霊峰・木曽御嶽山登山
09.9.21〜9.22




御岳ロープウエー・センターハウス前 花畑、赤蕎麦の花


9月の初めに心臓を手術し、その後、お陰で順調に鼓動を刻んでいる。

しかし、どれだけエンジンの性能が回復したのか、一度為して見ようと、連休に御嶽山に

息子家族と登ることにした。 丁度、敬老の日が空いていると言うので山小屋を予約した。

小笠原付近に台風が接近し、天気が心配であったが、日が経つにつれ三陸沖へと進み一安心。 

3年前には田の原コースを登ったので、今回は一番古い黒沢口コースを登ることにする。


登山コース概要

御岳ロープウエー山麓駅(
1570m)〜御岳ロープウエー山頂駅(2150m

山頂駅〜7合目〜8合目〜9合目〜頂上(
3067

標高差
915m 距離3800m 所要時間3時間半 





御嶽に到着し御岳ロープウエー山麓駐車場は一杯で第2駐車場に車を留め、ロープウエーに乗り込む。

ゴンドラに5人が乗り込む。丁度11時半出発。 やはり1500mの標高の所、多少木々が色づきかけている。

一気に2150mの頂上駅へと上がる。 天気は快晴とは行かず、うす雲が出ている。

まず呼吸を慣らすため駅前の植物園をぶらつき食事をとって御嶽社に登山の安全祈願をする。

孫達も真似をして参拝。 孫達が参拝の理由を聞くので、山は恐ろしいから神さんに

お願いをしたと話すと、神妙に聞いていたが、納得できたのかどうか?



ロープ・ウエーのゴンドラ





ゴンドラ内




頂上駅前・御嶽社

御嶽社の左手に行くとしらびその小道」の案内板があり、こちらから登山道に入る。

いよいよこれより3時間半の登山が始まる。 果たして心臓の脈拍は大丈夫だろうか、不安がよぎる。

案内通りの「しらびその林が続き山の雰囲気が漂う。 10分ほど歩くと6合目からの登山道と合流し

やがて正面に7合目の行場小屋が三門の様に現れる



しらびその小道案内





しらびその小道を行く




7合目・行場小屋まえ

我々は歩き出したばかりで休む必要もなく、小屋の前を通過して只管進む。

しんがりを筆者が受け持ち、列の間隔はついたり離れたりでペースは気まま。 

やがて、霊山らしく、枯れた沢にしめ縄が張られ、行者の祈りの場所の様な所にでた。

この辺りはシラビソやダケカンバ、シラカバ等の樹林帯が続き道はだんだん勾配が厳しく、

材木で造られた階段が歩幅に巧く合わず、こちらの歩幅で歩くには、階段をさけて

端の地面を登るようにするが、地面は少なく大方は階段を登らざるを得なくなる。


体温は上がり汗びっしょり、シャツを脱ぎ、アンダーシャツ一枚になる。

やっぱり体温が発散し実に気持ちがいい。 ぽつぽつと紅葉の早い木が秋の

訪れを伝えてくれる。 ナナカマドノの木が真っ赤な実をつけ、これから更に葉も

色濃くなって登山者を迎えてくれよう。 休み休み2時間ほど登って視野が広がり

どうやら樹林帯をぬけた様だ。 ナナカマドやハエマツの低木が多くなったところ、

先に8合目の女人堂小屋が見えた。 しかし、雲行きがおかしくガスが出だした。

興奮と焦りの為か小屋は直ぐそこに見えたが以外に遠く感じる。













木の階段を登る我がパーティー





ナナカマドの紅葉

女人堂小屋に着き、一息すると身体が冷えてきた。 孫達が寒いと、ぼやくので

暖かい味噌汁を注文する。 先程までは温かかったが、やはり2400mの高地

あっと言う間に涼しくなり、又、シャツを着込む。 山の気象は変化が激しい。

孫たちは汗を出して塩分が不足したのか、味噌汁を美味そうに啜っていた。

そろそろ出発する。空はすっかりミルク色に濁りガスが立ち込め肌寒さを感じる。


小屋を出ると直ぐに御嶽神社があり、右手に行けば1時間30分で三の池へ通じる。

我々は左手頂上を目指し進む。 森林限界が過ぎ視界が開けてはいるが見晴らしは

今一で、見透視がきかない。


  
8合目、女人堂小屋



 
すっかりミルク色になった空と8合目御嶽神社

登るに従い木は少なくなり、溶岩のガレ場が多くなり、足元を確かめ踏み締めって登る。

やがて小高い広場に出ると大きな仏像が建てられ、傍に鐘が釣り下げられている。

鐘の意味も解らず孫たちがカーンと鳴らす。 こちらも、つられて鳴らせば、何かの

ご利益があるだろうと続けて鳴らす。 カーンと山に音が響き渡る。


さて道は更に嶮しくなり、ハエマツの根っこが白骨化した骨の様に道の両側の斜面に

生き物のようにへばりつき不気味に見えてくる。 やがて岩場の登山道が壁の様に

目前に迫り、空に向けて登る心地。 息は激しくザックが肩に食い込む。

出掛けに出来るだけ軽くしたつもりだが、身体が疲れ空気が薄くなると、やけに重く感じる。


この辺りは高度2800mぐらいとすると、空気は平地の7割強程度であろう。

空が少し明るくなり気持ちもよくなり9合目の覚明堂小屋が見えて来る。














鐘を叩く孫たち





溶岩のガレの道





白骨の様に枯れた木の根っこ




嶮しい岩場の道





空に向かって登る。

やはり小屋が見えると気力が湧いてピッチが上がる。

しかし、そう簡単には上がれない坂道で呼吸もはずむ。 

漸く小屋にたどり着き、一服。  後から60を過ぎたと思われる小父さん2人連れが

上がってきて、我々の横へ。 「今から頂上へ上がられますか」と問いかけられ、

「頂上山荘に予約をしているので これから行かないと」と答えると、「天気があやしい

ので、今から登られる方が良いでしょうね」と言う。 「皆さんも今から登るんですか」

と訊ねると、「いや、こちらで泊りの予約してるんです。 天気が心配で今日登ろうかと

迷っているんです」 と言っていた所へ覚明堂小屋の人が出て来た。


こちらは、「それでは、お先にと」と登り始める。 すると、どうやら小父さんたちは宿泊を

キャンセルして頂上まで登りたいと、小屋の人に交渉しだした。




覚明堂小屋・9合目


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