魚菜王国いわて

魚を食べれば長生きする

らしいです。
これは、新潟市で9月1日に開催された新潟海洋国際会議の分科会で、倉田忠男新潟薬科大学応用生命科学部教授が指摘したことです。
「週刊水産新聞」から引用します。

倉田教授は「人の健康における農林水産物の役割」というテーマで話した。
この中で、40歳以上の成人約27万人に17年間追跡調査、公表されている結果を紹介。「魚介類を毎日摂取している人たちに比較して、ほとんど食べない人たちは明らかに死亡率が高いという」「魚を毎日食べている人はアルツハイマー病などによる死亡率が有意に低いことも明らかにされた」と説明。
また、今年1月に発表された約1万人近い日本人を19年間追跡調査した結果では「男性で魚を食べるのが週1回未満の人の死亡する危険度を1とすると、2日に1回の人では0.7と約3割程度のリスク軽減がみられ、食べる回数が多いほど軽減。心筋梗塞や脳梗塞で死亡する危険率も魚を頻繁に食べる方が低い傾向がみられるという」と述べた。
魚の示すこうした健康への効果について「魚にはドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などの高度不飽和脂肪酸(PUFA)が多く含まれ、これらのPUFAが動脈硬化や心筋梗塞の予防に役立ち、日本人の長寿に寄与していると考えられる」として、そのメカニズムなどに言及。
倉田教授によると、魚の摂取が及ぼす心臓・血管系疾患への影響はかなり以前から知られ、魚肉を中心とした食事が心臓病患者に延命効果を示すことは1970年代に報告されていた。その後、疫学的調査や研究が行われ、しだいにその全貌が明らかにされた。EPAから生成されるプロスタグランジンI3は血小板凝縮抑制作用や血管拡張作用を示し、魚油中のn?3系PUFAは血清脂質や血圧の低下作用を示す。
炎症、免疫への影響では、n?3系PUFAの投与がガンの発生を抑制する効果のあることが動物実験で認められているが、そのメカニズムは完全には解明されていない。DHAが学習など脳の機能の向上作用をもつ可能性が指摘されており、ラットではその有効性が確認されている。
倉田教授は魚介類に多く含まれるタウリンの生理作用も説明。浸透圧の調整、膜の安定化、抗酸化作用などのほか、コレステロール低下や血圧降下などの作用もあるとされているという。「タウリンはコレステロールの分解物である胆汁酸と抱合してタウロコール酸となりその一部が排泄されるため、コレステロール代謝に関与すると考えられる」とした。
倉田教授は「これからも、この水産物を巧みに利用してきたわが国独自の伝統的食文化を大切にするとともに、そのうえに築かれた日本型食生活を積極的に推進し、21世紀における日本人の健康の維持・増進に役立てていくことが重要」と締めくくった。
(2004年9月6日付「週刊水産新聞」8面)

漁業者としては、うれしい記事ですね。
これで魚の購買意欲が高まれば、単価も少しは上がるでしょう。
ところで、私の周辺では、「心臓が悪い人は贅沢なものばかり食った人」ということが通説です。
この「贅沢なもの」は「肉」の意味なのでしょう。
魚にも贅沢品はあり、すなわち高価な魚、たとえば、毛がにや初漁の頃の秋刀魚とか、高級な生マグロとか。
漁師なら、こんなものは当たり前のように食べているので、「贅沢なもの」と言われても、ピンときません。
やはり「贅沢なもの」=「肉」です。
かの小沢一郎代議士は、心臓が悪いとかいった頃がありましたが、彼も、たぶん、肉ばかり食べてあのようになったのでしょう。
せっかく魚菜王国岩手(←古いかも?)からの選出なんですから、肉だけじゃなく魚も食べてほしいものです。
記事からはボケ防止にも効くらしいですし、DHAで頭も良くなるようです。



頭が良くなるんなら、漁師の家の子供はみんな頭が良さそうなものですが・・・。
(2004年9月7日)



たまに更新するつぶやき-漁業

トップへ