宇多田ヒカル

宇多田ヒカル・・・ これほどJ−POPに衝撃をもたらしたアーティストも記憶に無い。
時は99年3月、この宇多田ヒカルのファーストアルバム「First Love」が発売された。その売れ方といったら・・・常識と言うものを遥かに超越していた。その前の2シングル「Automatic」、「Movin’on without you」で既に大ブレイクしていたのだが、それにしてもこのアルバムの滅茶苦茶な売上は何だったのだろうか・・・ 累計で764万枚。日本の16人に1人が持っている計算。
当然のことながらワイドショーなどの取り上げ方も尋常ではなく、当時同じようにブレイクしていた鈴木あみ、Dragon Ashのそれも霞んでしまう程であった(DAはラップというJ−POPの新境地開拓で、また一歩違う角度から取り上げられていた感もあるが)。
そして今の音楽界においても、年間必ずトップ3入りを果たすという、まさに「別格」に位置するアーティスト。そんな量り知れない魅力を放つのが、この宇多田ヒカルである。..

曲名 売上 評点 レビュー
Automatic 206.3 衝撃的過ぎる曲。15歳でコレを作ったと言うのがまず考えられない事実なのだが、歌詞と曲の微妙なハマり方、後ろで流れる絶妙なデジタルサウンド・・・など、当時のJ−POPでは革命的な曲だったという記憶がある。「なっ、なかいめのベ、ルで受話器をとった〜」とか・・・凄くハマる。
彼女の歌唱力もこの時点で神がかかっており、正に伝説の名曲。
Movin’on without you 122.7 これは歌詞の面でさすが、と思わされた曲。
First Love 83.4 神的名曲。英語の部分も曲も素晴らしすぎる。ラストの転調、裏声などなど、ハマらせる演出が冴えまくってる。ちょっと考えるとどういう初恋だ、と思わせる歌詞がまたかっこいいんだな。
Addicted To You 178.4 で、あの伝説1stアルバムから半年余りが経って発売された曲だが・・・初動106万。ミスチルの「名もなき詩」に次ぐ歴代2位。
この事実で国民全員が「宇多田は本物だ...」と確信したことであろう。だが曲の方は、僕のツボにハマらず。
Wait&see〜リスク〜 166.2 HA−A−
For you 88.9 やはりサビの魅力が弱い? いまひとつ印象に残りにくい。
Can you keep a secret 148.5 で、この曲で年間1位を奪還。曲の完成度が高すぎて、今更何を語ろうとも思わなくなってきた・・・
FINAL DISTANCE 58.2 アルバムからのカットでこれ程売れる(年間20位)ってのは、やっぱり凄すぎると思う。まぁ別バージョンではあるが、アルバムよりオーケストラがかってて良いです。一番までは完璧だと思うのだが(教科書に載っているらしいし...)、ラストが繰り返しすぎ、って感は否めず。
traveling 85.6 またしてもここにきて、新境地を開拓してきた。この計り知れないパワーは本当にどこから来るんだ・・・? 
とにかくPVといい、曲の未来的な感じといい、斬新さに満ち溢れた曲になっている。 最初の「仕事にも精が出る♪」からして面白い感覚が味わえる、個人的にも宇多田で最も気に入っている曲のひとつ。
しかしこの斬新さに国民はついてゆけなかったらしく、初動は27万と低迷した。でもその後の順調なロングヒットで、充分な累計売上に。
59.8 別に・・・
SAKURAドロップス 68.7 この曲に至っては、個人的には凄く「無理やり音程を引っ張りだしている感」があるのだが。特にサビの音程とか、無理してつなぎ逢わせた、って感じがする。 
と言うと、周囲から批判を浴びるのは事実です。
COLORS 88.1 悪くはないが地味。Aメロの演歌っぽさも激しく気になるが、結局年間3位を獲りました。ダンナとの共作PVは華麗。
誰かの願いが叶うころ 35.7 いい曲だ、宇多田らしいデジタルサウンドを排除しながら、荒廃的なピアノの音と彼女の素晴らしい歌唱力の光る、素晴らしい完成度を誇る曲だ・・・・・・・

と言いたくなる感じの曲だが、本当のこと言うとやや退屈...
Be my last 最早壮大なギャグと思いたくなってしまう一曲。あれだけ国民が待ちわびた日本での復活第一シングルが、歌い出しでいきなり「かあさんどうして〜ああああ〜」、サビで「be my last〜」と「ああああああ〜」しか言ってない楽曲だなんて、いくら宇多田でもこれは自身を過大評価しすぎでしょう。ナメてるとしか思えない。
実際、大コケした訳だが。
PASSION またしても一般ウケしない曲だが、ひたすら閉鎖的なBe my lastよりはずっとイマジネーションが感じられて、何度も聴けるような曲になった。サビの歌詞は全然好きじゃないが、今の日本でこんな楽曲を作る人、なかなかいないわけだし。
がしかし、売上の面では前作の衝撃を更に上回るような・・・ことに・・・
総評 ・・・危険




03,12,28review