名古屋城と櫻 04.4.5 名古屋市  

  名古屋城は、関ヶ原の合戦後、徳川家康が1609年
  江戸幕府 の東海道の要所として、また、大阪方への
  備えとして、清洲から名古屋へと遷府を決め、
  加藤清正、福島正則、前田利光等
  北国・西国の諸大名に普請を命じ、天守閣や諸櫓の
  工事は1612年に、略、完成した平城。
  その後、明治維新を向えるまで、徳川御三家の筆頭
  尾張家の居城として栄えてきた。

 名古屋地方の櫻予報も満開が出揃い、今日は気温18.5度、微風快晴、絶好の日寄り、
午後から 名城公園に出かける事にした。
 地下鉄名城公園で降り、階段を上がると、留学生らしき外国人が、カンビールをビニール袋に、一杯詰め
 誰かを待っている様子、満面に、これから始まる花の宴への期待に輝いていた。
 
 恐らく、彼らは、あの表情からすると、来日始めての花見であろうと、勝手に想像。
 こちらは、カロリーを制限された身、花より団子とは行けず、専ら見るだけ。
 これも、又楽し、と痩せ我慢をしながら横断歩道を渡る。
 
 左手のフラワープラザの門より公園に入る。
 風にのって花の香りが漂う。 やはり自然の匂いは素晴らしい。
 陽気も良く沢山の人々が来ていた。

 プラザの前のベンチでは、四十過ぎのオバさん達がのんびり腰掛け、休憩していた。
 ヨーロッパでは、こういった風景はよく見られるが、日本も豊かになり、ゆったりと、
くつろぐ日々が増えてきのであろう。 たのもしいことだ。
              
  フラワープラザ前の花壇でくつろぐオバさん達

 今日は左回りに歩く事にする。
 野球場の欅並木は未だ芽をふかず、クヌギ、銀杏、モミジ等は既に、
黄緑の新芽をつけ精気が ほとばしっている。
 四季の園に向け進む。

 四季の園では何組かの花見客がシートを敷き、春の一日を夫々楽しんでいる。
 更に進み御深井池まで来ると、視野が開け、池の周囲に植えられた桜が
薄いピンクに輝き、この辺りが 一番の見頃の様だ。

  御深井池の櫻

 こちらは、昔、蓮で、いっぱいだたと、言われ、暑くなると、蓮の花で、埋められる。 

 又、御深井は徳川義直公以来の焼物でも有名である。

 池を半周し南遊園に向うと、日曜でもないのに花見客を狙ってか屋台が出て賑わっている。
醤油の焦げた香ばしい匂いが何とも食欲を誘う。我慢して南遊園へスタコラ。

やはり、こちらからの名古屋城の眺めは、趣があり、素晴らしい!!
お堀を伝う春風が柳の若葉をなびかす!
何とも言えない至福の瞬間!!

あー、 生きている!!

 お堀沿いに市民の森にむかうが、櫻の時期、流石に人はまばら、方向を変え、風車広場へ足を進める。 

 こちらは、花壇の山の廻りに、家族づれと子供で、一杯。 春休みの為、月曜日でも人の多さに驚く。
 一年か二年生ぐらいの男の子が、親子でサッカーボールのパス交換をしている。
 お父さんからのパスを受けきれず、ボールは人ごみに、誰かに拾ってもらい、夢中で帰ってくると、
お父さんから ” 有り難うは言ったの!”と子供に言う。 子供はばつ悪そうに・・・・・・

 何故か、ほっー とする。
 終戦後、日本人が、おろそか にして来たものを感じる。
 今の大人の倫理観への薄さへの、光明のよう、未だ希望はある。

広場を抜け、正面入口の横を通って、元の位置に戻る。

さー 、 南内堀の桜を見てみるかー。

大津通りにでて、公園入口の前を通り、南へ進む。

   公園正面入口の花壇

お堀の東角に来ると、自転車に乗った、おじさんが、堀の下を覗き込んでいる。
ふと、その視線の先を見ると、白鳥が死んでいる?
白鳥が死んだんですか?と聞くと、” いやあー、卵を抱いているんですよ、去年と一昨年は
孵らなかったので、今年は頑張っていますわ”
聞くところによると、この掘りに四組のつがいが、縄張りを持って争っていて、雄は、今、他の組を
いじめに行っている、と言う。  詳しい人が居るもんだ。


そんな話を聞いて、東二之門まで来ると人が沢山、中へ入っていく、月曜でも営業をしているようだ。
入ってみると、花の季節は特別との事。

 
入って右手の二之丸東庭園の桜は、今が盛りの様に枝が垂れている。


加藤清正の石曳きの像の前まで来ると、外国人の夫婦が英文の看板を食入る様に見ていた。
西の丸に入り、内堀の掘割の暗い先を覗くと、石垣の桜が輝いていた。

  
誘われる様に南石垣に駆け上がると、掘割の若草の緑と桜が午後の陽光で浮き上がって見えた。
名古屋城の桜は、ここが最高の様だ。 特に午後からの石垣の影と桜の輝きとの
コントラストは素晴らしい!


天主の西側に廻り、御深井丸の薄暗い林の中より上を見ると、順光の天主が浮かび上がり、
金の鯱はあくまでも光っていた。


御深井丸より北面の石垣より名城公園を望むと、南遊園の柳の緑が西に傾いた太陽に輝いていた。


塩蔵構を見て本丸に入ると、既に天主は逆光で、桜だけが西日を浴びていた。


東二之門を貫け、クルミ林を通って二之丸庭園に出ると東屋の足元を雪柳が盛り誇っていた。


東門を出て地下鉄市役所前に向うと、歩道の両側を又、雪柳が咲いているではないか。
 
まるで自分が見送られているような・・・
そんな気分の一日となった。 ありがとう!


おわり

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