Mr.Childrenアルバム感想

90年代中盤からのJ-POP界を代表しているアーティスト。
桜井の描く曲のメロディーはキャッチーさと面白さを伴い、売れるのも納得できるが、
それより更に詩に魅力を感じてファンになっている者も多い。  因みに私の一番好きなアーティスト。




1.口笛
2.NOT FOUND
3.ロードムービー
4.Center of universe
5.つよがり
          /13曲
Q 95
2000年 8thアルバム

とにかくヘンで濃ゆいアルバム。桜井がやりたいことを、売上やリスナーのことをあまり(多分)考えないでやり尽くした一枚で、早口で歌いあげるCenter of universe、歌詞のエロさが気になるその向こうへ行こう、訳が分からないがとにかく盛り上がる
Halelujaそしてミスチル屈指の怪曲である12月のセントラルパークブルース、更には桜井が漫談を始める友とコーヒーと嘘と胃袋まで、ヘンな曲を挙げたらきりがない。 だが裏を返せば一つ一つの曲にこれでもか!という程に特徴付けがされているわけで、結局のところ13曲という長丁場ながら全く飽きることの無い素晴らしいアルバムとなっていると思う。 桜井独特のギャグセンがツボにハマってしまえば、とことん好きになってしまう一枚だろう。特に「12月〜」と「友と〜」の2曲! 私は爆笑してしまいました。

ヘンな曲が多いからこそ、純粋なミスチルっぽさを味わえる曲が他のアルバムより引き立っている感もある。 ベスト収録の
つよがりもさることながら、9曲目のロードムービーがよすぎる。 純粋に恋愛について歌ったアルバム曲では、「Over」以来の大傑作といって差し支えないと思う。「街灯が二秒後の未来を照らす♪」という歌い出しの歌詞のみで名曲といいたいが、物寂しげでノスタルジックなメロディが更に神懸り的に良い。何故この曲が「隠れた名曲」などと呼ばれているのだろうか....

そしてシングル2曲は、自分の今まで聴いてきた全ての楽曲の中でも最上位に君臨する超名曲。特に
NOT FOUNDを抜いてミスチルを語ることは個人的に不可能だと思う。

流石にあまりに多くの部分でアクセントがつきすぎてる一枚かな、と感じてしまうこともたまにあるが、個人的には実に曲の層の厚い名盤だと思います。




1.蘇生
2.Youthful days
3.It's a wonderful world
4.優しい歌
5.LOVEはじめました
          /13曲
It's a wonderful world 75
2002年 9thアルバム

Qとは正反対に、ポップなサウンドを前面に押し出したアルバム。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」というのはちょっと言いすぎかとも思うが、桜井がこの時期に作り上げた様々な曲を、コンセプト云々を気にせずに自由奔放に詰め込んだ一枚といえるだろう。全長70分。長い。。。

長調、短調、ヘンな曲、純粋なラブソング・・・様々な曲が収録されているが、凄いと感じるのは全曲が冒頭の「Overdrive」に通じる音色を持っているということだ。形容するのは難しいが、どこか陰のあるクリアなサウンド、というのか・・・。あまり指摘されないことだが、渇いたkissファスナーをはじめとして、何気にこのアルバムのアルバム曲のどの楽曲も、本作以外に入っていたらかなりの違和感を感じると思う。 そしてAnyがシフクノオトに入っていることに、少し違和感を感じたのも僕だけではあるまい。やはりその制作時期からか、あの曲はやはりこのアルバムに近い音色を持っていると感じました。

素晴らしいインストに続き、田原のエレキの一音で幕を開ける
蘇生
は、ミスチル屈指の名曲の一つだ。解放的で聴いていて気持ちよいメロディと音色、中盤以降のどんどん盛り上がってゆく曲構成、もちろん素直に格好良いと思える歌詞も素晴らしすぎる。
その後もクリアでポップで聴きやすい曲が続く。桜井のユーモアセンス溢れるOne two three(イノキ...、メランコリックなメロディがツボにハマる
ファスナー(歌詞エロいな...)、サビが桜井のシャウトで成り立っているbird cage(叫んでるのに聴きやすい....)、そして世界観の構築振りに感心するLOVEはじめました(これ聴いてるとワールドカップに湧いたあの日々を思い出す...)、すっかり人気曲となっているDrawing(自分的には退屈なんだけど....)などなど。
終盤の展開もなかなかなもので、ラストの
It's a wonderful wolrdは、今まで聴いたこともないような絶妙な音色を持つ名曲だと思う。単体では謎なだけの楽曲:Dear my friendも伏線となって利いていますね。
捨て曲らしきものもいくつか入っているが、次々と聴きやすい曲が流れ出す、玉手箱のような一枚だ。




1.HERO
2.PADDLE
3.天頂バス
4.くるみ
5.タガタメ
          /12曲
シフクノオト 98
2004年 10thアルバム

最高傑作。(05年11月時点)

全く穴を感じさせず、キャッチーでいて貫禄のある12曲がズラリ。このクオリティの高さは、まさにラルクのTrue、B'zのRUN辺りと並んで、邦楽史上の最高傑作と言うに値すると思う。シングル曲は4曲、CMにタイアップがついた楽曲が2曲、他にも6分を超える大作が2曲、純粋なラヴソングあり、ヘンな曲あり・・・というわけで、ミスチル史上最も華やかなアルバムと言ってよいだろう。非常にバラエティに溢れた一枚で、Qほどひねくれていず、かといってワンダほど丸くなっているわけでもない、そんな空気が実に丁度良い。こんなアルバムを待っていた、というファンも多いことだろう。

コアなファンとライトなファン、両方に気に入れられるようなアルバムではないだろうか。完全にシングルレベルの素晴らしい名曲
PADDLE、壮絶大作タガタメをアルバム曲の2枚看板として配し、純粋なラヴソングである花言葉、様々な方向へ転調し続ける天頂バスといった楽曲も、充分に名曲に値するクオリティを誇っていると思う。

アルバムとしての一連の流れを読んでも、非の打ち所のない展開だと断言できる。勢いある曲でスタートし、「くるみ」→「花言葉」の流れでは心が和むが、「PINK」「血の管」と暗の方向へと向かう。しかし「空風の帰り道」で明の方向へと向かい、「Any」によって終盤の怒涛の展開へと繋がって行く・・・。
一聴した時点から満点レベルの素晴らしいアルバムだと思っていたが、このアルバムは、通して聴くにつれて更に魅力あるものとなりました。




1.Worlds end
2.ランニングハイ
3.sign
4.潜水
5.跳べ
          /13曲
I ■ U 71
2005年 11thアルバム

最早2年にまで間隔を空けるようになっていた、彼らのアルバムのスローなリリースペースを経ち、前作から1年半でリリースされた11thアルバム。全13曲ということで、ボリュームも充分、といった感じだ。

オープニングの
Worlds endは、6分超えの大曲ということで「第二の蘇生」という程までに期待された楽曲だが、その期待に応えるだけの素晴らしさがある。 壮大なアレンジをバックに、随所に素晴らしいメロディが展開する。個人的にすきなのがBメロで、微妙に哀愁が感じられるあたりがツボにきた。「蘇生」は、随所に鳴らされる田原の「ジャカジャーン」というギターの音色が素晴らしかったが、この楽曲は淡々とリズムを刻むJENのドラムが最高だ。

というわけで、私的ベストトラックは文句なしにWorlds endなのだが、シングル曲の
ランニングハイsignもそれに次ぐ名曲。前者は歌詞と楽曲の怪しいハマり具合に変な魅力を感じるし、後者はまさに往年のミスチルバラードの名曲、って感じ。 がしかし、未来and I love youが私はあまり好きではない。特に未来はサビ外とサビのメロディがどう考えても分離していて、明らかにCM用に作ったって感が.... 両者とも聴かされ過ぎたこともあり、飽きてしまった。

アルバム曲はと言うと、これがまた近年稀に見る地味な曲の多さ。派手なのは前途のWorlds end
跳べのみじゃないだろうか。でも後者は相変わらず歌詞のリズムと楽曲がちぐはぐなミスチルならではの楽曲だが、それなりに良い感じ。更に僕らの音靴ひもCandy隔たり、なんかも、地味なりにまぁまぁな曲だ。ラストの潜水に至ってはは、深海と同様の中毒性が感じられる。今後隠れた名曲と化していきそうな楽曲の一つだ。 一方、どうしても気に入ることのできないのが他の2曲.... 

全体的に地味めなバラードが多くを占める一枚だが、どれもそれなりに聴かせてくれる楽曲だと思う。ロック色が大きく後退してしまったのが個人的には非常に残念なのだが、相変わらず桜井の才能は非凡なものだと思わされた。