GRAPEVINEアルバム感想

「陰のトライセラトプス」とでも表現されるべき、日本におけるギターロックの隠れた名バンド。
地味ながら、ハマってしまうとその楽曲がなかなか頭から離れられなくなるような、不思議な魅力を持つバンドだ。
シングル曲は、オリコンチャートで常に初登場20位台をキープしている。




1.光について
2.望みの彼方
3.いけすかない
4.スロウ
5.25
          /11曲
Lifetime 76
1999年 2ndアルバム

シングルもウィークリーで30位入りをするようになり、徐々に人気が出てきた頃のセカンドアルバム。今と比べると随分派手に、というか普通にギター・ロックをやっている印象で、これなら「日本のオアシス」と呼ばれるのも納得できる。1曲目:
いけすかないの冒頭で、グルーヴ感溢れる演奏が流れ出した瞬間に、これこそギター・ロックの王道! と思わずガッツポーズをとってしまった。

で、そこから4曲目まで、グルーヴ感がありながらキャッチーさを失うことのない良曲が続きに続く。シングルカットされた
スロウ光については流石のデキ。特に光についてなんて、もしかしたらバイン最高の名曲なのではないだろうか。高く舞い上がるような素晴らしいサビメロに、叙情的な詩がのった瞬間には、涙すらこぼれそうになる。人生のなかで、この先何十年と付き合って生きたい名曲だ。年齢を重ねる度に、また多くの魅力を見出すことのできるような楽曲だと思う。

しかしながら、5曲目以降がどうも良い出来とは思えない。キャッチーでいて音の厚みも感じる
25白日望みの彼方といった良い楽曲もあるのだが、その直後に、余韻を持たせないままインスト、小品などが挿入される為、畳み掛けるような箇所が一切なくなってしまっているのがイタイ。ACIDMANのLoopなどは、4曲目までを徹底的にアップテンポな楽曲で固めていながらも、その後も違った路線で魅力溢れる楽曲を展開し続けていたのに.....
思うに、インスト2曲と、小品の大人(NOBODY NOBODY)をカットしていれば、もっとまとまりのある良い作品になったのではないかな。。
それでも凡百のギター・ロックバンドの作品に比べれば、一線を画したクオリティを誇ってますけど!