魚菜王国いわて

宣言採択できず、閉幕 WTO閣僚会議

 メキシコのカンクンで10日から開かれていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は、新多角的貿易交渉(新ラウンド)の中間合意となる閣僚宣言を採択できないまま、最終日の14日夕(日本時間15日朝)閉幕した。農業や海外投資の保護ルールづくりなどで、激しい対立を続けていた先進国と途上国の溝を埋めることができなかった。

 01年にドーハの閣僚会議で開始が決まった新ラウンドは、05年元日の最終決着を目指している。しかし今回の会議で中間合意に至らなかったことで、参加国の間には、期限通りに最終合意に達することは難しいという見方が広がっている。WTOは99年の米シアトルでの閣僚会合でも、先進国と途上国が対立し、失敗に終わったことがある。

 14日は一部の参加国により、主に投資保護ルール作りについて協議した。しかし、ルール作りの交渉開始を求める欧州連合(EU)や日本など先進国側と、反対する途上国側の溝は埋まらなかった。農業分野でも、先進国の補助金削減を求める途上国側の姿勢は強硬で、議長のデルベス・メキシコ外相は、今回の会議での合意作りは困難と判断した。

2003年9月15日付「朝日新聞デジタル」より

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