コカトリス

Cockatrice(英)/Cocadrille(仏)

コカトライス、コッカドリル、コッカトリスとも。

バジリスクから派生した魔獣である。詳細はバジリスクの項を参照。

バジリスクから派生したという経緯のため、両者を同一視することも多い。
またバジリスクの変種や、雌雄関係という説もあります。

どちらが雄でどちらが雌かははっきりとした伝承はありませんが、創作作品ではバジリスクが雄、コカトリスが雌とされるのが多いようです。

またバジリスクは雄鶏の鳴き声に弱いという説があるが、異説の一つにコカトリスはその弱点を克服した存在というのもある。

堆肥の上に産み落とされた雄鶏の卵から生まれる、もしくはその卵を蛇や蟇蛙などが温めるとコカトリスとして孵化する、雷の晩に雄鶏の卵が孵ると生まれるという説がある。

生まれたばかりのコカトリスはその姿を見られると死んでしまうため、すぐにどこかに隠れてしまうとされています。

ヨーロッパではコカトリスが発生しないように、5月になると鶏小屋を掃除して隅に魔除けとしてクマシデの枝を置くなどのお呪いがある。

姿に関してはコカトリスという名前に、鶏というニュアンスに近い発音が混じるため従来の蛇や蜥蜴に鶏の姿が混じったものとして伝えられるようになります。

民間伝承レベルのため資料によってまちまちですが、鶏と爬虫類が混ざったような姿をしており、二足あるいは四足、黄金の羽毛に大きな翼、尾は蜥蜴や蛇あるいは蛇頭、翼は竜、体表には爬虫類の鱗がある等、実に多くのバリエーションが存在する。

嘴に石化の力がある、見られた者は石になる、吐く息は毒で植物を枯れさせ飛ぶ鳥も落ちるという。

バジリスクから派生した存在ではあるが、元々は遠い砂漠の地に棲息していた蛇の伝承であったバジリスクと違い、身近な存在となったコカトリスはバジリスクと比べるとスケールダウンしている感が否めない。
いかに伝承とはいえ、そんな鶏小屋で生まれるやつに、周囲を砂漠にする程の猛毒という設定は拙かったのだろう。

そのために創作作品、特にRPGなどではバジリスクの方が上位に位置するのが定番といえる。