さて、101冊から200冊目にはいります。題名を見てわかるように思いついたじゅんに書いています。
101
白バラ通信 インゲ・ショル ショル兄妹は第二次大戦下、ヒトラーの統治するドイツで反戦のビラを撒きつづけた。その名を白バラ通信という。兄妹は捕らえられ、ベルラッハの森で断頭台の露と消えた。
102
白い手 椎名 誠 ケツメドの松井とぼくは通学路の追越坂の「市原保」という表札の家の窓から白い手がいつものぞいていることに気がついた。椎名誠のきらきら光る少年時代の思い出。
103 白い糸で縫われた少女 クレール・ガロア
104 ゲイルズバークの春を愛す ジャック・フィニー 私はゲイルズバーグの春を愛する。...暑い夏を....また、秋を
美しいよきものを街並みを醜悪に変えていこうとする時代の流れに逆らう力のあることをゲイルズバーグに住む新聞記者オスカーは知る。
105 奇妙な仕事 大江健三郎 見つけたアルバイトはベトナム戦争で死んだ米兵の死体を洗う仕事だった。わたしはまだはっきりとベトナムの少年兵がアメリカ大使館に誇らしげに立てたベトナム国旗を覚えている。
106 たったひとつの冴えたやり方 ティプトリー・Jr 自らを棄て、ひとを生かすこと。これは至上の愛には違いない。ひとを棄て自分を生かして、神様のこころにかなうことはないのかなぁ。それを一生の負い目にして多くのひとを救っていけば、それも 大いなるものの意にかなうのではないだろうか?
107 ママはすてき ワレウスカ 修道院で暮らす孤児の少女はあるときダンディーな男爵と出会う......ところがこの男爵の正体は....この作者はたぶん生涯にこれっきり書かなかったのだろう。もしかしたらほんとうに実話かもしれない。文体といい筋立てといい魅力的なものがたりだった。
108 影をなくした男 シャミッソー 悪魔と契約して影を失った...のだったか。影とは何を象徴していたのだろう。
109 処女オリヴィア オリヴィア タイトルに驚かないで、これはなかなかの小説です。16歳のオリヴィアは森の中の寄宿学校レ・ザヴォンに転校する。知性のひとマドモアゼルジュリーに会ったことでオリヴィアは覚醒する。自己を、愛と愉楽を、死と苦痛を感得するのだ。「判りました。たうたう判りました。生、生、生、これが生だといふことが。あらゆる歓喜とあらゆる苦悩にあふれるばかりの人生。それは私が抱きしめ、使ひ果たし、最後の一滴まで飲み干すのを待ってゐるのです。」
事件が起こり、学校は崩壊し、先生はオリヴィアを拒絶して去ってゆくが、死後 届いたものは........
110 分裂病の少女の手記 当時、自分が分裂傾向にあるのでは....と不安だった。
111 ポビーとディンガン ベン・ライス 孤独な少女の夢の世界の住人ボビーとディンガンが行方不明になった。兄は心配から食事もとらなくなった妹のためにふたりを探す決意をする。
112 飼われた猫のように....

サディズムは、エロス(生の本能)の表れであり、マゾヒズムはタナトス(死の本能)の表れである。性の対象に苦痛をあたえようとする傾向と、その反対の傾向は、あらゆる性の目標倒錯の中でも、最も多く見られる。この作品において拘束された主人公は拘束から解き放たれたのち、深刻な分裂状態になり回復まで長い時間をようした。すなわち拘束をする対象に依存してしまったのだ。拷問においても意識の薄明状態がつづくうちに受ける側が痛みを与える側に依存(愛とは呼ばない)する場合があると聞いたことがある。思うに苦痛から逃れるために脳内麻薬エンドルフィンが分泌されることと関係するのではあるまいか。

113 第四間氷期 阿部公房 ホントはあまり好きではないが義務感と埋め草で載せようとするといきおいコメントが苦しいものになる。すみません。読み返してあとで。
114 黒い海賊 .....誰か教えて 愛する乙女を荒れ狂う海に小舟に乗せておろさなければならなかった黒い海賊の悲しみ。彼女は父の仇、兄の赤い海賊、緑の海賊の仇の娘だった。
115 ドゥイノの悲歌 リルケ 生の肯定と死の肯定はひとつのもの。死は生を補完する。
116 ふくろう模様の皿 アラン・ガーナー 「ふくろうじゃない、花なんだよ」ゲド戦記の失われた腕輪の少女と比較してしまうのだが、アラン・ガーナーが男で、アーシュラ・K・ルグインが女であることの決定的な差を感じてしまう。ミラレテいるということ。
117 自殺に関する18章 苦痛なくこの世から消え去ることばかり考えていたあの頃、自殺とは生きることに人一倍意味と情熱を持つひとが己の生が十全ではないと感じるときにする行為であり、そのほとんどが幾分かの復讐を含んでいると看破したこの本を読んで、美しい自殺などありえないと覚ったのだった。
118 遍照の海 澤田ふじ子 京でも名の知れた紙問屋の跡取娘以茶は、父の薦めで手代と結婚した。しかし心の通わない夫から冷たい仕打ちを受けた以茶は..........江戸時代には生涯遍路という刑罰があったそうな。死ぬまで四国八十八箇所の霊場を休むことなくあるきつづけなければならなかった以茶の目に最後に映ったものは...........
119 火車 宮部みゆき 宮部みゆきの本は自分にとっては消耗品と思っていた。読むときはおもしろくても何も残らない。すぐ忘れてしまうから。しかしこれだけは違う。身近に自己破産したひと、カードを使いまわして破綻した男たちを知ることもあってか、欲望とアンダーグラウンドの世界が間近に迫る気がした。ちなみにわたしは伊勢丹のカード以外のかーどは持たない。それほど自分に自信はない。
120 デューン砂の惑星 フランク・ハーバート SFなのだけど権謀術策うづまく歴史ものといえなくもない。ここでヴォイスについて、腹式呼吸によって出す声のほうが抗い難いようである。
121 ヴェニスに死す トーマス・マン 美少年への愛狂おしいまでの妄執、死と愛、 眼を覆いたくなるような無残な老醜と光輝く青春の美との対比のなかに永遠なるものへの憧れなどがほの見えて、重い。
122 西部戦線異常なし レマルク
123 紅い花 ガルシン
124 エミリーのバラ フォークナー 8月の光を読んだあとの虚脱感はことばにならなかった。文学はひとを幸せにするものじゃないと思わされた本のひとつだった。これは佳品です。
125 甘い蜜の部屋 森茉莉 濃厚な香りに息がつまりそう。森鴎外に溺愛されたという茉莉さんも今はもういない。
126 文学的勇気 松原新一 この本、とてもおもしろかった。弁護士の片岡先生から「ようちゃん、おもしろいよ」といただいた。先生は弁護士資格を剥奪されてしまった。本はみつからない。
127 トニオ・クレーゲル
128 エロス的文明 マルクーゼ
129 アンをめぐる人々 モンゴメリ アンの本編もさりながら、アヴォンリーに棲むひとの人間模様。結核で早死する、美しいルビーギリスはいう。「天国はいいところかもしれないわ。でもあたしは住み慣れたここにいたいの」
130 あしながおじさん ウェブスター
一部もいいのだけど、二部のへそまがりさんはもっと好き。
131 魔女の論理 駒尺喜美
132 神州纐纈城 国枝史郎 国枝史郎の世界観はすごいと思う。地球の自然のありさま、生き物に満ち溢れそれぞれが生きのびるために食らいあっていることを無残と断じた。わたしは驚愕した。それにしても一言一句そのままぱくった半村良........
133 ベイラの獅子像 橘外男
134 ユリイカ  ........
135 ユリイカ  .........
136 通り魔 フレデリック・ブラウン 呑んだくれ、破滅型の記者(名前をわすれちゃった)彼がとても好きで何度読み返したことだろう。連続殺人はなぜ起きたか!?
事件は人間の心の闇から引き起こされる
137 悲の器 高橋和巳 読み返してコメント
138 ロシアより愛をこめて イアン・フレミング 007のシリーズでは、これとドクター・ノオがおもろい。どっかに「医者はいらない」と書いてあった。
139 異端の鳥 イエールジ・コジンスキー ペンキを塗られた鳥は仲間の鳥にいじめられるという。戦火のなか迫害にあい、逃げ惑う少年、彼は実はユダヤ人ではなかった。
140 ボルジア家の黄金の血 F・サガン
絢爛と血が交錯していたイタリア、
141 コレット シェリ 年上の娼婦に恋していることにシェリが気付いたのは自分が結婚したあとだった。娼婦をたずねるシェリ、しかし彼女はみるかげもなく変貌していた。
142 ブラームスはお好き F・サガン
ポールはインテリアデザイナー、プレーボーイのロジェと長いあいだ いい関係が続いていた。ある日ポールはシモンという青年に出会い、シモンはポールに夢中になる。しかしポールの選択は.....トニパキとバーグマンの映画もよかった。ポールのアパルトマンの階段に「わたしは、おばあちゃんなの......」とポールが叫ぶところ。
143 昔話と文学 野村絃 かってドイツで(グリムの)昔話などの残虐な描写がアウシュビッツに結びついたとして、教科書などから残酷な民話などを排斥する動きがあったとか。昔話とは多層な複合体であり人間の心の働きに合致し、残虐な描写も万人に妥当する内面のドラマを表している。昔話の内包するものは多い。近代的我......有限な一回限りの孤立した存在から古代的我........回帰する全的な存在の我に......
昔話は子供時代の終わりに変化期を通り抜けなければならない若い人間のことを物語っている。本格昔話(魔法昔話)の主人公はすべて、危険と苦難にさらされてそれを克服するものであり、成熟の過程には成熟のための窮迫というものが必ず含まれている。昔話には「死して生きよ」という発展の法則が描かれている。
144 変身 カフカ ある朝、起きたら毒虫になっていた。昔話において動物に変身させられる話は多い。たいてい他者の愛によって人間に戻ることができる。が、カフカの変身においてはゲオルグは変身したままもとに戻ることができない。
145 不思議な国のアリス ルイス・キャロル アリスは他のイギリスのファンタジーとは質的に異なっている。いうなれば不条理の世界なのだ。カフカとつながって思い出されてしまう。
146 グリム童話 ......... 宝庫です。「ねずの木のはなし」いつかは語りたい。
147 実存主義とは何か サルトル 家庭科の時間に読みふけっていて、先生に取り上げられたことがある。今手許にないので間違っているかもしれない。アンガジュマン.....自己を投機せよということばだけは覚えている。
148 指輪物語 トールキン 世界の運命を握る指輪、その指輪を滅びの渕に棄てること、
フロドに課せられたツトメは重かった。雄々しくもなく、意気揚揚とでもなく淡々とそのツトメを果たそうとするフロドが美丈夫ではなく こびとであることに作者の想いを感じるのはわたしだけではあるまい。
149 夜明け朝焼け 住井すゑ 戦後、日本の貧しい農村で兄弟が苦闘するおはなし。みょうがは実は年を経た細いほうが値が高いとか、供出とか、当時の農村の描写がリアルでおもしろかった。
150 異邦人 カミュ 白い壁と熱い日ざしのなかを本を読みながら私も彷徨していた。
151 銀色の恋人 タニス・リー 少女が恋したのはロボットだった。
152 夏への扉 ハインライン とっても前向きなSF。
153 エルフランドの王女 おもしろいけど眠くなる。
154 リプレイ ケン・グリムウッド これ、キンキのドラマの原作でした。人生のある地点で何年か前に戻ってしまう。何度も何度もやり直す。始めはお金と地位を求めるが、やり直すたびに求めるものが......
155 リリス マクラウド
15 サイベルの呼び声 マキリップ サイベルはこどもを育てることになる。
157 夏の花 原民喜 業火に灼かれ蛆虫に食われ、淡々とひとは死んでゆく
158 ただ、一撃 藤沢周平 lこれは一番はじめの作品群です。この方から時代物が好きになった。ほとんど読んだけれど、初期のものがいい。老いた兵法者と嫁の心の通う一刹那。
159 闇の聲 藤沢周平 で戻りの娘の夢は一夜で砕けた、最後の一節が秀逸。
160 幻魔大戦(オリジナル) 平井和正 取りえのない高校生丈?は地球を幻魔の手から救うために宇宙船士ヴェガ等と手を組み闘い、超能力者として人間として成長していく。この物語で残留思念なるものを知った。
161 心地よく秘密めいたところ ビーグル レペック氏は19年間墓地で暮らしていた。そこへ新しい死者マイケルがやってくる、それからローラも.....ふたりは愛し合うようになる。.........ところが.....
清らかな愛のものがたり。
162 夢の国をゆく帆船 ネイサン
163 ジェニイ ポール・ギャリコ 少年は気がつくと猫に変身していた。
164 ジェニイの肖像 ネイサン 売れない画家の前に現われる不思議な少女ジェニイ、時空を超えた切なく美しい愛の物語。水野英子のセシリアの原作
165 石の血脈 半村良 伝奇的SFですが、読み終わると目眩。白昼 映画館を出たときみたいに。
166 女の由来 E・モーガン 女は女に生まれるのではない。女になるのであると云ったのはサルトルのつれあいさんだった?そうだ!ヴォーボアール。永遠に女性的なるもの、我を天上に引きよす....といったのはゲーテだったっけ?いづれにしても生身の女は地上をはいずるしかない。たまさか、青いソラを見上げながらね。
167 五弁の椿 山本周五郎 復讐物語。これと似たシチュエーションであったよね。殺害現場に花を落としてゆくの.....たしかわたなべまさこが漫画化してた。
168 氷点 三浦綾子 妻の不倫が許せなかった夫は、娘の殺人犯のこどもをひきとって妻に育てさせようとした。それは妻への復讐のためだったのだが、実は........    この作品は原罪がテーマだとか。されど、キリスト教の原罪はかるい。神に背いたその罪はやはり何人もの人間を殺したり苦しめたりするより重いのだろうか!?
169 なにかが道をやってくる ブラドベリ ブラドベリはトワイライトゾーンの作家だ。ホラーでもSFでもカタチのない莫としたしかし日常から煙のように滲み出てくる不安。その不安はこどもの目線で感じるものに近い。それであんなに透明で美しいのだろう。
170 まぼろしのちいさな犬 フィリパ・ピアス 飼いたくても犬が飼えないぼくのところに、ある日犬がやってきた。でもその犬はぼくにしか見えなかった。
171 エリアーデ なんでもいいからエリアーデをいれたかったけど、思い出せない。ってことはたいしておもしろくなかったのかなぁ。
172 妖星伝 半村良 伝奇にしてSF、国枝史郎の衣鉢をついでというかパクってというか、徳川家の謎、このへんちょっとカムイ伝、神道に対をなす鬼道が豊家の残した黄金の城を求めて暗躍する。
173 南総里見八犬伝 滝沢馬琴 伏姫は犬の八房に懸想されさらわれる。八房を近づけないようにしていたが夢を見て犬の仔を身ごもってしまう。伏姫が自害するとき八つの玉が飛び散る。仁・義・礼・知・信・忠・悌?・孝 今はほとんど死語の八つの字の浮かぶ玉にちなんだ八勇士が御家の危機を救うおはなし。わたしは犬塚信乃?がお気に入りだった。妖婦玉虫とか浜路のはなしがおもしろかった。
174 東海道中膝栗毛 十返舎一九 日本には珍しいナンセンス文学。五右衛門風呂の入り方に笑った。
175 三国志 陳寿?で 諸葛孔明が死んでしまう五丈原のくだりが忘れ難い、蜀が好きだった。赤壁の戦いがおもしろかった。
176 水滸伝 .......... 三国志の時代、108人の魔王が世に放たれた。彼ら好漢108人は梁山泊にたてこもり、正義のために闘う。
177 西遊記 呉 承恩 猪八戒、沙悟浄、孫悟空は三蔵法師を護って天竺に向かうが、てぐすねひいて待っている妖怪たち。
178 岩窟王 アレクサンドル・デュマ ご存知!手に汗握るモンテ・クリスト伯の復讐譚
179 紅はこべ バロネス・オルツィ 18世紀末、革命の嵐吹きすさぶなか、死刑を宣告された貴族を救い出す謎の一味があった。大活劇ロマン!!
180 三銃士 アレクサンドル・デュマ アトス、ポルトス、アラミス、ダルタニャンの冒険、王妃の首飾り事件、妖婦ミラディーと百合の花の烙印、アトスの憂愁。リシュリュウ枢機卿の姦計。
181 オデュッセイア .......... トロイを滅ぼした英雄も神の怒りを買い、故郷に帰ることをゆるされずさまよう。その間の冒険物語
182 外套 ゴーゴリ 下級官吏アカーエイッチはボロボロの外套を着て朋輩たちからバカにされていた。アカーエイッチはようやく念願の新しい外套を手に入れるがそれを盗られてしまう。失意のうちに死んだアカーエイッチは夜な夜な街角で道ゆくひとの外套に手をかける。
183 四つの書名 コナン・ドイル ドイルはほんとはファンタジーが書きたかった。それでお金がたまるとさっさとホームズを殺してしまってファンタジーの執筆に取り掛かったそうだ。赤毛同盟かパスカヴィル家の犬かどれもいい。ドイルは科学的操作術を始めて取り入れた作家でもあった。ホームズの個性、ワトスン博士とのコンビも楽しい。話は変わるが映画ヤングシャーロックもよかった。
184 ドリトル先生航海記 波をちゃっぷちゃっぷちゃっぷちゃっぷ♪かきわけて、スイスイスイ♪
185 春の雪 三島由紀夫 豊穣の海第一巻、松ケ枝清顕
186 制服の処女 ヘラーリング 母を亡くした少女マヌエラはミッションスクールにいれられる。マヌエラは美しいエリザベート・ベルンブルグ先生に夢中になる。
187 点子ちゃんとアントン ケストナー 点子ちゃんはお金もちの娘、アントンはおかあさんと二人暮しで貧しい。しかしふたりは仲良しで毎夜、橋のたもとで靴紐やマッチを売っていた.......
189 結晶世界 バラード バラードの世界でこれだけ....は眼に浮かぶ。
190 非Aの世界 ヴァン・ボクト SFだけど権謀術策の世界、わけもなくおもしろかった。
191 都市 シマック 犬と戦士はコンビを組んで闘った。
192 奔馬 三島由紀夫 「豊穣の海」第二部、おもしろかったのは私はここまで。
193 猫のゆりかご カート・ヴォネガット・ジュニア 猫のゆりかごとはあやとりのことなのだが、もしかしたら、読者をバカにしてるとしか思えない!(いやぜったいそうだ)SF ポコノン教の教えをもとに物語は展開する。
194 黄色いなめくじ H・C・ベイリー 短編の傑作、子供を犯人にしたてようとするが......
195 猿の手 W・W・ジェイコブス ケルトの民話で「金の腕」というのが少しにている。ブラドベリにもある。でもとにかく「猿の手」は恐い。後味も地の底にひきずりこまれるよう。
196 風紋 乃南アサ 乃南アサ氏の小説はすべてを読んでいるわけではないが、これはおもしろい、女文士は長編の場合、構造が甘くなることが多いが実にしっかり構築されている。高校生の真裕子の母が殺される。犯人は真裕子の担任でそれも不倫の果てのことだった。一家は衆目に晒され、苦悩の日々が始まる。乃南アサも事件をとおして人間を描こうとしているところに好感がもてる。
197 季陵 中島敦 季陵のように才があるわけではないが、幾分かはわたしの血のなかに季陵がいるので読むたびいやだった。
198 楢山節考 深沢七郎 父の田舎では60年か70年前まで、赤子を間引いていた。従姉妹などはほんとは双子だったのだ。読むと胸が潰れるようだが、さらさら乾いているからいいなぁ。
199 妻たちの二・二・六事件 澤地久枝 事件に連座して刑死または自決した者21名、そのうち15名は昭和11年7月12日銃殺された。男たちのほとんどにまだ結婚して間もない妻がいた。
200
童夢 大友克洋 ここに....載せるのは でも匹敵するでしょう?
200まできました。さぁこのつぎは......