カキツバタ群落地


(刈谷市井ヶ谷町小堤西池・06.5.22



三河平野には、古くからカキツバタの自生地があり、刈谷市の最北部三好町との

境には、国の天然記念物と指定されたカキツバタ群生地が広がっている。

この辺りは、日本のカキツバタの三大自生地と言われ、自然保護地区の森も続いており、

植物や動物の宝庫となっている。
 今日は此方にやって来た。

車の乗り入れが禁止され、近くにある洲原公園の駐車場に留めることにした。

大きい通りより農道に入り10分ほどでj自生地に着いた。





周囲は農地に囲まれ、整備された農道が走り、麦畑が広がっている。

やがて、この麦畑も黄金の穂波が靡くことになろう。



麦畑の先に見える刈谷の街


花が見頃と、青紫の花の広がりを期待してきたが、二十四節気の小満が過ぎたと言うのに、

「陽気盛ん、万物ほぼ満足」とは行かず、花は疎ら、日本三大群生地には程遠い様だ。

気象庁の発表によると愛知県の5月に入っての日照時間は通常の3割に満たないと言う。


その為か、役所と大学の調査スタッフが、こちらにも来ていた。

訊ねて見ると、今年は少し遅れている様で、葦や雑草がはびこり、

花も少なく、余計に見え難いとおっしゃる。

カキツバタは絶滅危惧種といわれ、年々、花が少なくなっているそうだ。

   しかし、一面の花も良いが、少ないのも又、別の風情がある。

陰の声 : と、でも言うていないと治まらない。)


湿地北方の眺め




湿地の南方の眺め




湿地と原生林

この通り、さっぱり、カキツバタが見えにくい。




カキツバタは愛知県の花で、この県の知立市(八橋)の無量寿寺、カキツバタの名勝地に

因んだもので、伊勢物語で有名な在原業平が、平安の時代、東下りの際、

八橋にて、「かきつばた」の5文字を句頭に入れて詠んだ

『 から衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ 』

と言う和歌で有名である。












カキツバタは多年生の草花で湿地や池沼を好み、咲いた花は一日しか持たず

翌日には、しぼんでしまうと言う。

彼女たちも、昨日、咲いたのであろうか、焼けに生気がない。










湿地の南外れ迄来ると、自然ばえか、それとも誰かが植えたのか

キショウブが、カキツバタに代わり、元気な姿を見せていた。

この花で、カキツバタでの失望感が救われたようだ。

キショウブ君に感謝!!











それにしても、カキツバタが絶滅危惧種で減っていくのが、心もとない。

湿地の水辺を見ても、昔は水生の小動物が沢山いたものだが、さっぱり見うけられない。

農薬によるものか?? 地球温暖化によるものか?・・・・

葦や雑草ばかりが目に付く。

ダーウイン様がおしゃる 適者生存!   憎まれっ子 世にはばかるって、ことか〜

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