北関東紅葉がり(水上温泉/谷川岳)
06.10.16.〜10.18

一の倉沢より谷川の岩壁

少し早いが、寒くなってもと思い北関東へ紅葉狩りに出る。

6:30、名古屋インターに入り、中央自動車道を走って、途中
駒ケ岳SAで休憩をとり、岡谷インターまで行って降りる。

続いて142号を北上し、上信越自動車道の佐久I・Cを目指す。

新和田トンネルを貫けると田圃が広がり、黄金色の稲穂が稔り、所々
刈り取られた切り株の田圃がモザイク模様を描く、刈り取られた稲は
竿に干され、黄金色が、くすんだ色へと変わっている。

佐久が近づく、長野オリンピックで、この辺りはかなり整備され
142号線も曲がりくねった道が、すっきりとして走りよい。

一時間少し掛り上信越・佐久インターに入り、ホッとする。
後は関越・水上インターまで自動車道ばかりで、気楽に走れる。

碓氷軽井沢辺りまで来ると山の様子が一変し、中国の山水画に見る
ギザギザとした巨龍の背の様な峰々が続き、旅気分が湧き起こる。

横川に入ると妙義山が現われ、その風景は盛り上がりを見せる。
安中を過ぎ、富岡を走る。 明治の頃おきた女性哀史が頭を過ぎる。

しかし、不思議に思うのは岐阜飛騨の女性達が冬場の寒い時期に
何故、野麦峠を越えたのか? どうしてお盆に帰らなかったのか
合点が行かない。

藤岡を抜けると伊勢崎市、関越道を北へと、ひた走る。
この辺りは高崎、前橋と街が続き、群馬経済の中心地である。

やがて榛名山が左手に見えて来る。 こちらは高峰美枝子の歌った
「湖畔の宿」のモデルとなった榛名湖のある処である。

 夏であれば、さほど感じないが、今時から
冬に掛けては歌詞通り、♪山の寂しい湖に…・ である。

リンゴの渋川をすぎ隣の伊香保に以前、仕事で訪れ、
ゆっくり温泉で骨休めをした。 思へば遠い昔のことである。

間もなく右手に、裾野の長い赤城山が見えて来る。
昔、出張中の日曜日、会社の同僚に誘われ、この山に登った。
上には湖があり、湖畔に店があった様だが??

時計を見ると11:30、赤城高原SAで休憩し、序でに食事もとることにする。
レストランで「赤城大狸麺」を注文する。 何の事はない「狸うどん」である。
しかし、味の良いうどんだった。  これで腹は谷川までOK!

レストランの裏側には1000m程度の山があり、店の人が荒子岳と言っていた。

この後は、もう僅か、沼田市を抜け月夜野を過ぎると水上I・Cの標識が見え
やっと到着。 インターを下り291号を北へ5分程で水上温泉街に入る。

旅館へは寄らずに谷川岳へと走る。 
温泉街を抜けると、段々山が近づき坂道となる。
湯桧曽駅の踏切を超え、更に進むとチュ-ブ型の陸橋が道を横切る。

こちらがJR上越線の土合駅でNHKTV「関口知宏のJR鉄道乗り尽くし」
番組で、紹介されたことで有名な、下り線が地下70mの清水トンネルの
中にあり、チューブ型の陸橋が駅舎との連絡路となっている。
上り線は地上の駅舎にあると言う、鉄道マニアには魅力的な
風変わりな駅である。

渓流に沿いS字カ−ブを繰り返すと土合のロープウエーが見えて来る。
山が眼前に迫り、顎を持ち上げるほどの上に見える。
頂上付近はガスで覆われ、これでは上がっても、見通がきかない。

予定を変更し、ロープウエーは明日に廻し、今日は一の倉沢へ
ハイキングとする。  車は此方の駐車場に置いて行く。

深い谷底に中腹に沿うて遊歩道があり、その道を大勢のハイカーが
トロトロと坂道を登って行く。 勾配が緩やかで何よりである。

黄葉が、かなり進み、落ち葉が、かさこそと音を立てる。
道の右側は深い谷で落ちれば危険な所、唯、道が広いので
安心して歩くことが出きる。

山に入り空気が冷んやりしていたが、歩くうちに身体が暖まって来た。
黄葉した樹林の合間から山が覗く。


谷越えに見る谷川連峰





約30分程で道が開け広場に出る。 此方はマチガ沢出合、右前方黄葉樹の先に
一の倉岳の岩壁が見え、峰の辺りはガスが掛り霞んでいる。
此方で暫し休憩とする。


マチガ沢よりの谷川岩壁











いっぷく入れ先へと進む、谷に沿うた同じ様な道を更に進むと、
谷川岳の岩壁が段々大きくなって見えて来る。

広けた所に来たと思ったら、一の倉沢、大勢の人達がいて、

そこには谷川岳の北壁がはだかっていた。


一の倉沢案内板






しばし、魔の山といわれる谷川岳に見とれる。
この山が過去何百人というクライマーの命を呑み込んで行ったと言うが、
未だに人は登ろうとする。 そこまで惹きつける山の魅力??
理屈では、なかなか言い切ることは出来ない。
魂が呼ばれると言うか…・

NHK.TVで放映されて有名な横山秀夫作の「クライマーズハイ」が思い出される。
彼の人間を思いばかる考えが節々に見え感動の一作であった。

「クライマーズハイ」:御巣鷹山日航機墜落事故スクープを狙う地方新聞の記者達の
        葛藤と谷川岳を通して山男の人間性が描かれている。



後は山を見て頂ければ。

万年雪が見える













身体が冷えて来たので、引き返すことにする。

土合の駐車場に着き、山を眺めるが、やはりガスは晴れない。
しかし、観光バスが次ぎから次ぎへ到着し、大勢の観光客が
ロープウエーに乗り込んで行く。

こちらは、山ともバイバイ、明日の楽しみにして水上温泉へと走る。
温泉街に入るがナビがピンポイント表示が苦手か、それとも逆行の山から
入った為かホテルが見付からない。

結局、利根川を挟んで対面に位置した所にあった。

水上館
http://www.minakamikan.com/index.html#

到着すると、宿の皆さん大勢で向えてくれる。 
部屋へ案内される、百合の香りが漂って来る。
 説明を聞くと家族風呂もサービスと言う。
部屋も立派だし(控の間と応接付き)もてなしもいい。
ありがたや〜   やっと落着く。
  時計は3時を指す。

窓からは谷川岳が右手に見え、下を覗くと水上峡(利根川)が永年、
雪融け水でえぐった岩の造形が美観を造っている。
この辺りは、未だ紅葉は早い様である。


窓から望む水上峡


早速、風呂に入る岩風呂で、半露天、下には水上峡の瀬音も聞こえ
落葉が湯船に落ちる。 この感じ日本人特有ものかな…

ゆったりと気持のいい時間が流れる。

部屋に戻り、ぼんやりと、湯上りで大の字。  
電話がなり、食事の準備が出来ましたと言う。 

ラウンジに出向く、ウエイターが奥のテーブルに案内してくれて、
料理が出されウエイターが一つづつ説明をして呉れる。
ハーフバイキングスタイルである。
上州牛のたたき、ずわいがに、エビしんじょ・・

食事の中程で、ホタテの砂糖醤油焼が出て、結構皆いい味であった。
やっぱり、五つ星である。  食事を堪能し部屋に戻る。


・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌朝、目が醒めると5時半だった。

谷川岳も未だ姿がおぼろ。 もう暫くすると朝日を受けて存在感を見せよう。


朝焼けの谷川岳

6時過ぎやっと朝日を浴び、赤い谷川岳が姿を見せる。
右の二山は双耳峰、吊り尾根の左は俎嵒(まないたぐら)


8時の谷川岳

7時半食事をしてからの谷川岳は雲一つないご覧の通りの快晴。

早速、昨日走った道を又、走る。
空気が乾燥しているのか朝の光りがキラキラしている。
気持が高揚していて、アクセルに力が入る。
10分ちょとでロープウエー土合口駅に到着。 こちらの高さは746m。

既に下りてくる人達もいる。 恐らく始発を待って登ったのであろう。
さすがに、朝は昨日の様には込んでいない。
殆ど待たずにゴンドラに乗ることが出来た。
10分程で天神平に到着する。



天神平は谷川岳の尾根に広がる踊り場の様な所で、高さは1319m
スキ−ヤ−にとっては息抜きの場所の様である。 

こちらから更に展望台へとロマンスシートのリフトに乗り継ぎ登る。
リフトに乗るのも、もう何10年ぶりで、懐かしい。
カタカタと揺られ展望台へ。


展望台へのペアリフト

展望台には菅原道真が祭られた天満宮があり、この山も信仰の山の様である。
祠の裏にある尾根のピ−クに多勢の人達が登って、ワイドビュウ−を楽しんでいる。

谷川岳は天候の急変が有名で魔の山と、言われているが、平生の行いが良いのか
ピカピカの快晴に恵まれた。 (神の声・今に見ていろ!)


天満宮



尾根ピ−クで寛ぐ人達

展望台から北を見ると谷川岳が眼前に迫って見える。
茶褐色の岩肌に想像もつかない年月の風雪に削られた山襞を見せ、
裾には赤いグラデーションの紅葉を被っている。

その右手には朝日岳が標高を低くひかえ、
東側には至佛山を初めとした尾瀬の山々が青帯を延ばしている。
やがてその青帯は色を薄くし、武尊山、皇海山の青帯に引き継いで行く。


谷川岳のピーク双耳峰(左・トマノ耳、右・オキノ耳)1978m



谷川岳・俎嵒(まないたぐら)




朝日岳1945m




奥・至佛山・2228m



手前・武尊山2198m、 奥・皇海山2144m

南東には赤城山が朝霞みから頭をもたげ青い色を更に薄くしている。
やがて南に移ると、霞は深まり山並みは幾層にも重なり、その奥に
薄っすらと富士山が見え、まるで瑞穂の国、生誕の神話の世界を彷彿とさせる。 
西へと方角を移すと吾妻耶山が見え山並は次第に薄くなって行く。

赤城山・1828m




一番奥・富士山、見えるかな?




手前・吾妻耶山・1341m

360度のパノラマを堪能し山の神への感謝を捧げ、山を降りることとする。
下界では、今日もロープウエーに人が押し寄せていた。

途中、諏訪峡の水紀行館に車を止め昼食をとる。


水紀行館よりの諏訪峡

これで水上温泉ともお別れし、奥日光へと向う。


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