魚菜王国いわて

ハンナン事件から差別を考える

昨日、牛海綿状脳症(BSE)対策の国産牛肉買い取り事業で、輸入肉を国産と偽り、業界団体から6億数千万円をだまし取ったとして、食肉卸大手「ハンナン」(大阪市)の元会長浅田満容疑者(65)が逮捕された、と報道されました。
2002年1月に、雪印食品が同じような偽装事件を起こしていますが、この時すでに、このハンナンにも疑惑が囁かれています(詳細は、「噂の真相」2002年5月号)。

食肉業界というのは、いわゆる同和利権の一つといわれ、逮捕状の出された浅田容疑者の一族は、同和団体と深い関係があると、これもまた「噂の真相」2001年12月号で詳しく報じていました。
かなり昔の話なんでしょうが、危険な仕事とか、汚い仕事というような、誰もやりたがらない仕事は、被差別部落の人たちにやらせていた、という歴史があり、現在でも、この差別があるとされています(ホントにあるのかなあ?)。
私は、この部落差別というのをぜんぜ〜ん知らず、「噂の真相」を読んで、初めて知ったのです(恥ずかしながら)。
被差別部落に関しては、その地区の生活向上のために、政府が予算を組んでいます。
また、これらの被差別者の団体として、部落解放同盟などのいくつかの団体が存在します。
最近の指摘では、これら同和団体が、逆に、この差別を利用し、さまざまな利権を手に入れており、結局、その利権を利用した不正が明るみに出ました。
このように、差別が権力を握る過程を表した文章を、ついでですので紹介します。

藤田は学生時代から部落解放運動にかかわり、糾弾した経験もされた経験も持つ。藤田は解放同盟運動が自己を客観視できなくなってきた原因を、「ある言動が差別にあたるかどうかは、その痛みを知っている被差別者にしかわからない」「部落や部落民にとって不利益な問題は一切差別である」とするテーゼに解放同盟が縛られてきたからだと分析する。
厳しい闘いを通じて解放同盟が力をつけてきた。しかし、法に守られ、行政やマスコミを「味方」につけた段階で、「力」は違った意味を持ちはじめる。この点で自覚的にならないと、いつかは力は「権力」に成り果てる。そして権力は、常に人々の目に晒され、批判を受けないと暴走をはじめる。暴走は、恣意的になるということでもある。そして一部の理不尽な糾弾や要求が深刻な副産物を生み出していったのである。
(「噂の真相」2004年1月別冊「日本のタブー」p46)

この藤田とは「同和はこわい考」を書いた藤田敬一さんです。
差別の行き過ぎた主張は、権力となる可能性があり、例えば、差別されたユダヤ人についてのクレームはタブー視されたりするのは、これと同じ構図ですし、もっと極端で身近な例ですと、ロクに働かない労働者が、「われわれは弱者だ!」とか何とか言って、極端な権利を主張し、無理な賃上げ要求する現象も、これと同じものでしょう。
こうしてみると、差別は、逆の意味で恐いですね。

ちょっと話は変わりますが、芸能界には、この被差別部落出身者がかなりいるとされ、また、在日外国人を合わせると、芸能界をほとんど占めてしまうとも言われています。
せっかく成功して金持ちになったんですから、リバータリアン(リバータリアニズムに従って生きる人)になって、政府のいいなりにならない強い人になってもらいたいです。
そうすれば、差別された側が、権力を見返したことになり、なんか気分いいじゃないですか。
どうせ人は死ぬんですから、信念を持って死ねれば、立派なものです。
(2004年4月18日)

加筆
宮古に住んでいる人は、やはりこの問題を知らないようです。
「部落」という言葉は、宮古では「集落」と同義語として、普通に使われています。
誤解されることがあると思いますので、この問題を知らない人は、岩手以南へ行ったとき、安易に「部落」という言葉を使わないようにしましょう。
(2004年6月11日)



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