川本真琴アルバム感想 97年のデビュー曲「愛の才能」と共に売れ、るろ剣OPに抜擢された1/2が73万枚の大ヒットとなる。 しかしその後はリリースペースの遅さによって消えていき、01年に2rdアルバムを出して活動を休止している。 と思ってた05年夏、いきなりカネボウのALLIEのCMから彼女の歌声が・・・!! |
1.1/2 2.ひまわり 3.DNA 4.STONE 5.10分前 /10曲 |
川本真琴 | 78 | ||
1997年 | 1stアルバム | |||
愛の才能、DNA、1/2といったシングル曲から想像できる以上に、彼女の個性に溢れたアルバムとなっている本作。 「川本真琴=早口」というイメージを持っている人は多いだろうが、そういう人にとってもまさかこれ程早口で占められたアルバムになっているとは・・・・と驚くこと請け合いの一枚である。 一曲目、10分前の開始40秒でジャブが来る。 アコギに載せたなかなか聴かないようなリズムに、彼女のロリで感情を前面に押し出した歌詞が乗っており、この時点でかなり驚いてしまう。 続く愛の才能も、これまた欲求不満的な歌詞を羅列したアコギによる早口曲で、ハマる人はとことんハマってしまう楽曲。 ただ、これらを家族の前で聴くのはキツいっす..... 続くSTONEは、エレキを前面に押し出している辺りにも好感が持てる一曲。これまた「10分前」「愛の才能」を超えるような早口歌唱が爆発しており、聴いていて楽しくなってくるのだが、アルバム中で最も早口が爆発しているのは7曲目のやきそばパンだろう。 「今してる事みんなずっと覚えていられるかな 遊んで泣いてそんで知って 遊んで泣いてそんで知って」 という歌詞を3秒半で言い切る部分は、このアルバムのハイライトの一つと言いたい・・・(笑) というわけで早口で歌われる曲も充分に楽しめるが、やはり「名曲」と認定したくなるのは歌詞もメロディもしっかりしている曲である。 思わず聴いててじわっとなるDNAは、この後もJ-POPの隠れた名曲として聴き継がれていってほしい一曲。 歌詞の一つ一つに味があって、綺麗な情景が目の前に浮かんでくるような、ノスタルジックな詩と曲が融合したサビが最高。 ひまわりも、アルバム曲ながら「よくこんなに良い曲が作れるなぁ....」という感じで感心させられる逸品。 そしてラストを飾る1/2は、私にとっては最早神格化しまっている一曲である。 世代ながら実はるろ剣のアニメを見ていなかった私なのだが、この曲を97年のGWに某遊園地で流れているのを聴いた時、それはそれは凄まじい感動を覚えた記憶がある。 心に響いてくる歌詞と、それを完璧に表現している彼女のヴォーカルの巧さ。曲をどんどん盛り上げていくノスタルジックなAメロとBメロ、素晴らしいサビには、今でも聴く度に魅了されてしまう。 で、遊園地で流れていたこのメロディーは、その後一度も聴くことがなかったながら、4年半に渡って私の心に留まり続けたのである。そして01年秋、J-POPファンとなった私がMステのスペシャルを見ていた時に、この曲を歌う川本真琴の映像が流れ、「こ、この曲、川本真琴ってアーティストの1/2って曲だったのか!!」と驚き、改めて聴くに至ったわけである。 アルバム全体でみると、退屈で間延びした曲も2曲ほど入っており、それが有無を言わさず突っ走っている勢いを止めてしまっている感はあるが、名曲も多い良盤です。 ブックオフでいつも250円で売っているので買ってください。 |
1.桜 2.雨に唄えば 3.ギミーシェルター 4.微熱 5.TOKYO EXPLOSION JP /11曲 |
gobbledygook | 83 | ||
2001年 | 2ndアルバム | |||
前作から3年と8ヶ月のブランクを挟んでリリースされた、セカンドアルバムにして現時点での最新アルバム.... とりあえず実験作。まぁ彼女の性格と、発売されたシングル曲から考えればこうなることは容易に想像できたのだが、やはりそこは3年8ヶ月という長い期間があっただけあり、ほとんどの曲が実験を匂わせつつ良いデキとなっているのも保障できる。 まずオープニングのギミーシェルターがいきなり激しい。 曲がったギターの轟音がガーガーと響き渡り、彼女が好き放題にシャウトしまくる曲なのだが、でもこれが実に面白い! 更にこのアルバムには他にもブラウンシュガーと、タイトルをrolling stonesの有名曲から拝借したのか?と思わされる曲があるが、この曲に至ってはサビが同バンドの「Get off of my cloud」に似ているという感すら... このあたり、興味深いところっす。 その後もアラビアチックなキャラメル、不思議な感じのOCTOPUS THEATER、月の缶など、聴き応えのある曲が続く。 更に驚くことに、「桜」が終わったあとの13曲目以降からどんどんテンションが上がっていく。TOKYO EXPLOSION JPも雨に唄えばも個人的には好きですね。特にあの「雨に歌アァ〜エバァ〜」の歌唱法にははまってしまった。 因みにこういった実験作気味の曲とは違って安心して聴けるのは、やはり既発のシングル曲。 特に98年4月に発売された桜は、まだまだ脂が乗っていた時期の、彼女を語る上で外せない名曲。「DNA」「1/2」の流れを見事に引き継いでおり、「卒業証書をかえっこしよう」「授業抜け出した」とか、歌詞に青春時代を象徴するようなピースが散りばめられていて巧い! あーもう、あらゆる意味で懐かしくなってきますね。これもJ-POPの隠れた名曲。 というわけで、個人的にはファーストより更に楽しめる一枚でした。 色々な音が入っているといってもそこまでノイジーな印象は無いですし、桜も収録されているのでぜひ聴いてください。 |