魚菜王国いわて

末広町復活への一つの考え PART 2 〜地域通貨の方法

地域通貨というのは、札とかコインとかの有形物の通貨は一般的ではありません。
今はインターネット全盛ですから、それを利用しない手はない。
私の蔵書の中の「地域通貨入門」では、インターネット口座の事例を載せています。

最初に、地域通貨を管理する事務局をどこにするか、ということからですが、地域通貨を末広町だけに限るならば、末広町の代表組織にすべきです。
が、私はすでに先の稿で「もし市自体が地域の商店街または商店を重要と認めるならば」と書いていますので、市を事務局とすることとします。
実は、市を事務局としますと、ものすごく都合がいいのです。
というのは、この事務経費を宮古市で負担できるからです。
その負担金は税金でもいいし、先の贅沢税でもいいですし。
「おまえ、それなら大きな政府になるんじゃないか」というお叱りを受けるかもしれませんが、それはそれでいいんです。
もともと私が「小さな政府」を唱えるのは、自立心を一般の人々に促すためなので、このような地域通貨は身近に自らの“通貨”を管理するという自立心の育成にもなるからです。
そして、通貨であるからには、貸し借りをしっかりしなくちゃいけないから、ものすごく責任が大きくなります。
それが信用を育てます。
もともと通貨というのは信用なくしては成り立ちません。
自分たちの通貨を使い物にならなくしてもいい、という人はいないでしょう。
それを守るために、利用者各自に責任が芽生えると思います。
これは社会にたいする無責任主義、無関心主義(知らず知らずに日本人はそうなっています)にも少なからず影響を与えるでしょう。

事務局を市にして、市は市の構成員全員に個人のカードを発行します。
参加事業者はネット端末で、市の地域通貨管理サーバーに接続し、カードで口座確認、利用記帳するという具合にするわけです。
今回の提言の場合、末広町商店街、その他の地域の商店、ガソリンスタンドの参加は必須事項です。
システムはデビットカードに似ていますね。

身近には、盛岡市の映画館通りの地域通貨の事例を参考にしてもいいでしょう。(盛岡のは有形通貨のようです)。
ネット検索でも出てきますが、近くですから実際に見学してきてもいいと思います。
盛岡市の場合は、ゴミ拾いをした人に地域通貨を与え、そこから始めています。
この始まりが一番問題です。
これについても、「地域通貨入門」を読めば、いろいろ事例が書いてあるので、非常に参考になると思います。

私の地域通貨を扱ったページ(←ファイル消失)では、地域ごとにさまざまな地域通貨を試すのがいい、と書きましたが、本当にそう思います。
たとえば、マイナス利子通貨などは、ぜひやってみてもらいたいです。

今、宮古市、田老町、新里村で、合併話が進んでいますが、合併特例法目当てではなく、「合併する前に別の地域通貨を各自治体ごとに試すこと」を前提として合併する、とかいうようにできればなあ、と思ったりします。
そして、うまくいったもの、よりよく改良されたものを使う。
地域通貨はテスト通貨でもあると思います。
それがテスト通貨でなくなった時が、本当の通貨になります。
そうなったときの地域社会というのは、自立できるかもしれません。
(2003年2月22日)



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