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県議会政務調査費 半数が全額使用

 31日公開された県議会の2003年度分政務調査費収支報告書は、交付対象が会派から議員となり、全支出に領収書添付を義務付けたため、議員個々の支出の実態が明らかになった。交付された全額を使った議員が51人中24人いた一方、200万円以上返還した議員も4人いた。懇親会費や運転代行料など、純粋な調査研究費とは言いにくい支出も散見された。

 県議会の政務調査費は条例改正により、昨年5月から議員個人を対象に月額31万円交付されている。今年3月までの11カ月間で、議員1人につき341万円が交付され、51人中24人が交付額全額、または交付額以上の政務調査費を使った。

 残る27人は使い切っておらず、平澄芳、工藤篤(以上自民ク)、及川幸郎、渡辺幸貫(以上民主・県民会議)の4氏は残余額が200万円以上もあった。平氏は交付額の23%、約78万円の支出にとどまった。

 政務調査費は地方自治法で「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部」と定められ、県議会の規定で▽調査研究費▽研修費▽資料購入費▽事務所費▽人件費?など9項目の使途が認められている。

 項目別の使途もさまざまで調査研究費に248万円支出した議員もいれば、20万円に満たなかった議員もいる。ただし、調査研究費には調査のための交通費、宿泊代なども含まれるため、執行額の多寡が「調査研究の熱心さ」と相関するかは分からない。

 また、調査研究費の中には、ただし書きに「御食事代」とある1万円以上の飲食店の領収書を添付した会派懇談会費、懇談会出席後に使ったとみられる運転代行料なども含まれていた。収支報告書は最終的に議員個々の判断でまとめられており、こうした支出全額が公金である政務調査費として適当かは見方が分かれそうだ。

 また、事務職員の人件費などは調査活動と後援会活動を明確に分けるのが難しいため、全体の半額など一部を交付している。この人件費の執行状況も格差が大きく、100万円以上の議員が17人いた一方、ゼロも7人を数えた。報告書に領収書は添付されているが、事務員の名前や勤務実態などは分からない。

2004年6月1日付「岩手日報 Web News」より

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