘッドランプの明かりは何だったのか?(登山仲間のF氏も同じような経験をしている。獣の目なのか?熊?)
雨雲が・・・ ニッコウキスゲ
雨雲が下りてきた ハクサンイチゲ
花見平を過ぎる頃から雲行きが怪しくなってきた。何と・・・雨が落ちてきた。カッパに着替える。雪田付近で数人の下山者をすれ違う。雨脚が強くなった。
雪田 クルマユリ
稜線へ お花畑
双六テント場 双六小屋

双六小屋に到着。朝食代わりにホットコーヒーとりんごを注文した。小雨から霧に変わっていた。外のベンチでりんごを食べる。今日から小屋は混雑しそうだ。

三俣山荘への巻き道分岐 コバイケイソウ
三俣山荘までは巻道コースを行くことにした。今回の目的は、水晶岳と鷲羽岳に登ること余計な体力を使いたくないと思った。霧と雲に隠れ周囲の山はまったく見えない。しかし、沢山の高山植物が咲き乱れていた。花の写真を撮りながらゆっくり歩く。
徳島県から来られたAさん お先にどうぞ(追い越される)

巻き道では5,6人の登山者とすれ違う。徳島県から来たAさんとすれ違いに話をする。。四国で見た山の形はお椀をひっくり返した様な山がたくさんあって変わっているものが多かったと話をすると徳島県は富士がの名前が付く山が多いということだった。

ガラ場の下り
このガラ場の下りは目印がない。
分岐 三俣テント場
なかなか三俣小屋に着かない。やっとのことで小屋と三俣蓮華岳への分岐に到着した。ここから30分だ。
分岐 三俣山荘へ
三俣山荘 サイホン
ハイマツ帯の中のテント場を過ぎ三俣小屋に到着。雨足がまた強くなった。先行きが心配だ。有名な山荘2Fの食堂&喫茶へ入り、サイホンで入れたコーヒーとホットミルクを飲む。ここで働いているボーイの一人はアラブ系の外国人だ。日本語はあまり分からないようだ。こんな山奥の小屋にまで来て外国人が働いているとは山の雰囲気を壊された気がした。(偏見ではありません。)
ミルクとコーヒー 2Fが軽食喫茶
雨具装着 鷲羽岳へハイマツの中に入る
雨足も強いままだったが少し休憩し出発する。道が分からなかったので、4人組の中高年のグループに聞く「私達も今から水晶岳に向うところです。」という返事だったので少し安心した。
霧雨が 4人組のス−パーガール
ハイマツ帯を抜け鷲羽岳の砂礫の急登に入る。昨日の小屋の登山者に聞いた話では昨日の朝雷があり撤退してきたと言っていた。霧雨の中を1時間くらい登ったところで、4人組の団体が後に続いているのが分かった。私との距離が徐々に詰まってきていた。小屋で道を聞いたおばあさんグループに追い抜かれるのかと思った。よく見ると重いザックを背負った山ガール4人組であった。これは格好悪いと休まずに山頂へ向う。雨がやみ霧が薄くなった感じだ。
あ!青空が
青空だ! 鷲羽岳山頂
山頂に着いた頃から空が明るくなり、ガスの切れ間から太陽の光が差してきた。天気が回復しそうだ。(山の神様がきっと私達を見守ってくれているのだと心の中で思った。)
 
 鷲羽岳は学生の時にテントを背負い高瀬ダムから登り、山頂付近を歩いているのだが、その時は雨が強く山頂には立っていない。その時の登山者との会話を今でも鮮明に覚えている。「あと10m先が山頂ですよ。」その頃は百名山など頭になかった。裏銀座からの槍ヶ岳を制覇するだけ、それ以外の山はどうでもよかったからだ。(ルートからいって鷲羽岳に登ったことには変わりはない。)
スーパーガール(山ガールではありません。) 最初は分からなかった。鷲羽岳2924m

程なくして4人組の山ガールが山頂へ到着。背負っているザックの大きさにびっくり20kgはあるだろう。女子でこれだけ大きなザックを背負っているのは大学のワンゲル以外に見たことはなかった。気が気でならなかったので「何のサークルですか?」とリーダーらしき女性に聞く。東京にある山岳会の仲間であると聞き納得した。今までに大荷物を背負った山ガールを見たことがなかったので記念に写真を撮らせていただきました。小さすぎてあまり顔が見えないのが残念でしたが、HPで公開しているのでこれくらいがいいのかもしれません。また、山頂での記念写真を撮っていただきありがとうございました。

たくさんの登山者で山頂が賑わってきた。私の目的は水晶岳を制覇すること。この天気なら本日中に山頂に立てる。後髪を引かれながら山頂を跡にした。
高山植物オブジェ
ワリモ岳 雲ノ平へ(山ガール4人組)
鏡平のお弁当(美味しかった。)
水晶岳 黒部源流への分岐
水晶小屋へあと少し
水晶小屋 風力発電
ワリモ北分岐を経由して2時間で水晶小屋へ到着。時間は1時15分だ。受付をする。今日は、布団一枚に2人だそうだ。この時期、小屋の混雑は覚悟の上だ。荷物を小屋に預かってもらい山頂へ向う。山頂を往復してきた多くの登山者は小屋のベンチで景色を楽しんでいるようだ。
山頂はガスの中 山頂は岩峰
なだらかな稜線歩きかと思っていたが、最後は岩場の連続だ。危険な場所はないが、山頂は狭く切り立った岩場になっていた。2時15分に山頂へ到着7人の登山者が山頂で見える景色に一喜一憂していた。
山頂はもう少し 山頂はおじさんばかり
赤牛岳 雲の平(小屋)
ガスがかかってはいるが気持ちのいい山頂だ。ここで1時間過ごした。時折、雲ノ平が眼下に広がるがすぐに霧に隠れてしまう。雨が降らないだけでも山の神様に感謝だ。山頂の登山者は入れ替わりながら山頂を跡にしている。三人になったとき、親切なご婦人に記念写真を撮ってもらうことになったが、なかなか湧き上がるガスが取れない。取れるまで待ちましょうかと優しい言葉をかけていただいた。
山頂から 山頂で一緒になった親切なご婦人
諦めて下山を開始した。降りてすぐに嘘のようにガスが取れ、360度見渡す限り山の世界になった。埼玉県から来ていたご婦人と一緒に下山することになり写真を撮りながら小屋まで戻った。他の登山者から夫婦と間違えられたが、それはそれで嬉しかった。4時に小屋に戻った。
ご婦人も景色を堪能 槍ヶ岳
黒部五郎岳 小屋を守るお地蔵さん
身動き取れない小屋内部 寒い(夕方)
この小屋では宿泊者以外の登山者には水は売ってない。雨水だけを溜めているのでいたしかたない。(飲料水は浄化している。)

夕食は頼まず、鏡平で頼んであった昼食用のおにぎりと小屋で注文したカップラーメンを食べた。外は風が強く寒いので素泊まり自炊登山者の数人が中で食事の準備をしていた。受付の場所と食事に使える場所が3畳くらいしか無い。食べる場所がなかったので小屋の管理人の了解を取って床に座って食べた。

厳密に決まっているわけではないが、素泊り者の食事をする場所で団体のグループが場所を占拠し酒盛りをしている。食堂以外の場所での飲食はほとんどの小屋で禁止されているのでいたしかたないが、素泊まり者の自炊場所に対する配慮もほしかった。

同じ向きには寝られないので、私は逆向きに寝た身動きできない状態で明日の朝まで我慢だ。早く朝が来てくらないかなと思った。私は絶対に宇宙飛行士にはなれないと思った。隣のおじさんは夜中に何度かうめき声を上げていた。すごいストレスがあるんだと思った。

夜中の2時にトイレに入り夜空を見上げるが感動はない。学生の時に南岳避難小屋で見た天の川がすばらしすぎた。あの時の天の川はまるで生きているかのような天の川だった。

富士山 ご来光

朝4時半に起床。ご来光を見て5時に出発。今日は最高の天気になりそうだ。梅雨が明けたような晴天だ。

槍ヶ岳 立山
黒部源流へ 岩苔乗越
分岐から3度目の黒部源流を歩くことになる。10名くらいの登山者とすれ違う。

登頂記録へ

百名山軌跡へ