魚菜王国いわて

「WORLD・WATCH」

もう「WORLD・WATCH」誌はどこの国の雑誌なのか、疑いたくなります。
ということで、今日もアメリカ批判の記事てんこ盛りです。

ルワンダの大虐殺に加担しているのもアメリカ。
ルワンダの悲劇の原因には人口問題がありましたが、この時、二人の大統領が暗殺されているのをご存知の方も多いでしょう。
1994年です。
で、この暗殺首謀者が、ポール・カガメという人物であり、どうして暗殺したのか?

ルワンダ大統領とブルンジ大統領は、複数部族間の和平協定をまとめる寸前でした。
それが合意に達すると、カガメは自分がまもなく手にすることになっていた権力の妨げになると判断し、二人の大統領の暗殺を命じました。
二人の大統領の搭乗機にミサイルが打ち込まれ、そのミサイルはイラクのものだったと言われていましたが、実は、アメリカ軍が湾岸戦争中にイラクで入手したものであり、仲介を経て、カガメに渡ったものだったのです。
カガメは、アメリカ国防総省の共同訓練プログラムのもと、陸軍幕僚大学で軍事訓練を受けています。
その後も、アメリカは、ウガンダのカガメに7,500万ドルの軍事援助を行い、カガメの軍隊も訓練しています。

以上が「WORLD・WATCH」誌の記事の要約で、その他、カガメの裁判とか、いろいろ書いています。
この地で取れるコルタン(携帯電話などハイテク製品の原料)が、先進国に簡単に入るのは、アメリカとカガメがいるからかもしれません。
携帯電話天国日本も、つまり、ルワンダがガクガクして、殺し合いをしているから、安い携帯電話を手にすることができます。
あ〜あ、どうしましょ。

今度は対テロだとか言って、攻撃されたアフガニスタンの話。
喉元過ぎれば熱さは簡単に忘れられ、何が起こっているのかもテレビや新聞では報道されません。
だから、本当にアメリカが何をやっているかも、みんなに伝わらないんですね。

アフガニスタンの復興は、アメリカ主体でやっているのですが、カルザイ大統領もアメリカの傀儡であることは全世界が知っています。
アメリカが支援しているこの大統領の正当性も疑われ始めています。
もう、タリバン政権時代と大して変わらない治安状況であるらしく、この政権も末期的なのかもしれません。
あれだけアメリカの報復戦争を支持し、復興を約束した世界中の国々も、喉元過ぎれば熱さを忘れ、本年度の支援額18億ドルのうち、7月現在でわずか5億ドルしか拠出していません。
きっとイラク攻撃でも、イラクを無害化し(アメリカから見て)、その復興資金も国際社会から募るのでしょう。
反テロだとか言って、勝手に戦争を仕掛けといて、他の国に金をせびる。
それはないでしょう、アメリカさん。

で、そのアメリカは、今でもアフガニスタンで戦争しています。
毎月20億ドル(約2,460億円)を使っているそうです。
「WORLD・WATCH」誌では、軍事作戦と書いていますが、戦争でしょ!
その結果、多数の一般市民が犠牲になっていて、アフガニスタンの一般市民の犠牲者は、3,500人と推計されています。
これはすでに、アメリカの9.11テロの犠牲者を上回っています。
こんな状況で、各地軍閥は勢力を強め、支援組織のスタッフも危険にさらされています。
支援組織の食糧輸送者が銃撃され、また、その組織の女性がレイプされ、それでもって犯人は捕まらない。
これでは国土は荒廃する一方。
1978年以前のアフガニスタンが、食糧自給国だったというのはウソのようです。
アメリカはタリバン軍に圧勝し、アフガニスタンを支配しましたが、結局、この国をただ破壊しただけ。
アメリカの要人を強制終身移住させましょう!

一方、アメリカに反目しようとする元気な国もあります。
南アフリカの国々です。
前回のGMOが関連していて、ここでちょっと引用します。

アフリカ南部では1,400万人が餓死寸前になっているが、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエは近ごろ、遺伝子組み換えトウモロコシが混入しているとの理由で、アメリカからの食糧援助の受け入れを拒否した。しばしば抽象的でしかなかったバイオテクノロジーの議論が、生死に関わる意味をもつことになった。アフリカの当局者は国内の食糧供給保全という長期的な問題と、国民を死から守るという緊急課題とを天秤に掛けなければならなくなった。
(「WORLD・WATCH」2002年11/12月号p2)

あまり引用すると「WORLD・WATCH」誌がかわいそうですので、買って読んでください。
アフリカの当局者がいろいろ解決案を出すんですが、ことごとくアメリカが拒否しています。
その案は、アメリカの農業、そして、アグリビジネスの否定であり、アメリカがこれを飲めば、アメリカ農業は倒壊の危機にさらされます。
アフリカ南部の国々の試みは、自国の国民を犠牲にしたアメリカの偽善に対する挑戦です。
少しは日本人も見習わないとね!

この「WORLD・WATCH」誌は、隔月発行で、定価が1,000円。
アメリカのシンクタンク、ワールドウォッチ研究所発行の日本語版。
英語が堪能な方には、英語版もあります。
そう、「地球白書」の版元でもあります。
「地球白書」より「WORLD・WATCH」のほうが、事件の背景が詳しく書いてあるので面白いですね。
「地球白書」は年次報告のようなもので、詳しく書くわけにはいかないのでしょう。
申し込みは電話でしたほうがいいようです。

048-861-5573

冒頭でも書きましたが、ワールドウォッチ研究所は、自国の批判をはっきりするようになりました。
この本を読めば、世界の不幸の出来事にアメリカが関与していることがわかります。
テレビ、新聞報道が何を報じているのか、ということが見えてきます。
隔月発行で、しかも60ページぐらいのもの。
本嫌いの方でも読めると思います。
本も慣れれば、読むのが速くなります。

ここからは無駄話です。
慣れというのは恐ろしいもので、難しいと思われるものでも、慣れてくればそうでもなくなります。
何でもそうだと思います。
みんな同じ人間ですから、特別な才能のある人を除けば、やれないことはないというか、ある程度は同じことはやれてしまうのではないでしょうか。

私が宮古高校に入った時、授業についていけないと本当に思いました。
しかし、慣れてしまうんですよ。
要領もよくなりますし。
でも、あまり勉強はしませんでした。
先生にも怒られましたしね。

漁師もそうで、最初は体力とか、船酔いとか、まあいろいろあるわけですが、慣れるもので、疲れるとか、汚いとか、というのは気にならなくなります。
いつか、私が上のガッコウを終わってきて、漁師の見習いになった時のことを書きたいと思います。
そんなわけでこんな不景気ですし、漁師という職業も頭に入れてもいい時代だと思いますよ。
(2003年1月19日)



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