魚菜王国いわて

密漁の手口

先日、ある方から最近の密漁の手口を聞きました。
アワビです。
本県にアワビがたくさんいるのかどうか知りませんが、かなりの数のアワビが密漁されているようです。
何と、その手助けをしているのが地元漁師だ、という話には驚きです。

密漁者は漁師ではなく、ある業界の人たちです。
その密漁者たちは、目的の獲物がたくさんある地域の地元漁師、それも若い人と仲良くなろうとします。
これが第一段階。
なぜ、若者か?
その仲良くなろうとする手段が若者向きの方法で、飲みに誘うのだそうです。
そして、そこから友達になるようです。
第二段階はその飲み友達から、目的の獲物のたくさんある場所を聞き出すようです。
若いうちは自慢話をしたいんですね(若くなくても自慢話をしたくてしたくてたまらない人もいる!)。
それを密漁者たちは利用するわけです。
地元の競争相手ではなく、関係ないと思われる相手であれば、舌の軽い人などは簡単にペラペラ教えるとか。
密漁者たちは、第三段階として、聞き出した情報を元にし、アクアラグを用いてごっそり。
仲良くなりすぎて、情報提供だけではなく、漁師自らが密漁の手助けをしている者もいるのではないか、と疑っている人もいます。

密漁の逸話を二つ。
まず一つ目。
ごっそり獲ったアワビをトラックに積んで、八戸方面に運ぶ途中、情報をつかんだ警察が、そのトラックを追跡し、停止させようとしたところ、密漁仲間の車が邪魔に入り、トラックが警察を引き離したそうです。
そのすきに、積んであったアワビとアクアラグと全部道路に捨て、これで現行犯逮捕は逃れたといいます。
積んであるという証拠を確実に証明できない以上、停止して調べても検挙できませんものね。
きっとアワビの匂いはしたでしょうけど。

道路のアワビはどうしたんでしょうね。
警察でアワビパーティーでもやったのかしら?
まさか。

やってる、って?
オカのアワビパーティー?
昔、やったってのは、聞いたことがあります。

二つ目は、密漁者から裁判を逆に起こされたケース。
県南の方で、夜、監視船が密漁船らしい船を追いかけ、そのとき、その密漁船からモリが飛んできて、その辺にささったんだそうです。
船長なのか船員なのか知りませんけど、短気な人だったようで、頭にきてそのモリを密漁船めがけて逆に投げ返したそうです。
それが何と、密漁者の足にささってしまい、大怪我。
過剰防衛とか何とかいう理由で告訴され、現在係争中とのこと。
そのモリを投げ返した人の話によれば、何も狙ったわけではなく、狙っても当てることはできないとのこと。
揺れている船から船へ、手で投げ当てる確率は非常に低い。
モリを投げられ、それを投げ返してどこが悪いのか、という言い分もわからないわけではありません。
密漁者から告訴されるってのもおかしな話で、これはずっと語り継がれるのではないでしょうか。
間抜けな密漁者もいるものですね。

漁師の人は、アワビのいる場所とか、そういう自分で見つけたことを、自慢げに他言しないようにしましょう。
自分のためにも。
(2003年5月13日)



たまに更新するつぶやき-漁業

トップへ