1.遥か彼方
2.羅針盤
3.サンデイ
4.粉雪
5.青の歌
          /6曲
崩壊アンプリファー 81
2003年 1stアルバム
日本流パワーポップをみせる、アジカンのデビューミニアルバム。
最近の作品より、Weezer、Ashらからの影響がより多く感じられるようなアルバムで、これらが好きな方は聴いてみると良いだろう。 これほど純粋に、単純にロックの初期衝動を込めたアルバムは、この時代には逆に珍しいのではないでだろうか。 やたらシャウトをしまくる訳でもなく、曲展開も歌詞も綺麗で普通に良いのだ。 唯一好き嫌いが分かれるとすれば、それはあのクセのあるボーカルになるんだろうけど....
特に1曲目の
遥か彼方は、まさにこれ以上ないくらいの純度100%のロック!  バンド勢いをそのまま封じ込めたようなイントロとAメロが流れてくるだけで、気分が高揚させられてしまう。  その勢いが衰えることなくなだれ込む羅針盤、ヘンテコなAメロを持ちながら、サビでは明るく盛り上がっていくサンデイなど、収録曲は6曲といえど、良曲揃いのアルバムだ。

それにしてもアジカンのリズム隊は、ドラムだけやたら難しいことをやっているのだが、このアルバムで既に高度な変調を次々とこなしていて驚かされた。 ギター譜なんて、「馬鹿にしとんのか!??」と言いたくなる程簡単なんだけど・・・・

というわけでギターソロが徹底的に排除されているため、曲が必然的にイマイチ似通ってしまった、というのが欠点ではあるが、それを差し引いてもデビューアルバムにして実に完成度の高いアルバム。
(とはいえミニアルバムなので、点数は少し低めにしておきました)
ASIAN KUNG-FU GENERATIONアルバム感想

2004年初頭、満を持したかのようにインディーズからメジャーシーンに台頭してきたバンド。
OASIS、RADIOHEAD、ASHらUKロックのアーティストに多大な刺激を受けたという彼らは、
その匂いを持ちながら、よりパンキッシュで力強い曲を展開してくれる。 





1.未来の破片
2.君という花
3.フラッシュバック
4.N.G.S
5.電波塔
          /12曲
君繋ファイブエム 88
2003年 2ndアルバム

フラッシュバック未来の破片
というオープニングのこの怒涛の勢いには、最近のJ-POPのアルバムではなかなか感じられなくなってしまった程のパワーを感じさせられた。このアルバムを友達から聴かされた当初は、まだ「アジカン=君という花orサイレン」というイメージがあったため、びっくりして半分腰が抜けてしまった程でした。この後先考えず暴走するような勢い・・・・やはりギターロックバンドのアルバムのオープニングは、こうあるべきであろう。

というわけで、やはりこのアルバムのハイライトはオープニングだと思われるが、それに続くややパンク寄りの明るいメロディが良い
電波塔、サビがアルバム中最もキャッチーなアンダースタンド(でも発音は酷かった)、どんどん激しくなってゆく展開が魅力的な無限グライダーと、その後も耳になじむようなギターサウンドが心地よい佳曲が続く。

「後半ダレる」という意見が結構聞かれるアルバムだが、個人的には後半は魅力的なギターリフを持つ曲が多く、ダレる感はない。 ドラムマニアにもある
N.G.Sは、まさにその最たるもの。「中国風ギターリフ」なんて形容される辺りが興味深い。確かにそんな感じだけど.....
そして個人的にどうしても語っておきたいのが、10曲目の
E。 オアシスの名曲「Live forever」のギターソロの前半を、完全にパク・・・どころか引用しているので、最初聴いた時はぶったまげた。 メンバーのコメントを調べてみると、「オアシスのこの曲に刺激されて僕らはバンドを始めたので、引用してしまった」とのこと(^ ^;)  というわけで、良くも悪くもオアシスファンにとってはこの曲は印象に残る一曲。
終盤の
君という花も、シングル曲ならではの貫禄が感じられる、安心して聴ける名曲だ。

全体を同じ雰囲気で包んでいる、適度なマンネリズム感(?)が心地よい一枚。全体を通して連続で何回でも聴ける、ジャパニーズ・ギターロックアルバムの秀作。 




1.リライト
2.君の街まで
3.ループ&ループ
4.マイワールド
5.サイレン
          /12曲
ソルファ 71
2004年 3rdアルバム

君繋→サイレン→リライト と、とにかく順調に人気を伸ばしていった、アジカンのデビュー1stアルバム。 期待されたその内容は・・・

オープニングの
振動覚は、前作ほどの勢いは感じられないものの、まずは上々の出だしといった感じ。 2曲目からが怒涛のシングル構成で、現時点で最も売れた(13.5万枚)彼らの代表曲、
リライト
が放つ魅力は流石。 ロックの原始衝動を詰め込んだかのようなサビのシャウトが、この曲の全てを象徴している。 続く君の街までも、半分バラードで半分疾走曲のような曲調が心地よい。シングルクオリティ。 マイワールドがそれに続く・・・・というわけで、前半は文句なしのエネルギッシュなロックアルバムになっており、ここまでは良かったのだが、その後目に見えて失速する。
夜の向こうRe:Re:、真夜中と真昼の夢といった曲からは、それまでの彼らの曲に多かったパワーコードでのリフを避け、単音でのリフで魅力ある曲を作ろうとしているのが伝わってはくるが、残念ながら結局のところどれも似通ってしまっている印象。 やっとのことで曲が盛り上がったと思いきや、ボーカルが消えてそのまま終わってしまうラストシーンも、良い曲とは思えず。名曲になりうる
サイレンが、これらの曲に埋もれてしまった感があるのは残念。
個人的には君繋の時の勢いを感じさせる
24時が、唯一輝きを放っているといった感じですね。

J-ROCKシーンに台頭してきたギターロックバンドとして、BUMPとアジカンはよく比較されるが、この2バンドには実に色々な共通点があると思う。 どちらもインディーズ出身である点、インディーズ時代にミニアルバムをリリースしている点、それらが比較的高い評価を受けているという点、そしてブレイク後のメジャーでのアルバムが、あまり勢いの感じないものとなってしまっている点......  次回の彼らは「ユグドラシル」のような、メジャーに慣れた的な貫禄を感じさせられるアルバムをリリースしてくれるのでしょうか?(^ ^;)

あ、言い忘れたけど
ループ&ループはいい。