爽秋の安曇野・その2
05.10.11



穂高神社を参拝した後、松本市に向う。  街に着いた頃には日は西に傾き、

秋の日足の速さを感じる。

松本城に車を止め、お城を覗くが、閉館時間が迫り外からだけの見物となる。





松本城入口




 

美ヶ原高原の山々を背景にした天主閣。

この城は石川数正が1593年に建てたと言われ、現存する城の内、最古のもので

木造の姫路、彦根、犬山と並び国宝に指定されている。







安曇野の犀川には越冬の白鳥が飛来したと聞いていたが、

城のお堀にも、漆色に光る水面に波紋を描き、白鳥が来ていた。


水の中では盛んに水掻きを動かしているのだろうが、音も無く進む。


お城を出て大名通りをぬけ、女鳥羽川に出る。 この川は昔、外堀の代わりを果たした所で

川を堺に内側は武士の居住地とされ、外側は町民街となっていた。




蛙の歌舞伎衣装を着たオブジェ


この女鳥羽川沿いに現在は、なわて通りが開け、入り口には通りのシンボルである

おどけた蛙が鎮座している。  その後に江戸時代を思わす様な商店街が続き、

印章屋や古美術品、蕎麦屋や鯛焼屋等の店が軒を並べている。



 
夕日を浴びる江戸風のなわて通り




なわて通り北の四柱神社


なわて通りの北側には四柱神社があり、前の鳥居をくぐり

女鳥羽川を渡ると、川沿いの裏通りに出る。

こちらは中町通りと言うが、蔵建築が多いので、通称、蔵の町とも呼ばれている。


案内によると旧善光寺街道沿いにあり、昔は塩問屋等の商店街で栄えて来たが、

明治21年の大火で、多くの建物を焼失したが、焼け残った蔵の耐火性構造が見直され

その後、多くの耐火構造の蔵が建てられた、今日残っているのはその一部である。




 
中町蔵シック館                         漆器の店


この蔵建築は中町蔵シック館と呼ばれ、町興しの為に、展示会等、色々な催し物がなされ

小さいコンサート等も開催されるそうだ。   今日も前の広場で、青空市が開かれていた。



 
なまこ壁のそばや                      蔵シック館の内部 染色展


通りをぶらついていると街のオジさんが、こちらも見て下さいと、路地に案内される。




案内された路地


ついて行くと、京都の二寧坂の界隈の様で、坪庭の様な空間があり、

石の彫刻像等安置され、洒落たカフェやブテイック等の店があって落ち着ける雰囲気。




 
美ヶ原高原を背景の女鳥羽川                           アルプスを背景の松本城


蔵の町・中町をぶらつき、松本城公園に戻ると、すっかり日は落ち、

つい先までいた白鳥達も巣に帰ったのか姿は見えず、堀の水面は静まり返えっていた。

天守閣は北アルプス連峰からの残照で黒いシルエットを描き夜の帷を待っていた。


終り

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