ナビの北海道旅行記1997 | パート1 |
序 章 |
1987年のツーリングも無事終了した。納沙布岬や知床峠も走破した。宗谷岬も行ってきた。ナビはこれで北海道の旅は終わったと思った。そしてバイクもおりた。一つの時代の終わりでもあったわけだ。 |
ナビにはこれが天命かと思った。 なぜならば、その時に10年前の思い出が走馬灯のようによみがえってきたからだ。 知床、阿寒湖、宗谷岬、礼文島。行ってみたいなあ!それが結論だった。 さっそく同僚に誘いを承諾した。 但し10年バイクを乗っていないし、、ということで同僚O君の懇意にしている大島輪店を紹介してもらって、バイクを購入。確実に北海道への布石を進めていくことになる。 時は8月。準備まで半年ある。またソロツーリングは経験あるけどツインでのツーリングは初めて。 そこで何度か討論の末、最初と最後だけ併走で走るけど、あとはソロツーで行こうというコースになった。もっともO君も自転車で北海道を走った経験があるらしいから問題はないだろう。 ただしお互いの無事を確認しあうために正午と午後6時だけ電話で連絡しあう事にきまった。 |
それでは旅の始まりで〜す。
8月1日 |
今日は仕事だ。でも今日まで。仕事が終わったら北海道の旅が始まるのだ。もうツーリングなんて10年行ってない。出張や社員旅行などで札幌には行ったことがあるけど、所詮プライベートではない。それに札幌から離れていないので北海道という感慨には浸れない。まさか俺にこんな事があるとは1年前考えたであろうか?などど思いつつバイクに荷物を載せてネクタイ姿のライダーが発進。そう、今日の会社が終わったら、そこから出発することになっている。そして仕事、、、、、、 |
PM6時定時で出発!、、、、て訳にはいかなかった。先月営業所の売り上げ目標達成を祝して打ち上げ会があるのだ。これはO君も同席。でも会場が居酒屋なんだよね!ビールで乾杯!で始まったんだけど、ビールが飲めない!あ〜バイクじゃ飲めな〜い!目の前で「マテ!」をされた犬の気持ちがよ〜くわかった。後輩がビール注ぎにくるんだけどジュースで乾杯。空しい。酒飲めない人が宴会つまらないってのを身をもって感じた。シラフを通してお開き。辛かった!O君も飲んべえ〜だから辛かったろう。9時過ぎやっと出発。船の出港は11時59分だから11時前に埠頭に到着すればいい。あまり夜の都内を走ったことがないので多少戸惑ったが途中コンビニに酒を購入しながら10時30分位には東京フェリーターミナルに到着。 さっそく乗船手続きをする。本日はキャンセル待ちは空きゼロだって!へ〜すごいや!待ってても乗船できないのね!今回利用するのは日本近海郵船フェリーのブルーゼファー。1万トン以上の大型フェリーだ。何か10年前にツーリングしたってのは、単なる時代の出来事であって、新鮮に思えてくる。職員の誘導に沿って自分の乗船開始。ただでさえ大型フェリーだから乗船口も高い位置にある。スロープが急坂に見えて少し躊躇するが低いギヤで走りきる。所定の場所に止めて船室に向かう。自分たちの部屋は寝台であるので場所の確保ができる。実際寝台を利用するのは初めてだ。10年前は寝台なんてなかったのに。なかなか快適である。スウェットに着替えて甲板に行く。出航のドラが鳴ってユックリ動き出す。もう気持ちは釧路にいるみたい。さて売店で生ビールを買い海風の中飲む。旨い。さっきの飲めなかった分ペースが速い。 時間も深夜だ。ビールの酔いも手伝ってか睡魔がおとずれた。でも個室のベットだから隣とかを気にする必要がない。ゆっくり休めた。お休みなさ〜い!zzzzzzz |
8月2日 |
朝8時前、軽いBGMに起こされた。でも楽だ。仮に寝返りうっても迷惑はかからない。O君が朝食食べに行きましょう!ってんでレストランへ!軽いモーニングとコーヒーで朝食にする。実にリッチな旅だ。コーヒーを飲みながら「テイスティー!」なんて言ったら後ろから石でも飛んでくるかな?今日は何もすることがない。出発前に単行本を2冊買っているのでそれでも読もうか! エントランスに行って航路板を見る。え?〜まだ銚子の犬吠崎沖じゃん。まだまだだ。確かに房総半島をグルリと廻るわけだからしかたがないか。甲板に行くと遠く陸地が見える。多分大洗沖かなあ?でも天気がいい!さっそく本を持ってアッパーデッキに行く。それと缶ビールを持って!。今日はバイクには乗らないから酒びたりになれる。あ〜気持ちいい。少し睡魔が襲ってくる。時々ウトウトする。とて〜も極楽を感じる。 お昼前だったか、「スイマセ〜ン!」って話かけられた。キャビンクルーの人だ。何でもこれから、この甲板で大学のブラスバンドのミニライブがあるので、ビーチ用のベットを片付けているそうな、、、。それで自分も邪魔だったらしい。失礼! やがて通路を軽快な音楽に載せてブラスバンド隊がやってきた。総勢30名くらい?みんな正装してバトントワラーの女性を先頭に演奏していた。自分もこういうのは嫌いじゃないから見入ってしまった。上手いもんだ。みんな知ってる曲としてサンダーバードを演奏してくれた。それも軽快にテンポを刻んで狭い甲板ながらも行進している。やがて演奏しながら退出していった。でもこの人たち何処にいるんだろう。これだけのために乗船している訳じゃないでしょうに。 昼前にO君が風呂行きませんか?って誘ってくれた。それもいいねえ!ってことで風呂に行く。丁度半端な時間だから空いていた。銭湯じゃないから5人も入れば満員になるくらい小さい。湯船に入るんで足を入れたとたんギャオ〜!!アチ!熱い!。甲板で寝てたから日焼けしちゃったみたい。O君も同じ。シャワーを浴びるのが限界。参ったな〜。(しばらくこの日焼けが後にひびきます。) まあ!少しは落ち着いた。やがて昼食。別に腹減った訳じゃないけどレストランへ。できばえのカレーライスを食べる。何か今日は寝るか食べるか読書してるか、どれかだな!でもこんな何もないってのもいい経験かもしれない。 あとは読書しながら時々寝て、、、飽きてくると船内を見学したりして時間をつぶす。陽も落ちて夕闇になると夕食。あまりヘビーな物は食べられない。ただビールをO君と乾杯し明日からの旅の成功を祈る。明日は7時には下船だから5時過ぎに起床になる。 食後フロアーで明日の予定を組む。下船後、釧路湿原を見てそのまま東進して霧多布と納沙布岬をみてモシリバという徒歩宿に行く。その途中で観光地があればその都度観光する。という予定。あえてギチギチに決めないほうがいいと言うことになった。そのあとベットに潜り込み早めに就寝しよう。本を読んでいたらいつの間にか寝てしまったみたい、、、zzzzz!! |
8月3日 |
朝はおはよう放送で目覚めた。洗顔を済まして外を見に甲板デッキへ。ちょっと霧が気になる。時間は6時過ぎ。丁度団体さんのおばちゃんと目が合い朝の挨拶をする。何でもこのおばちゃんの団体さんは2泊のフェリーで釧路に上陸後阿寒湖で宿泊してまたフェリーに乗る4泊5日のツアーだとか!何だか5日も使って道内2日なんてのも強行なツアーだねえ!でも金額はかなり安いらしい。一旦ベットに戻り着替えをして荷物を片付ける。バイクは案内放送があるまで待機するらしい。 7時過ぎ、案内放送が出たのでバイクを止めたブースにいく。後方に荷物を積載し船から下船。やって来たよ〜北海道。それも一気に釧路だよ〜!まずはコンビニに入って軽く朝食を摂る。俺はおにぎりとパンで済ましたのにO君はドライカレーなるものを朝から食べてた。すごく胃に悪そう。でもこの中の使われている肉が十勝牛かもしれないじゃないですか?だって!そんな事はありえないよね! 一休みして道々53号線に入り釧路市湿原展望台に向かう。案内板があるので特に迷うことはなかった。展望台で湿原を見る。でもちょっと期待していた湿原とはイメージが違う。湿原って川の蛇行があるもんだって思っていたんだけど、ただの広場って感じ。もしかして遊歩道を歩けばあるのかも?って思い遊歩道を歩く。でも草が生えている雑木林の中をただ歩くぐらいで展望はよくない。なんで?こんなところに遊歩道があるの? 途中休憩すると3人の男性が歩いてきた。彼らはライダーでツーリングの途中らしいけど根室方面から来たとの事。丁度自分らのコースの逆である。自分たちはこれから根室方面に行くんだけど、何かお勧めはない?って聞くと、厚岸の道の駅の2Fでは炭火バーベキューが安価で食べられるって教えてもらった。これは知らなかった。いい事聞いた。それと納沙布岬に行ったら灯台の近くに鈴木商店ってのがあって、面白いおっちゃんがいるよ!って教えられた。なるほど!行ってみようか!結局遊歩道は何もなく終わってしまった。時間の無駄だったかも! 今度は建物の中に入る。入場料を払って湿原の歴史?みたいなのを展示してしている。でもあまり見るのはなさそう。屋上の展望台で改めて湿原を見る。何枚かの写真を撮って出発。道道53号線を戻って釧路市内を通過し厚岸に向かう。 |
走りながらO君に「写るンデス」を渡して走行の写真を撮ってもらう。でも彼も前は見なくてはならないからへんな写りになっちゃった。でも以前ここは走ったことがあるんだけど、こんなにいい道だったけ?って思う。以前は250ccだったけど今回は400ccだから少し走りに余裕がある。厚岸の市街地に近づくと再度海が見えてきた。薄曇りだけど雨が降る感じはなさそう。さっきの霧もどこかに消えていったみたいだ。 |
道の駅厚岸の看板を発見。ほどなく道の駅に到着。さっきのライダーが言っていたバーベキューを堪能しようか!と思い2Fに行く。一つはレストラン「コンキリエ」もう一つが炭火「アブリ屋」。こっちの炭火のほうだけど、まだ開店まで30分あるみたい。 時間はまだ11時くらいなのでちょっと時間をつぶす。そして今日の宿泊を予定していたトホ宿「モシリバ」にTELする。今日は空きがあるらしく受け入れてくれた。実はここにしたかったのはバイク屋でのお客さんのSさんに「モシリバ」はいいよ!って教えてもらったからだ。やっと時間がきたらしい。開店だ。ここのシステムは、まずステンレスの小さなトレイに自分の食べたい食材を入れて炭火料金300円を払って自分で炭火で焼いて食べる。俺は牡蠣やホタテ、イカなどの海鮮物と野菜をチョイスして1000円くらい払った。O君と2人で同じ網焼きで食べる。すごく美味しい。窓際で厚岸湾が見えてきれいなロケーションだ。 |
自分らの隣ですんごい量の牡蠣を食べているお兄さんに話しかけられる。彼はワンボックスの車で寝泊りをしながら一人で北海道の旅をしているんだって。すごいなあ!宿代はかからなくてもガソリン代やらで結構お金かかるだろうに!自分のカメラで2人の写真を撮ってもらう。ちょっと逆光だったかな?でもこのお兄さんは昼前からビールなんか飲んじゃって大丈夫だろうか?(写真の生ビールはその人のです。自分らではないです。念のため!)結構満腹感がきたところで店?を出る。さて今日の宿も決まったことだしユックリ霧多布でも行きますか?1F 受付のお姉さんに霧多布へ行きたいんだけど、分かりやすい道を教えてください!って聞く。そばの赤い橋(厚岸大橋)を渡って道なりに走ればいいですよ!ってんでGO! |
そこそこ走りやすい道だ。適度にコーナーがあって楽しい。でも国道から離れるとすご〜く車がいない。こんなところで事故ったら大変だろうな!今はO君がいるからいいけど。でも霧多布って、まだ40kmもあるんだ!。途中視界が開けた所にでる。琵琶瀬湿原だ。案内板に展望台の表示が。これは知らなかった。さっそく休憩がてら見学をする。あ〜〜!これだよ!この景色だよ!俺のイメージしていた湿原は。琵琶瀬川が蛇行している。来てよかった!さっそくカメラで撮影。一服後出発。 |
霧多布に向かえば向かうほど霧が発生してきた。駐車場に止めて岬まで歩いていく。やっぱり霧だ。名前が霧多布って言うだけあるな!(関係ないけど、、) O君は下の崖まで歩いて行ったみたい。いつまで待っていても霧が晴れるとは思えないのでここで退散。そういえば86年の時ここまで来たっけかな?記憶がない?浜中でR44に入り根室を目指す。内陸に入れば天気が良くなる。不思議だ!。R44もいい道だ。多分自分の行かなかった10年の間にかなり道は改良されたのだろう。根室市内に入ると国道の車線が増えて立派な道になった。とりあえず市内は見る予定はないのでパス。標識で納沙布岬の看板に沿って走る。市内から30分。以前の記憶はない。新鮮な道に見えてる。 岬の駐車場ででバイクを止める。やっぱり、ここも霧だ。もうカンベンしてほしい。灯台の方へ歩いて行くと、あった!鈴木商店が、、変なおっちゃんがいるって店だ。さっそく入ってみる。折角だからボイルした花咲カニでも食べるか!てんで各自注文。すると、いた〜!おっちゃんが!前歯が抜けて真っ黒な顔をしたおじちゃんだ。兄ちゃんたちどっから来たんだい?ってんで埼玉だよ!って言うと埼玉のどこだ?大宮か?鳩ヶ谷か?だって!何でそんな地名知ってるの?話を聞いたら冬は出稼ぎでいろんな所に行くみたい。鳩ヶ谷ってのは地下鉄の工事現場で働いていたのかな? でもカニを食べると口数が少なくなるのはなんでだろう。O君とも話をしない。彼も黙々とカニの殻をむいている。俺は単にカニを食べるのは飽きてきた。そこで、ちょっと発想の転換じゃないけど、ご飯と味噌汁をオーダーして味噌汁の中に剥いたカニを入れていく。カニが全て剥き終わったら味噌汁の中にご飯をぶち込んで食べる。う、旨い!カニ雑炊みたいだ。生きててよかった〜!って思う。でもかなり時間がかかった。食後も霧が晴れる事もなさそうなので宿に向かう。 丁度オフロードマシンに乗った女性と目が合い挨拶。すごいなあ!女性でソロツーなんて!そこで不思議発見!彼女のバイクの後ろに三角の旗を発見。これ、何処で売ってるんですか?って聞くとホクレンのスタンドでくれますよ!って教えてくれた。そうなんだ!知らなかった。そういえば他のライダーも何台も旗を付けている。ならば、これからガソリンはホクレンで入れよう。そしてまた根室市内へ!そこからR44 を戻り厚床でR243R244と走って別海町へ牧場とも原野ともいえないような景色にのなか走る。そして右は太平洋の海。また太陽が出てきた。なんで岬は切りばっかなんだろうか?どこかでバイクを撮影したいなあ!と思い場所を選びながら走行。あった!ここら辺で止まろう。O君も自分の愛車VTR1000を撮りたかったみたい。 |
いろんなアングルで写真を撮る。荷物を積載したツーリングイメージとパンフレットのイメージにしたりして、、、 ここは本当に日本の端に来てるんだよね。凄いや!それに少し暖かい。東京では熱いだろうな。 ここで最後の休憩をして後はモシリバまでノンストップで行きますか。多分1時間はかからないから5時過ぎには到着できると思われる。これだけ長距離を走ったのは久しぶりだ。でも400ccって楽だなあ。 |
標津市内を抜けて羅臼方面に向かう。途中トンネルの工事中の場所を迂回する旧道を走って、久しぶりにコンビニを発見!「全日食チェーン」というお店。ここでモシリバの場所を聞く。するとこのまま走って崎無異なる集落があるから川を渡ったら最初のログハウス風の家がそうだからすぐです。って教えてくれた。ありがたい。もう少しだ。ん?んん?かなり走ってるんだけど、中々モシリバが見えてこない。もしかして通り過ぎたかな?でも崎無異なる集落なんてまだ見てないし、、、疑心暗鬼でさらに走ること、、やっと崎無異川を渡る。と左手に見えた。ここだ。今日の宿は。駐車場に入れるとご主人と奥さんが出迎えてくれた。お世話になります。(実はナビはこの時初めてモシリバ中村さんを知ったわけです。) 風呂を勧めてくれて入る、、、ぎゃ〜お〜!!まだ足がいた〜い。日焼けが治ってない。O君も同じみたい。食堂で夕食を頂く。鮭のちゃんちゃん焼きだそうな!初めて見た。で美味しかった。食後O君は部屋に戻ってテレビを見に戻っていった。自分は過去の落書き帳を覗いていると中村さんが焼酎のおすそ分けをしてくれたので頂いた。テレビはあるんだけど、あえて見ないのもいいもんだ。でも今日の宿泊は自分たちだけみたい。って事は厚岸で電話しなかったら今日は誰も泊まらなかったのか?でも静かだ。やがて睡魔がやったきた。では休ましていただく。お休みなさい!zzzzz |
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