魚菜王国いわて

雪印告発の西宮冷蔵、神戸税関から弾圧

 雪印を告発した「西宮冷蔵」は、多くの嫌がらせやイジメで冷蔵庫が空になり電気も止められ、家族は懐中電灯で生活するような苦境に追いやられていた。水谷社長の息子さんは大学も辞め、社長は露天で雑誌を売りながら頑張っていた。

 それを知り、社会正義追求への弾圧を許さない多くの市民のカンパが集まり、4月21日営業再開したことは先日のテレビニュースでも報道され、5月29日に初荷を受け「再建報告&激励会」が予定されていた。

 ところが、水谷社長が神戸税関に「保税蔵置場許可」の申し入れに出向いた処、「許可しない」という事態が生じた。その理由は「13億円の借金」があるからという。しかし、この借金は雪印告発前からのもので、告発前は毎月300万円を返済し告発への弾圧が無ければこの返済は続いていた。借金は告発前からありながら当時は営業許可を出していたのであり、これは「弾圧」以外の何ものでもない。

 3度目のリコール隠しが発覚した三菱自動車は生命を犠牲にしても「隠蔽」という悪事を働き、2000億円の赤字決算をしながら生き残っているのである。銀行は「不良債権」という自己責任の担保不足にもかかわらず、莫大な血税をつぎ込み救済し、社会正義を追求し、イジメに耐えて努力している中小企業には弾圧するのか。

 自衛隊官舎に「反戦ビラ」を入れた人が逮捕・起訴され、社会保険事務所の職員が「赤旗」を配ったことで逮捕された。もし入れたビラが「自衛隊激励ビラ」だったら、配った新聞が「自由新報」だったら、逮捕されることはないだろう。

 水谷社長は「一人になっても。野垂れ死になっても戦います」と訴えている。これは西宮冷蔵だけの話ではない、社会正義がつぶされるか否かの瀬戸際の問題である。



(宮澤正造)

「JanJan」2004年5月25日付

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