Mr.Childrenアルバム感想

90年代中盤からのJ-POP界を代表しているアーティスト。
桜井の描く曲のメロディーはキャッチーさと面白さを伴い、売れるのも納得できるが、
それより更に詩に魅力を感じてファンになっている者も多い。  因みに私の一番好きなアーティスト。




1.innocent world
2.CROSS ROAD
3.Over
4.DANCE DANCE DANCE
5.ラヴコネクション
          /10曲
Atomic heart 92
1994年 4thアルバム

現在でも累計売上が歴代11位にランクされる、ミスチルの一時代を築いた名盤。
それもそのはず、収録曲はどれもロックとポップの両方の側面を持っており、聴いていてとにかく気持ちよいのだ。それはそれで良いと言う人も多いが、まだまだ青さの残る「Kind of love」、ひたすらヘヴィな「深海」、やたらポップな「It's a wonderful world」など、クセモノ揃いの彼らのアルバムの中で、本作が最もどんな人にも受け入れられる作品となっているのは間違いない。

オープニングから続けざまにくるロック・チューン、
DANCE DANCE DANCEラヴコネクションがいきなり良い感じ。桜井の描く詩に、アイロニックなユーモアが登場し出したのもこれらの曲からで、ラブコネクションの「なんだかんだ言ったって老いてく君の美貌も〜」の部分など、曲の盛り上がりに併せてとても気に入ってます。
中盤に配置された、ちょっと神秘的でダークな感のあるジェラシーAsiaは流石に聴く人を選ぶし似通ってるかな、という感はあれど質は高い。ジェラシーにはCメロまであるし。
そして後半は、またしても一般的に評価が高く、アルバム曲ながら一般的にも有名な曲のオンパレード! 
雨のち晴れは、淡々とした曲展開が・・・・つまらん。しかし歌詞とあまりにハマりすぎ、何度も聴くうちに同情するように良さを感じるようになった。いや、いい曲っすよコレ。 逆に曲展開も歌詞もクールなRound About〜孤独な肖像〜も勿論良いです。

しかし、それらの曲の何倍もの輝きを感じる名曲が最後に待ち受けている... 失恋ソングの最高峰、
Overである。 優しい感じのイントロから、歌詞がかぶさってきた時点で泣ける。さりげないように展開していきながら、Cメロもある構成も完璧。愛しい人よさよなら・・・・

そ し て

流石にシングルの2曲は格が違う。圧倒的名曲。このアルバムのブレイク作とは思えない安定感は、この2曲がどっしりと構えているからでしょう。

しかしこう見ると、良い曲が面白いようにベストに収録されてますね(^ ^;) あれでかなり用が足りてしまうのかも・・・ファンの人、おこらないでね。




1.名もなき詩
2.花―Memento-Mori-
3.深海
4.Mirror
5.シーラカンス
          /11曲
深海 93
1996年 5thアルバム

J-POP史に残るコンセプトアルバム。 様々な曲を通して、時にはアイロニックに、時にはストレートに人間の「陰」の部分を次々と描きだしてゆく。よって決して気軽には聴けない問題作として認知されているが、私自身、初聴の頃は「おお、確かに暗くて深いアルバムだわ〜」などと感心する余裕があったのだが、何度も聴きこむうちに、心の底からこのアルバムの暗さに巻き込まれていく感じがした。そして、この一枚がどれだけの力を持ったモノかを理解できるようになってきた。 最近では本当に落ち込んだ時に聴くようにしています。心の底まで落ち込むことで、その後元気になれるってこと・・・ありませんか? 


本当に深く、深くに突っ込んでゆく感じがあるアルバムだ。 最初のインストで「Dive」し、続くシーラカンスで早くも深くへ潜り込んでゆく。イントロからの世界観の構築振りは本当に凄いと思わされた。アルバムは途切れることなく手紙へと続き、泣かされる。 続くありふれたLove storyも、やはり非凡なセンスに溢れた曲。 
後半も痛烈に、ストレートに社会を批判した
So let's get truthまさに問題作のマシンガンをぶっ放せ、大作のゆりかごのある丘で、最後で半ば狂ったかのような転調をする、どれも聴いていて心が痛んでしまう。

しかし、ただ暗い歌がひたすら積み重ねていくだけのアルバムなら、ここまでの高評価を受けることはなかっただろう。このアルバムが本当に素晴らしいのは、数少ない明るく素晴らしい曲が、一筋の光のように所々に点在しているからだ。
Mirrorなど、まさにそんな小品。純粋に好きな曲の一つだ。 名インストから続いてスピーカーから流れてくる名もなき詩は、何もかもが素晴らしい最高傑作。
そして終盤に待ち受ける
は、アルバムを締めくくるのにこれ以上ないくらいにふさわしい楽曲。負けないように 枯れないように 笑って咲く花になろう・・・  
アルバムは、最後の
深海での激しい曲調の転調後の、桜井の「連れてってくれないか!!」という絶叫を残して幕を閉じる。 ファンこそが認める、最高の幕切れだ。




1.es〜Theme of es〜
2.Everything(it's you)
3.Tomorrow never knows
4.シーソーゲーム
5.ALIVE
          /11曲
BOLERO 64
1997年 6thアルバム

ミスチルの活動停止直前に出された一枚。なんとうち5曲がシングルがミリオンヒットを達成しており、いわゆる「半ベスト」的な作品。 しかし桜井は深海を「陰」、本作を「陽」として位置づけてリリースしたようだが、それにはかなり無理がある作品。 まぁ当時の彼の心理状態で、「陽」なるアルバムを作ることなど不可能に等しいことなのかもしれないが・・・・。

3曲目の
タイムマシーンに乗っては、Bメロの不安定な音程がなんとも面白い佳曲。しかしその歌唱法はまさに深海そのまま、Atomic heartの頃の聞きやすさはもはや皆無である。 続くBrandnew my loverなど、サビが「fuckする豚だ〜♪」だし、7曲目の傘の上の君に捧ぐも、曲全体が重い空気で包まれている。一体このアルバムのどこが「陽」なのだろうか。

と思えば、Tomorrow never knows、es、シーソーゲームなどの2年以上前にリリースされたシングル曲は、文句無しに明るい曲となっている訳で、つくづく、アルバム曲とシングル曲が分離している作品だなと実感させられる。
唯一、終盤に待ち構える
ボレロが、暗さと明るさを両立している曲で心強感じ。。例のクラシック名曲に通じるものも確かに感じるし、ベスト盤未収録の曲では、このアルバムの中で一番ではないだろうか。

Tomorrow never knowsが最後に収録されたことについて、桜井は「この曲はどこにも入れようが無かった。まぁボーナストラックとして聴いてください」などと投げやりな発言をしていることからも、このアルバムのまとまりのなさが分かる。 ベストを聴いた人なら、ファンであってもレンタルで充分じゃないかなぁ....




1.終わりなき旅
2.I'll be
3.Image
4.光の射す方へ
5.Prism
          /11曲
DISCOVERY 87
1999年 7thアルバム

一枚のアルバムとして、彼らのアルバムでは深海に次ぐほどの世界観が作り出されている作品。 キーワードは「陽と陰のコントラスト」 白黒のジャケットはまさに最高のデキで、このアルバムの内容を端的に表していると思う(パクりだとかうるさく言われてるが...)

オープニングの
DISCOVERYは、かなり暗く味わい深いスルメ曲。その空気は光の射す方へに受け継がれ、そのままPrismへと流れる。「ネガティブ過ぎる」という意見もあるようだが、小粒ながら完成度の高い曲だと思う。 
そしてそのネガティブな感情は、4、5曲目のアンダーシャツ
ニシヘヒガシヘで殆ど壊れたような状態に変貌する。 そしてニシヘヒガシヘが、唐突な形で終わりを告げた直後・・・
Simpleの優しいイントロが流れ出す・・・

この変化が、一枚を通してこの作品を聴くときに大好きな部分である。桜井が悩んで悩んで、ミスチルを活動休止にして、再開してもどこかでまだ続いていた鬱状態から、やっと脱出できた瞬間というか、そんなことを感じさせられた。

その後の楽曲は、壮大でミスチル史上に残る楽曲が続き、個人的にも生涯の名曲となるであろう楽曲ばかりなのである。 全長9分の
I'll be
は、間違いなくミスチルを語る上で欠かせない曲だろう。少なくとも歌詞だけをとれば、終わりなき旅、名もなき詩に次ぐものであると誰もが認めるに違いない。 起死回生で毎日がレボリューション・・・・ いいことを言うぜ!!!
史上最高の名曲、
終わりなき旅に続いて、最後は静と動を秘めた天才的な曲構成をもつImageでアルバムは幕を閉じる。 当初曲目を見た時は、終わりなき旅が最後に来ればよかったのに・・・などと思っていたが、なる程この曲なら納得だ。

というわけで、この3大大曲を軸にした素晴らしいアルバムだと認知したいところだが、実際のところは2曲、どうしてもミスチル最低レベルとしか思えない曲が紛れ込んでいる・・・。アンダーシャツ#2601である。特に後者はある位置が許せない。何故I'll beの後にこの楽曲が来るのか、と。そのせいで、このアルバム中の「陽」と「陰」の変化が訳分からなくなっているような感すら。 これが唯一にしてかなり大きな減点対象....