悠久のエジプト2


第一門を抜けると100mほどのエチオピアの中庭と呼ばれる広場がある。

両側には列柱が立ち、しゃがんだ牡羊の彫像が足元に並び、牡羊の前足の間に

ファラオ達が彫られている。 牡羊はアメン神の神の使いである。



完璧に石材で敷かれた床と巨大な列柱群



広場のデティール


塔門を入って中庭を過ぎると第二門となる。 

パジェネムの巨像と右にはラムセス2世の巨像が見えてくる。 それに柱の巨大さに驚く。



第二塔門の残骸とパジェネムの巨像が小さくみえる。

中庭の大列柱がみえ、その奥にはエジプトの誇る列柱室が待っている。




ラムセス2世像

この像は元ラムセス2世が作ったものであったが、第21王朝のパネジェム1世が自分の名前に書き換えて

以後、このように呼ばれる様になったと言う。 この像も、腕組みをしていて死後、造られたのであろう。

その奥にはエジプト史上最も美しいと言われる大列柱室が見える。 幅102m奥行き53mの威容を誇る。

神話や歴史のレリーフが刻まれた列柱群が林の様に続き第三塔門へと進む。


列柱室

列柱室は第19王朝セティ1世が着工し、その子ラムセス二世が完成させた。

大列柱は合計134本の巨大な柱で構成され高さは23mあるそうだ。

柱頭は開花したパピルス(紙を作る植物)の形である。

 中央廊はアメンへテプ3世(BC1375年頃)着工しラムセス4世の時代に完成したそうだ。 

柱列室は光と影の織り成すコントラストの美しさが堪能できる。


 
列柱のレリーフと光と影の綾なす美しさ

第三塔門を過ぎると、かなり痛んだトトメス1世のオベリスクが立ち、その奥には

ハトシェプスト女王のオベリスクが聳えている。 通常は2本ある筈が地震で倒れたそうだ。



広場よりのハトシェプスト女王のオベリスク左と右トトメス1世オべリスクも一本、





ハトシェプスト女王のオベリスクはエジプト一の30mの高さで、重量200tの花崗岩製と

言われ、当時、黄金の山を小麦を取るように金に糸目をつけず造られたと言われる。

通常一本ものとして切り出すだけに石を探すのも、又運ぶのも大変なことだったと思う。



折れたハトシェプスト女王のオベリスクの先 

紀元前27年に地震があり神殿を含め倒壊があったそうだ。

その時、ハトシェプスト女王のオベリスクの先が折れたのではないかと言われている。



振り返った参道




柱に刻まれた歴代の王と妃のパストゥーシュ

パストゥーシュとは王と王妃しか使えないもので丸い囲みにされた象形文字で

名前が書かれたものお言う。 象形文字は現在まで判読されたのが700字だそうだ。



ラムセス三世殿




この牡羊の参道が当時はルクソール神殿迄続いていた。

この後、3Km離れたルクソール神殿へと向う。



ルクソール神殿

ルクソール神殿はカルナック・アモン大神殿の付属神殿としてアメンヘテプ3世とラムセス2世の時代に建てられた。

左手よりカルナック神殿のスフィンクスが続いていたと言われる。 塔門の前にはオベリスクが一本立っている。

本来は2本あるべきであるが、他の1本は現在パリーのコンコルド広場に立っている。 

ナポレオンがエジプト遠征時に見初め、その後、1831年総督ムハンマド・アリがフランス王

シャルル10世に寄贈した。 その返礼として時計を贈られた。

今もカイロ市のムハンマド・アリモスクの時計台として残っている。


第1塔門

やはりカルナック神殿に比し大分小さい塔門である。 

門の両脇には2つのラムセス二世像が建っている。 



塔門両脇ラムセス2世像

塔門にはラムセス2世がヒッタイト軍とガディシュで戦ったレリーフがあった。

この戦争を終結し、民を神の信仰に向わす為、神殿を造った。



今も残る貢物のレリーフ



 
オベリスクとラムセス2世像

このオべリスクと同じのがパリにもある。


ラムセス2世の中庭

第1搭門を通るとラムセス2世の中庭、74本の列柱が並ぶ、首のない像は一時期キリスト教徒

により偶像崇拝が禁止された時に破壊されたと推察されている。 中庭の隅には礼拝堂を一時

キリスト教徒が利用していた。 その為、これらの遺跡が生き残って来たとも言える。


キリスト教徒が使用していた元ハトシェプスト小祠堂



格子などを付けモスクとして上に継なぎ利用されていた。

ラムセス2世広場より第二塔門に入ると巨大列柱廊が構えている。


第二塔門前、ラムセス2世

第二塔門前のラムセス2世像は両手を膝の上に置き、ネメス頭巾を被り

南北エジプトを統一した為、南の王冠と北の王冠、象徴した二重冠を戴き髭つきである。

列柱廊を通ると先はアメンへテプ3世の中庭列柱室が大きく広がっている。

その先はアレキサンダー大王の間へと繋がり奥の至聖所に至る。



アメンへテプ3世の中庭より見る、大柱列廊





若い王と王妃のツタンカーメンと王妃

本日はこれで終了、夕食はビーフ・シチューで腹ごしらえ、眠りにつく。

明日は、更に南のエドフへと夢は駆ける。

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