魚菜王国いわて

アメリカ政治思想

ここでは、副島隆彦さんの「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち(講談社プラスアルファ文庫)より、アメリカの政治勢力とアメリカ理論経済学界の対立だけを紹介する。
前項からの流れで関係あるものだけを取り上げ、詳細は紹介した本を参照のこと。(本当はたくさん紹介しなければならないのだが)
  
民主勢力(民主党)
民主党は、労働者やさまざまな被差別有権者が支持する。
人権、平等を主張するからだ。
しかし、選挙で金がかかるのはどこの国も同じであり、それはグローバル資本が賄う。
グローバル資本は地域紛争を嫌う。
世界が平穏であれば商売がしやすいからだ。
それゆえ、紛争を鎮めるため、グローバルコップ(世界の警察官)をアメリカが担うことを望んでいる。
紛争地域の人々の人権擁護を表向きの理由にして。
だから戦争をしたがるのは民主党内のグローバリストである。
弱者層の支持する政党が、戦争好きとは意外な組み合わせである。
保守勢力(共和党
元来からアメリカの金持ち層や経営者層が支持母体。
彼らは「アメリカの若者を他の紛争地域に送って死なせるのは論外だ。他の国に干渉するな。そんな金があるなら自国に使え!」と主張する。
これはアイソレーショニズム(国内問題優先主義)といって、共和党伝統の思想である。
ゆえ、彼らは戦争嫌いであるが。
しかし、ソ連の脅威からネオコン派(隠れ民主)が台頭し、共和党選出の大統領を巧みに操る。
私たちはネオコンに操られた大統領を見て、共和党は戦争好きという印象を植え付けられている。
先に紹介したリバータリアンも当然保守勢力であり、数だけは保守の中では最も多いと言われているが、彼らは超自由主義であるがゆえ、ほかへの干渉を嫌い、まとまることはない。

ミルトン・フリードマン

リバータリアンであり、スモール・ガヴァメント(小さな政府)の思想提唱者。
「福祉政策などの政府機能が大きくなればなるほど、公務員の数も増大し、結局それは大増税となり、結果的に国民の生活を圧迫する」。
政府の関与なしの市場原理を優先する。
ジョン・ケネス・ガルブレイス
ケインズ主義者であり、社会福祉優先を主張する。
「市場経済では教育や環境問題や弱者の問題は解決できない。強力な社会保障制度を実現すべきである」。
市場経済は規制して、政府が積極的に経済政策に関与すべしとする。

フリードマンとガルブレイスの対立が既存の政治に見られれば良いのだが、残念ながら今の日本には見られない(日本だけではなく、世界でも見られない)。
ガルブレイス勢力しか日本にないからである。
唯一、小沢自由党の主張がフリードマンに近いが、今まで利益誘導に慣れ親しんだ国民が、小沢氏の理念に共感を覚えるには時間がかかると思われる。
また、小泉首相が言ってることは、どちらかと言えば、自由党の思想に基づいた政策であり、自民党のそれとは違う。
自民党の根本思想とはズバリ利益誘導主義である。
だから小泉首相は自民党を離党して、自由党で政策立案すべきである。



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