京都洛東紅葉
05.11.24


青蓮院門跡

青蓮院門跡入口


永観堂から此方へは15分程度で来ることが出来た。

青蓮院は天台宗五ヶ室門跡の一つで、元は最澄以来の比叡山の住坊であった。

鳥羽法皇の時代、その帰依により、行玄が院の御所に準じて、殿舎を造営したのが青蓮院となり、

門主第3世の慈円の時に最も栄え、彼は台密の巨匠であったが、浄土宗の法然や真宗の親鸞

を庇護し、親鸞の得度をしたり、法然に院内の一房を与えたり、(それが現在の智恩院となる。)

親鸞の死後、大谷の崇泰院に墓地と影堂が営まれたのが本願寺の起源である。

  又、青蓮院は天明の大火での皇室が焼失した時、御桜町上皇の仮御所となった。

その後も幕府の庇護のもと客殿や小御所、庭などが維持されてきた。




天然記念物の大楠

この楠は親鸞聖人お手植えの樹と伝えられ、京都の天然記念物となっている。




客殿




天台密教の仏、不動明王画像



手水鉢

小御所よりの廊下の横にあり、豊臣秀吉から寄進された手水鉢と云われている。



小御所の武者絵




庭の紅葉



御所



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智恩院


智恩院三門

青春時代、友人に誘われ智恩院に来たことがあり、懐かしさにつられ、

青蓮院の隣でもあり、寄ることにした。


智恩院は浄土宗の総本山で法然上人が1175年吉水に草庵を開いたのが起源で

その後、火災や戦乱をへて、秀吉、家康等の庇護を受け、今の大伽藍を築いた。

院内には1639年建立の国宝、御影堂を始め、方丈、経蔵、大鐘楼、阿弥陀堂等ある。

三門は国宝に指定され、我国、最大の重層入母屋造りで、

世界でも木造では最大と言われている。

東大寺の三門の豪放な力強さはあないが、装飾的、細な木組みの美しさを持っている。




御影堂


法然上人の像が安置されている御影堂、此方の正面右手の軒裏には名工・左甚五郎が

魔除けの為に残していったという雨傘がある。


この傘には諸説があるが、傘は水との縁があり、龍と同じ用に火災防止の祈りのようだ。

この他にも智恩院には抜け雀、鶯張り、三方正面真向の猫等、七不思議がある。




御影堂より阿弥陀堂への渡り廊下

この廊下は御影堂より方丈にも続く、鶯張りとなっている。



院内の銀杏

智恩院を出ると左手に黄色と紅の銀杏と楓を見ながら神宮道を北へ行き

疎水の神宮前で右に曲がり、無鄰庵へ。




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無 鄰 庵


無鄰庵入口

無鄰庵は琵琶湖疎水の通りから右手の路地に入った隠れた所にあった。

別邸としては実に静かな場所である。


無鄰庵は明治の重鎮、山県有朋の京都の別荘で1896年に造られ、日露戦争直前の

1903年の外交方針を決めた無鄰庵会議で有名な所。

庭は有朋自身が設計監督し、明治を代表する庭師、小川治兵衛の作という。



* 山県有朋は松下村塾の出で、奇兵隊に参加し、明治維新政府・軍部の最高首脳となり

廃藩置県の実施に伴い最初に国軍を創設し、国民皆兵を主張し、徴兵制を実施した。

1873年初代の陸軍卿となる。

*小川治兵衛は法然院や久原庄三郎邸(萩豪商)に出入りし、久原から山県有朋を紹介され

山県から才能を見込まれ、当時の政界財界人の庭を多く手がけ、平安神宮神苑や

京都国立博物館庭園等を造り、近代庭園の先駆者となる。



母屋より見る庭園


庭園は約1000坪の広さを持ち、東山を借景とし、琵琶湖疏水を取り入れ、

三段の滝、池、芝生を配した池泉回遊式庭園である。




庭内には古木も多く全体を引き締めている。




池より母屋を望む




母屋の座敷、無鄰庵の額がある。

有朋が山口に建てた草庵は隣家のない閑静な所であった事から、その名前が付けられた。



庭の紅葉



玄関脇の苔はえた灯篭ともみじ



洋館二階より見る中庭の紅葉

此方は明治31年の建造で、壁には狩野派の金碧花鳥図障壁画で飾られた部屋があり

ここで明治36年、伊藤博文、総理大臣・桂太郎、外務大臣・小村寿太郎の4人で

日露戦争直前の外交方針が決められた。

この部屋は国の歴史的建築物となり、カメラが禁止されている。

格天井からシャンデリアが下がり、壁には花鳥が描かれ、床には絨毯が敷かれた

和洋折衷の部屋に紫色の椅子の応接セットが置かれていた。

西洋様式の採り入れが未だ消化しきれず、落ち着きのない部屋に感じた。



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平安神宮



平安神宮

無鄰庵を出ると平安神宮の鳥居が見えた。

平安神宮は遷都1100年祭(明治28年)に記念事業として建てられた。

平安京大内裏の正庁をモデルとして、応天門、大極殿、本殿等が建てられ

桓武、孝明両天皇が祀られている。

奥には一万坪の神苑があり、池泉回遊式庭園で東、中、西、南の四苑に分かれている。


此方の庭園は四季花が良いそうだが、秋より春の桜か菖蒲が美しいらしく今回は見送る。



応天門




蒼龍楼

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終りに

紅葉の盛りは、夫々の木の種類や、その場所により時期が異なる。

その為、さかりに出会うことは、青葉であったり、散り紅葉であったり、実に難かしい。

昨年の紫野と鷹ヶ峯は盛りも過ぎた散り紅葉であった。

この度は、幸運にも、そのピークに出会えた。  めったに、こういう事はない。



やがてモミジ達は散りはて、堅い衣に新芽を包み、永い眠りとともに、

季節のめぐりを待つことであろう。


おわり

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