森林公園の桜 04.4.9 愛知県尾張旭
一般公園の桜

 今朝、新聞を見ると、イラクで日本人三人が、武装グループに拉致された、という。
アメリカの傲慢な戦争から、いよいよ日本人にも犠牲が・・・・・
テロ、テロと言う前に、何故テロが、起こるのか、その原因を考えれば、自ずと答えは出るのでは。

どうする事も出来ない我々には、ただ、ただ、無事を祈るばかり。

何度も、戦争を繰り返す、懲りない人間の愚かさ、には関係なく、天気は、今日も快晴のよう。

名古屋地方の桜も佳境が過ぎたようだ。

さー、厭な事は忘れて、明るい日差しへと、外に出よう!

今日は、森林公園の桜か、ツツジか、いづれかと勝手な狙いを付け、飛び出す。

着いてみると、やはり、素晴らしい。 花は紅、柳は緑、風は薫り、鳥は歌う!!
自然は平和のかぎり、なのに人間は・・・・・

そめい吉野は、落花盛ん、花の命はやはり短い!

植物園東門右手竹林

東門より入り、右手へ左回りに行くことにする。
竹林に木漏れ日が入り、春風に笹が擦れ合い、さらさらと音を立てる。
休養の森に入る、この辺りに、案内によると、スミレが有るらしいが、見付からない。
その時、後から、”何を探しているのですか?”と声をかけられる。
振り向くと、自分と同じ歳かっこの男性でした。
尾張旭市から来たとの事で地元の人である。
カメラを持ち、植物風景を撮っているという。

ぶらぶら歩きながら、とある木の前に来たら、立ち止まり、”この木知ってますか?”と言われる。 
見ると、サルスベリに似た幹のツルツルした木である。
” 私はこの木の葉をよく食べさせられましたよ。 春先、この若芽をご飯に炊き込むんです。
蜜蜂や昆虫が、この花に寄りつくから、美味いものかと、思いましたが、
あまり美味い物でも有りませんでした。リョウブという木です。”

この人も戦時中は、食糧不足で、苦労したのであろう。
自分も、イタドリ、芋の葉等、食べたものである。

今は、飽食、贅沢そのもの。 かつて、タイの留学生が日本のホテルで皿洗いをしていて、
お客の残した手を付けていない蝦が捨てられて行くのが、哀しかった、と言っていたが、
彼等の国では、その蝦を養殖し、いい物は輸出に廻さし、彼等は食べられなかったと言う。

中国の成長が目覚しいが、この侭だと、食糧不足が生じる事であろう。
しかし、人間食べていないが、自然さえ残していれば、まだまだ食べられる植物は、いくらでも有ろう。


ボート池の処まで来ると、池の水面を渡って来る風が心地よい。
日本庭園への入口、山ツツジが美しい、ここでその人とも別れる。
自分は日本庭園を見て行くことにする。
階段を登ると芝生が敷かれ、あんばいよく庭石が置かれている。 桜は散り始めている!


ツツジ橋を渡ると、湿地の方より、オジさんが出てきて、”ハルリンドウはどちらですか”と訊ねられるも
解らず、二人で、案内図を見ながら場所探し、やっと見当がつくと、恐縮して、飛んで行かれた。
巧く見付かればよいが・・・・・ 


ときわ橋を渡ると、四人ずれのオバさん達がやって来て、”あちらに可愛らしいハルリンドウが
咲いていました” と興奮気味に教えてくれた。
そういえば、さっき、のオジさんもハルリンドウと言っていた。
こちらも、これは一度見る価値があるように、思えてきた。

早速、場所を教えてもらった。 もう、のり、のりで・・・
 変なもんである、人が見たいみたいと、言うと、こちらも何かそのような気がして・・・
 
慾だねえ!
ハルリンドウ

行って見ると、ポツ、ポツ、と小さな薄青い花が・・・、やはり人気が有るのか沢山の人が来ていた。
ふと、さっきのオジさんは、こんな小さな花を見つけたのだろうか? 見つけていれば良いが。

 
展示館前へ来ると、未だ桜が咲いている、桜を横目に、岩石園へと進む。


この岩石園は全国各地から集められた火成岩や火山噴出岩等の岩石を庭園風に置き
その一番奥には、瀬戸で発見された、6世紀後半の古墳が移設されており、
何か、古代に戻ったような、雰囲気をもっている。

岩石園を一周し、岩本橋に向う。 もう、モミジの若葉がすっかり大きくなっている。
若葉を透かす光が、何とも美しい。


岩本橋を渡り、ふるさとの森への道では、桜が、未だ頑張り続けていた。


日陰の為か痩せた木である。
しかし、今しばらく皆を楽しませてくれるのであろう。


子供の森まで来ると、クヌギが、淡い芽おだし、秋には、子供達が木の実を拾う喜びが浮かぶ。


これからは、暗い森の道をとおり展示館の先に出る。
紅いイロハカエデが、青葉の季節には、めづらしい。


広い遊歩道を抜け、大芝生広場に出る。
これだけの大きさは、なかなか見られない。
ここは何時も、模型飛行機のマニヤが飛ばしているのに、今日は誰もいない。


うねりの有る芝生広場を横切り、花壇に出る。
その南の影では、白い八重桜が、短い春を惜しんでいた。


それにしても、拉致された人々が、元気であればと、帰路につく。


* その後、あんじられた拉致の方々が、無事開放された事、慶びにたえません。
真心からの行いは、民族、宗教、国境を越えて通じていくという。 
これぞ、真の外交と言える。  やはり、真実は強い!!

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