魚菜王国いわて

許可の更新と沿岸組合

今年は一斉に、岩手の小型船が、さまざまな許可の更新をする年です。
岩手県では、沿岸漁船漁業組合に、漁法別の部会が作られ、自主的な組織として出発しました。
以前は、県漁連の一部の人間たちによって「独裁政治」が行われており、それゆえ理不尽な法律がまかり通っていましたが、この沿岸組合がしっかりすることによって、本当の漁業の民主化が達成できると期待しています。
イカ釣り部会は、昨年の反省から、すでに細部の規約変更も行います。

昨年の岩手県沖イカ釣り漁業では、休漁設定を厳しくしすぎ、結局は自らの首をしめる結果となっています。
その最も大きな要因は、昼イカの普及が岩手において発展途上であること、そして、何といっても沖合底引き網漁業との競合です。
片方が強烈に休漁設定を設け実行しても、大臣許可の沖底漁業が、毎日海底をゴリゴリ削りながら、イカをとっているわけで、休漁設定の目的に意味がなくなります。
秋から冬にかけての季節は、天候も不順となり、長期間、沖に出られないことも増えてきます。
その時期にクソ真面目に休漁しているのでは、自分の首をしめるだけです。
今年の岩手は恐らく、全国の休漁設定には応じず、独自に休漁する、と思います。

それで問題が大きくなるなら、それはそれでいいでしょう。
そのほうが、沖合底引き網漁業の問題を大きくできるからです。

規則を作るにあたって、まず「守られない規則は作るな」というのが、大原則です。
これは綾里のある船主さんが、私に言った言葉です。
この方は、イカ釣り部会の役員を務めています。
全くその通りであり、これはつまり、「自分たちの首をしめるような規則は作るな」ということです。
最低限の規則だけを作り、あとはうまくやっていく。
漁師同士は、顔を見たり船の姿を見らりして、お互いを知っています。
かなり悪いことでもしない限り、強硬な態度で対立することはありません。
でも、まあ、あるかもしれないかなあ?
それはそれで、その時にまた考え直せばいいだけですね。
少なくとも、「自らのことは自分たちで決める」ということができるようになったのは、岩手の漁業界にとって、かなりの進歩です。

この沿岸組合の部会設立にあたって、事務局は、かなり苦労したと思います。
ご苦労様でした、と、ここで言わせてもらいます。
(2003年4月5日)



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