ミカエル

Michael

四大天使の1人で、天使の最高権力者の最有力候補。

もとは紀元前7世紀頃、オリエントで栄えたカルディア人の神だったらしい。
やがてユダヤ教に取り込まれ、イスラエルの守護天使で太陽を司るミーカールMikal、ミーカイールMika'ilとなる。
その後、派生したイスラム、キリスト教にも最高位の天使として登場。

名の意味はヘブライ語で神のようなもの、神に似たもの、神の如きものは誰ですかという意味合い。

四聖獣のように、四大天使も四方位や四元素に対応されるがミカエルは四元素の火、方位は東を司る。
シンボルは抜き身の剣、秤。特性は知性、美徳は慎重を司る。

文句なしに最強の天使の最有力候補に入る。
人気も高く、力天使の指導者、大天使の指導者、神の御前のプリンス、慈悲の天使、聖別の天使、正義の天使、など数々の称号を持つ。

シンボルである鞘から抜かれた剣が示すように、戦闘力も高いようで武勇も多い。
ミルトンの失楽園の中では、もっとも強いとされる。
ちなみにその次に強いのはガブリエルとしている。

またエノク書では慈悲深く、めったに怒らないとされる。

このためミカエルを描いた絵画では、武装した青年などの姿が多い。

また病人、食料雑貨商、水夫、兵士の守護天使ともされる。
1970年より大天使ガブリエルやラファエルとともに記念されることになり、9月29日が祝祭日とさだめられた。

また天使暦では、日曜日(水曜日という説もあるようだ)を司る。

ドラゴン退治

ヨハネの黙示録にはこうある。
わたしはまた一人の天使が底なしの淵の鍵と大きな鎖とを手にして天から下って来るのを見た。
この天使は悪魔とかサタンと呼ばれるもので、年を経た蛇、すなわち竜を取り押さえ、千年の間縛り上げ、底なしの淵に投げ入れ鍵をかけ、封印を施して、千年が終わるまで、もうそれ以上諸国の民を惑わさないようにした。

失楽園では
サタンとその賛同者三分の一の天使との反逆戦で天使の総指揮官として天使を率いて戦う。
自らも前線で戦っているが、総指揮官が前線で戦うというのは戦略上下の下である。
まああまり突っ込むのもなんですが、サタンの軍が全天使の三分の一ということはその残りの天使の方が数が多いのだが・・・当初は劣勢を強いられている。
指揮官としての能力はそれほど高くないのかもしれない。

やがて山を片っ端から掴んで投げ付けるなど、とんでもない戦法で巻き返しを図り大混戦となる。
個人的意見ですがサタンたちがこれをやらなかったのは、自然なんかを破壊したくなかったのではないかと思ってしまいました。

そして混戦の最中サタンとミカエルはまみえ、一騎打ちになる。
このときミカエルはサタンを悪の元凶、創設者と呼び、悪はお前が叛逆をするまではこの天上で誰も知らず、名すらなかったのだ!騒擾をおこすなら、地獄で起こすがよい!そうだ、この懲役の剣が断罪の裁きを下す前に、いや、 なんらかの復讐の手が突如として、神から放たれ、さらに激しい苦痛を与えて汝を間っ逆さまに落とす前にだ!」
要約すると下らん戯れ事なんぞ地獄でうじうじやってろ!!俺や神の手を煩わせるんじゃねえ!!というようなことをいって両者は戦うことになる。

余談だがサタンとミカエルは双子の兄弟という説もあり、そういう目で見ると兄弟で争いたくないので大人しく引いてくれという思いがある・・・ように見えないこともない。
兄弟説の場合、両者は瓜二つの姿だとされる。
ただし絵画などで描かれる場合、サタンの方がやや色黒で描かれることが多い。
ただしこの兄弟説、けっこう有名なわりに出展が不明な異説である。

話を戻して、ミカエルとサタンとの一騎討ちは互角で両軍が戦いを中断するほど凄まじいものだったという。
だが使っていた武器の差でサタンの剣は両断され、右脇腹を深く抉ったという。
このときサタンは初めて苦痛を知り、身を捩り転げ回った・・・こうしてサタンは敗れたのである。

ミカエルの剣は神の武器庫からもたらされたもので、彼の象徴である鞘から抜かれた剣とされる。
一説には黄金に光り輝く剣だという。

ちなみに天使階級で下から2番目の位階である大天使だったが、この功績で最高位の熾天使になったという説もある。まあ、そんな下っ端に全権任せたのかといいたいですが・・・
ひょっとして上司が全員残らず反逆軍にまわったのか?

また死海写本『光の子と闇の子との戦い』では、ミカエルは光の君主として軍を率いて闇の支配者であるベリアルの軍と対抗する。この時のミカエルの役割は天の副王、神の次の地位、すなわち堕天前のサタンの地位であった。

アダムとミカエル

アダムが創られたとき神のもとに案内したのがミカエルであるとされる。
そして神が天使達にアダムに平伏せと命じたときも真っ先に従い、手本を見せたという。

失楽園ではアダムを楽園から追放する使者の役目を担った。
この時にミカエルはアダムに対する哀れみを抑えてアダムを楽園から追放するという神の決定を伝えた。

要約すると「神の伝言を伝えに来た、前口上は無用だろう。この楽園に住むことをもう大家(神)は許さない。ここを出て、土を耕して生きなさい」という内容だ。

また追放の身と成ったアダムに作物の作り方を教えたのもミカエルである。

その後もアダムを神のもとに連れて行き謁見させたりしたという。
そして死んだアダムの魂を引き受け、罪を清めたとされる。

 ミカエルの持つ秤は人間の魂をはかるためのもので、魂を冥界に導く者役目を持つことを表している。

メルクリウス神を崇拝するガリアの異教徒たちを教会が引きつけたがったため、冥界の神の属性の多くをミカエルに付加したためともいわれる。

マリアへ死を伝える役割も請け負っている。

人間の魂を秤にかけ天国いきかどうかを決める役目もある。
これは後世になるとサリエルの役目になったようだ。

他にも最後の審判において、サタンが人間の罪を告発しミカエルが弁護人になるといわれる。

イスラエルの守護者

旧約聖書ダニエル書では、ある日ダニエルの前に神が現れた。
神は「ペルシャの天使長と戦っていたため来れなかったが、ミカエルが応援に来てくれたので来れた、このあとギリシャの天使長が来るが真理の書の内容を教えてやる、あとお前たちを助けてやれるのはミカエルだけだ。あいつ以外、俺を助けてくれるやついないんだよ・・・」と要約するとこういうことをいった。

この天使長とは他教の神々だといわれる。ミカエルは神と同等クラスの力を持っているというのだ。
もしくは、部下で使えるのはこいつだけだと言ってるのかもしれない。
まあ、どちらにしろ神の信任が篤いのは確かのようだ。

そしてダニエルはイスラエルの民に襲いかかる大きな困難、終末について知らされる。
神は『その時、大天使長ミカエルが立つ。彼はお前の民の子らを守護する』、だから苦しいが頑張れ・・・と。

カトリックでのミカエル

 天使の王子と呼ばれ、彼以上の位の天使は存在しないとしている。

煉獄の門番でもあり、煉獄の魂のためにミカエルへつくられた祈りすらあるという。
伝説には、カイロトパの泉を沸き出させたのがミカエルで、この泉は病を癒す効果があるという。この水を浴びて、三位一体とミカエルに加護を祈るのだという。

ヘブライ伝承

 ベヒーモスとリヴァイアサンの最後は諸説ありますが、ミカエルとガブリエルが神より使わされてこの二頭の怪物を退治するという説もあります。またそれができなかったときは神が直接、殺るそうです。

またヤルクトの創世記とラビ・エリゼルによると、ペヌエルでヤコブと格闘した天使はミカエルであったそうです。

お前は私の最初に生まれた息子に何をしたのかと問う神にミカエルは、あなたに敬意を表して筋を縮ませたのですと答え、神はミカエルによろしい。これからお前は永遠に、イスラエルとその子孫を受け持ちなさい!なぜなら、天使の王子は人間の王子を守るべきであるからだ。火が火を守り、頭が頭を守るように!と言った。

これって・・・手前うちの子に何しやがった!?
とんちをひねり、屁理屈をこねるミカエル。
ほう、じゃあこれから永遠にその一族の面倒見ろよ、見るよな?
という風に思えるんですが・・・

ここでの疑問点は凄い強いはずのミカエルが格闘で人間であるヤコブと互角という事実です。
特殊能力は凄いが、身体能力は人間と変わらないということですかね?
もしくは人間に姿を変えていたから、力が制限されていたのか・・・

イスラム教

ミカイル、ミーカイールの名で知られ、翼はエメラルド色に輝き、頭を覆う燃えるようなサフラン色の髪の毛の一本一本に百万の顔と口がある。
その口からは、アッラーによる免罪を懇願する為の、百万の言葉がほとばしっているという異様な姿で伝えられる。
また決して笑わぬ天使だとも言われる。

またその流す涙から智天使が生まれるとされる。

その他

七大天使が順番に惑星を支配するというセクンダディでは1881年から2235年まで地球を支配していることになる。
この間の様々な地上の出来事を管理するという。

カバラではセフィロートの6のセフィラー、美ティファレトを司る。

また第四天の支配者ともいわれる。

1950年に、ミカエルはローマ教皇ピウス12世により警察官の保護者と定められたりもした。

国々を守るという任務を任されたとき、ミカエルただ一人だけが清廉さを持ち腐敗に身をやつすことはなかったといい、高潔・公正の守護者として悪に汚された場所を浄化する特殊能力を有すると信じられているという。

またごく一部の(あまり信憑性のない)書物では悪魔とされることもあるようだ。

ミカエルは宗教関係の施設や機関にその名を使われることがある。
また人名の場合は男性に用いられる。

創作作品ではバスタードなど、たまに女性として描かれることもある。

 

自分のシナリオではミカエルの剣に天剣なんて名前をつけてます。
で、鞘から抜かれた剣という語感から抜刀術の使い手です・・・両刃の剣なのにな・・・
ちなみに技名は天剣絶刀(まてや!)

と色々設定している割に、出番は少なく出てきてすぐにやられます・・・酷いですね。
さて生かしとくか、どうするか・・・

ルシファーとは尊敬してた上官程度の関係です。

 

ちょっとシナリオでの扱い書いてみましょうか。