徳 川 園
名古屋市東区徳川町
05.8.26



車道に行った帰り徳川園に寄る事にした。

此方へは以前、徳川美術館へ来た事があり、牡丹の季節であった。


昨年、市民公園であった徳川園を愛・地球博に向け外国からの来客への

武家文化の紹介もあって三年がかりで尾張徳川家のイメージに

合わせた日本庭園にリニュアールされた。


こちらは、元々尾張藩主徳川光友が隠居所に大曽根屋敷として1695年に

建てられたもので、現在の大曽根をも含めた13万坪の広さであったと言う。





黒門入口


車道よりは一本道で来られ園の廻りは大名屋敷らしく敷石が敷かれ綺麗になっていた。


この黒門は1900年に建てられた尾張徳川家の遺構で昭和20年の名古屋大空襲で

焼失を免れた数少ない遺産と言われる。

やはり古木の楠が覆い武家屋敷の風格が覗われる。

真新しい徳川園と書かれた白木の表札がリニウアールされた雰囲気を漂わす。




蓬左文庫(徳川家の旧蔵書庫)


門をくぐると右手に白壁の蓬左文庫が見え正面に美術館があった。

依然、来た時とは、すっかり風景が変わっているのに驚いた。





日本庭園入口

敷石で舗装されたアプローチを進むと左手に庭園への入口があり、

右手の葵(土産物店)には
人が沢山いて、万博の流れか外国人も来ていた。

改札では中年の係の女性が、愛想良く出迎えてくれた。 

”今日は暑いので、お気をつけて下さい!”と






小さな擬宝珠ある橋を渡ると左に池が(龍仙湖)見えた。

この庭園は高低差のある地形を活かした池泉回遊式で 滝から流れた清流は渓谷を下り

海に見立てた池に流れる自然をイメージした大名庭園と言われる。




虎仙橋


更に進むと左に虎仙橋が見え、若いアベックが橋の上で写真を撮っており、こちらも

一寸いっぷくする。  気付いたのか、すいませんと声がかかる。

  *
19代義親はマレーで虎狩りをした事により”虎の殿様”と呼ばれた。
それに因なんで名が付けられたと言う。




観仙楼


観仙楼の横を貫けて渓流に沿って行くと、先程の虎仙橋の下を潜り ”虎の尾”に出る。

この辺りの渓流のうねりが虎の尾に似ている事から名がつけられた。




  
     虎仙橋                             虎の尾


秋には、この辺りは紅葉が楽しめそう、更に渓流に沿い進むと、素晴らしい滝に出た。

上中下と三段に分れて、高さが5、6mはありそう。

”大曽根の滝”と呼ばれ、遊歩道では一番高い場所で素晴らしい。

こちらから流れた水は最後に龍仙湖に流れつく。

ベンチが置かれ、ここで暫し、休憩!

人工ではあるが日陰では結構、涼は取れるものだ。




大曽根の滝


この辺りまで来ると、この庭園の大きさが凡そ見えてきた。

滝をぬけると芝生の庭があり、木立のある細い小道を降りて行くと視野が開け池に出た。

竜仙湖と呼ばれ、海に見立てた、この庭園のメインゾーンである。

先ず中国抗州の景勝地である西湖にかかる堤防を模して造られと言う堤に


石の橋が掛かかり、水面にその影が揺らぐ。



  
西湖堤                        渡し場の常夜灯


つづいて小舟の渡し場があり、常夜燈も設けられている。




龍仙湖




  


水際には飛び石が、いい塩梅に配置され、綺麗な鯉が餌付けされているのか

人懐こく寄ってくる。 巨岩からは石橋なども掛けられ景色を引き立てている。




  





瑞龍亭


池の西に位置する所に二代藩主光友の諡號からとった「瑞龍亭」と言う茶室がある。

古来、尾張徳川家では織田有楽斎を始祖として、尾州有楽流に親しみ、

その様式が採り入れられていると言われる。

新しい為「侘び寂び」の感じには未だ、時が必要な様だ。


有楽斎の茶室の実物(如庵)は犬山市にはります。  
http://www.inuyama.gr.jp/ssinfo/index_manabu.html  




観仙楼


観仙楼、こちらは二階建の建物で龍仙湖に面して、眺望が素晴らしくレストランとなっている。

こちらで池を一周したことになる。

池、木立、岩、滝、渓流、・・・と揃っているが苔等はこれからの様で、

しっとりとした日本庭園の雰囲気を味合うには、未だ暫らく時間が掛かりそうだ。

この度は、丁度、花の季節堺か、サルスベリの花しか見れなかったのが少し心残りだ。


帰り道、身体がだるく、薬屋に飛び込む。 疲労回復のドリンクを頼むと店主が

綺麗な色の丸薬を一つくれた。  聞いてみると、肝油だと言う。

突然、小学校時代を思い出す。 肝油一粒で子供時代に返れるとは、

何か不思議な懐かしさを感じる一時だった。

おわり

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