長崎よかとこ3


中華街に着いた頃には丁度、お昼、息子が「パッド」でチャン料理の口コミを調べている。

店に行って見るが、何処も行列が出来ている。 やはりNETで人気ある店は混雑している。

ぶらぶら中華街を歩いてみると小さな町で長さ150m程度の道に十字架のように横の道が

交錯している小さな中華街である。 中は赤や黄色で彩られた中華料理店や土産店、

中国雑貨店が並んでいる。 メイン通りを外れて東側の道に出ると「老李」と言う店があり

覗いてみると有名なアナウンサーや芸能関係者の訪問のサインや写真があり、

こちらに入る。 本通りの混雑とは嘘のようである。 先客が独りいた。


威勢のよい、お姉ちゃんが出てきて注文を聞く。 「老李セット」と言う、お勧めの

品を頼むことにする。 それはチャーハンと小籠包、スープ替りにラーメンが付いていた。

Goodである。 こんな静かな店で、落ち着いて美味い食事が出きるって、

いいじゃないか〜。


  
中華街の賑わい。




「老李」の店内

食事を終えて、中華街を貫け、唐人屋敷通りに出る。 この辺りから館内町にかけては

嘗ては唐人屋敷のある中国人の多く住む街であった。 唐人は長崎に来航した頃はキリスト教徒

でなかった為、市内に自由に住んでいたが、密貿易が増加したため、幕府は出島と同じ様に唐人達を

収容する唐人屋敷区を設けた。 それが今の館内町で、街は何処か懐かしい匂いがする。


魚屋、乾物屋など市場や古い石段が残り、息子の言では昭和の昔が残っている街と言う。

現在は、土神堂、観音堂、天后堂の3堂の遺跡と、1868年に建てられた

旧ハビン会所(福建会館)が残っている。 昔は日本人で唐人屋敷に出入りが

出来たのは遊女と僧侶だけだそうだ。 しかし、唐人は唐寺などへ出掛けていたので、

日本人と交流する機会は多かったと言われ、「精霊流し」や「龍踊り」など、文化的に

唐人屋敷の中国人達が、長崎にもたらしたものは大きい。



土神堂(土地の神)と昭和の匂いのする店






福建会館、媽祖(航海の神)が祀られている





福建会館の庭に建つ「孫文」





会館内、媽祖が祀られている




観音堂





観音菩薩 観音堂内





天后堂





天后聖母(航海の神)祀られている。


以上、長崎の旅を終える。 長崎は古くから貿易港として発展してきた。外国人との交流も多かった為か、

市民は運転手さんを初め人懐っこく親切な人が多い。 ホテルでも地に馴染んだ中国人の従業員も見かけ、

日本の従業員を含め愛想がよく気持ちのいい応対である。 ホテルに「珍陀亭」と言うレストランがあり、

意味が分らず中国人の従業員に訊ねたところ、「珍陀」とはポルトガルから来た赤ワインのことです、

との返事が返った。 周辺知識の豊かさに驚かされた。 また建物や食物など外国から入ったものや

影響を受けたものが多く、言葉まで外来語が多い。 歴史的にも見るべきスポットが多く、花街の丸山や

外国の香りのするグラバー園や、チャイナタウンなど、バライティーに富んだ 「よかとこ」 であった。

 長崎の皆さん! だんだん おーきん 。

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