魚菜王国いわて

地域包括ケアシステムの推進

  市浦村国民健康保険市浦診療所長 岩村有泰

国民健康保険市浦診療所は、昭和30年3月に開設され、平成4年高齢者生活福祉センターが併設となり、平成8年在宅介護支援センターが設置となる。
現在、診療所職員は、内科医師1名、歯科医師1名、看護婦3名、技師1名、看護助手1名、事務2名、訪問看護師1名となっている。
併設されている、高齢者生活福祉センターでは、通所介護サービスが行われ、同じ棟に社会福祉協議会も入っている。また、在宅介護支援センターも同じ敷地であり、医寮と福祉の連携が図られている。
私は、当診療所に平成14年4月より勤務となりましたが、平成8年から3年間勤務したことがあり、今回が2回目の赴任となりました。
ここでは、外来診療の他に、週1回訪問診療を行っており、現在11名(うち2名はペア訪問と称して保健師も同行)、訪問看護を6名行っています。また、往診の依頼も時々あり対応しています。
毎週木曜日の午後、訪問診療を実施していますが、午後の外来診療を蟹田病院からの支援を受け実施しています。
村には、診療所のほかに医療機関がなく、休日夜間の対応も必要な場合があります。ただ、医師1人で24時間体制は非常に難しいため、病診連携の機能強化が課題と考えています。
平成12年4月に介護保険制度が始まることになり、在宅サービスの充実を図るため、平成11年から訪問診療の拡充を図り、在宅医療の強化をめざしてきました。
住民の中には、「最後は自宅で迎えさせてあげたい」という患者の家族もおり、本人や家族の希望を最大限尊重し、前回の赴任当時から、前赴任医師に引き継がれ、これまで数人の方々を自宅で看取らせていただきました。しかし、ターミナルケアには家族の協力が不可欠となりますが、周りでサポートする訪問看護師やヘルパーなどの連携が非常に重要と考えます。
我々は、保健・医療・福祉の連携を図るため、「ケース検討会」を、毎週1回、役場住民福祉課、診療所、在宅介護支援センター、高齢者生活福祉センター職員、特別擁護老人ホームの介護支援専門員らが集まり、サービス利用者の状況を報告し、保健・医寮・福祉の立場からサービスの内容について意見交換を行っている。
また、当村では以前から健康教室を定期的に開催し、病気の予防や知識の普及に力を入れています。
平成12年11月にオープンした、海水を利用した海洋型の健康増進施設「し?うらんど海遊館」が、肩こり、腰痛、膝痛に非常に効果が期待されており、生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満)の予防に対する運動療法としての活用を、施設と協力しながら取り組みを進めています。
(国保直診活動事例集 宮古市からコピー入手)

(2004年1月4日作成)

リンク元