魚菜王国いわて

脅威の盛岡イオン出店計画

大規模店舗出店で何が起きるか?
これは、身近に起きている問題を考えればわかります(商店街の衰退など)。
彼らの目的は何なのか?
それは、自由主義にもとづく地域の富の搾取であり、彼らを、国内のグローバリスト、と形容しても良いと思います。
それ以外に彼ら出店側は、地域に対しては何も考えていないのです。

もし、盛岡市が地域のことを考えているなら、八戸市で何が起きているか、考えるべきです。

先日、八戸に行った際、「デーリー東北」という新聞を読みました(私は、他地域に行けば、必ずローカル新聞を読みます)。
その中で、中心商店街の”地盤沈下”が伝えられています。
背景にあるのが郊外型SC(ショッピングセンター)の台頭であるのは言うまでもありません。
そこでも、やはりイオンの影響は大きいと言わざるを得ません。
イオンについては、ここでは少し置いておきます。

1990年に、ラピアという八戸初の郊外型SCが誕生し、そのテナントに長崎屋が入り、実質これを契機に、中心商店街にあった長崎屋は撤退しています。
その後の中心商店街は衰退する一方です。
長崎屋が抜けて、残った大型店は、八戸ビブレ、三春屋、イトーヨーカドーの3店であり、しかし、ヨーカドーも郊外型SCとして、もう1店「ピアドゥ」を開業します。
ヨーカドーの会長は「ヨーカドーがある限り、中心商店街からの撤退はない」と言明していたにも関わらず、今回撤退することになりました。

さて、本題のイオンですが、これはイオン下田SCとして、八戸から北に位置する下田町に1995年に進出しました。
青森県内最大規模であり、そこにはボーリング場あり、温泉あり、パチンコあり、映画館ありで、何でもありです。
私は行って見物しようとしましたが、ものすごい混雑だったのでそのまま引き返しました。

八戸には、驚いたことに映画館がほとんどないのですよ。
小中野地区に成人映画館が1店あるだけです。
ところが下田のSCにはたくさんあります。
八戸の映画館が、ほとんど倒産か休館に追い込まれたのを考えると、イオン下田SCの影響がなかった、という人はまずほとんどいないでしょう。
八戸と下田の間の道路は、なぜか非常にいい道路で、田舎道路にしては、ほとんど4車線です。
それでも週末になれば混雑します。

これらを見れば、完全に、客は郊外へと流れているのがわかります。
これは何がもたらしたものなのか?
当サイトを読んでいれば分かるとおり、自動車社会の恩恵がもたらしたものです。
便利な道具が、結果的に自らの地域を衰退へと追い込む。

さて、盛岡イオンはどうなるか?
(2002年4月25日)



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