ナビの北海道旅行記1998冬 パート1
いろいろな事情で会社を退職した。そして3月の一ヶ月間だけはのんびりしたかった。でも何をしようか?意外とやることってないもんだ。

そうだ冬の北海道に行ってみようか。初めてプライベートで飛行機を利用しての旅である。雪道での基礎知識もない。そんな自分がいけるだろうか?そんな疑問を問いかけながら機上の人になるのだった。

つい半年前にバイクでツーリングしたばかりなのに、やっぱり冬の北海道を見てみたかったのである。

ただし、冬の道の走り方や行動の仕方など注意することが沢山あるので、一つ一つ勉強のつもりでいくことにしました。

それでは旅の始まりで〜す。
この旅行記は98年のものです。当時はデジカメが非常に高価で、私自身所有はできませんでした。そのため一眼レフカメラを使用しての
撮影になっていますが、その時点でHPにアップロードする意図は全くなく、その分撮影量が非常に少なくなっている事を予めご理解ください

別の機会に撮影したものはイメージ画像として小さく掲載しています。

3月16日
朝の目覚めは早い。今日は羽田7時50分初の釧路行きJAS、日本エアシステムに乗るためだ。自宅から始発電車で何度か乗り換えて7時過ぎ羽田空港に到着。でも始発電車で来れるのにわざわざ近隣のホテルに宿泊するなんて贅沢は言えない。それに俺は今無職なんだよね。旅行できるだけでも幸せって思わなくちゃ。

搭乗手続きでスーパーシートに変更できるか聞いてみる。可能だそうだ。チョット贅沢をさせてください!。3200円払ってチェックイン。荷物検査をすませて今日泊まる予定のホテルに電話。釧路センチュリーホテルのシングルが取れた。それと明日と明後日に宿泊を考えていた宿、モシリバにも電話。早めに電話しておいたほうがいいと思ったからだ。モシリバもOK。まだ昨年1日泊まっただけだから自分の事を覚えてはいないでしょう。でも最果ての宿に行きたくなった。それだけだった。
スーパーシートにしたので搭乗までの間、JASのレインボーラウンジを利用することができる。俺は利用したことがないので、一度は行ってみたかった。うわ〜すごい!目の前に富士山が見える。

でもってセルフサービスだけどコーヒーやジュースからビール、ウイスキーワインまで飲み放題!つまみもたくさんある。こんなのっていいんでしょうか?利用者はどうみてもビジネスマンばっかり。俺みたいなプー太郎みたいなかっこしてるのはいない!
ところで冬の飛行機の運航はどうだろうか?ボードに釧路行きは天候調査中だって!羽田に引き返す場合もあるってのが気になる。
案内があってゲートに向かう。飛行機はJASのA300−600Rっていう国内線用のスーパーシート付き機材。はじめてスーパーシートに座る。とっても広い!でもって快適!動き出すと妙な事に気がついた。スーパーシートは俺以外乗っていない。何で?もしかして貸切?チョー贅沢。水平飛行に写って朝食が出る。和食の弁当だ。それに飲み物に驚いた。種類は一般席と同じだけど。ガラスのコップなんだもん。紙コップじゃないのにはビックリした。

何事も経験である。飲み終わるとCA(キャビンアテンダント)がお代わりを聞いてくる。一般席ではあり得ないことだ。それにナビ様?って俺の名前で呼んでくれる。誰もいないからお殿様気分になりそう。
事釧路空港に到着。いつもフェリーなどで時間をかけてくるので実感がわかない。でも寒い。確実に釧路にきてるんだなあ!一応自宅で阿寒バスの定期観光があるのを知っていたので、受付でチケットを求める。待つこと10分くらいで観光バスが到着。冬の湿原たんちょう号と言うコースだ。空港からの乗車は自分だけ。でもってトータルは自分も含めて4名しか乗っていない。これっていいんでしょうか?ガイドさんが4人だけの乗車なので観光地は時間をたっぷり使っていいです。って言ってくれた。
まず空港近くの丹頂鶴自然公園に行く。3度目の釧路で初めて丹頂鶴を見る。縄張りではないだろうけど、フェンスの中にツガイと思われる鶴がいた。結構優雅なスタイルだね。でも何で屋根がないの?担当の係員がいたので聞いてみる。

丹頂鶴は渡り鳥ではなく常に同じ所で生活するらしい。そして飛んでいっても必ず帰ってくる帰巣本能があるそうな!だから屋根がなくても構わないし、より自然に生活できるために屋根は設けていないんだって。なるほど!関心しちゃった。
できれば6月くらいに来ればヒナが見れますよ!って言ってくれた。さてそんな頃行けるんだろうか?まず無理だな!
さてバスに戻ろう。次は釧路湿原展望台に向かう。あれ?何処かで聞いたな!そう昨年行った所だった。な〜んだ!1階にいてもつまらないし、他の人も中に入るので自分も仕方なく入場料を払って中に入る。寒いけど屋上の展望台に行ってみようか。釧路は北海道の中でも比較的雪の影響は受けにくいらしく積雪もそれほど多くない。湿原もさすがに緑はないけれども薄い雪化粧をしていた。

同じ乗客の人が昨日網走の流氷船に乗ったんですけど良かったですよ!って話してくれた。何でも冬の道東を見てみたかったらしい。有給休暇で旅行しているそうな、、、、俺は無職だけど、、、。なるほど網走もいいもんだ。考えておこう。バスに戻って発車。今度は鶴居村の鶴見台に向かう。到着したものの丹頂鶴はすんごい遠くにいる。写真を撮ろうにも点になってしまうので諦めた。でも飛来する姿が肉眼でも見ることができる。かなりの望遠レンズがないと見えないかもしれない。

観光立ち寄りはここで終わり。このまま釧路駅まで向かう。実際予定より1時間くらいかかったみたい。最後にバスガイドさんが歌を歌ってくれた。何を歌ったのかは判らないけど、たった4人の為に歌ってくれた事に拍手で答えてあげる。駅で運転手さんとガイドさんにお礼を言ってバスを下車。外気温はマイナス2度だって!寒さよりも耳が痛い。ニット帽でも持ってくれば良かったかな!さて明日はレンタカーで知床方面をめざすので、駅前のレンタカー屋で申し込む。一番安いのが空き無しだって。ヤバイ!そこで店側で妥協案を示された。商用バンがあるのでそれだったら、乗用料金の一番安いのでいいですよ!って言われた。やむなくそれで妥協することにした。実際より5000円安い。だから納得。

ちょっと早めに宿に行く。釧路センチュリーホテルだ。ビジネスホテルではあるけど立派なホテルだ。荷物を部屋に置いて街を散策する。地元らしき人に、寿司屋を教えてもらい行ってみる。美味しいビールも美味しい。結構酔っ払った。
宿に戻って大浴場があるのを発見。行ってみる。ヒノキ風呂やサウナがあってサイコー!あ〜アルコールが抜けちゃった。部屋にビール持参で戻りアルコールの力を借りて寝る!zzzzzz
3月17日
朝はタイマーによって目覚める。さて朝食を摂るか!ホテル内はタップリ暖房が効いているので寒くは感じない。レストランで食事をしてから着替えて会計を済まして外に出る。ウォ〜さぶ〜い!駅前のレンタカー屋に行って申し込む。借りた車はスプリンターバン。但しマニュアル車だった。大丈夫かなあ!返却は明後日の夜、網走駅前にした。まずR44厚岸方面に進む。路肩は雪があるんだけど、車道には雪が全く無い。予想外だ。後先を考えなければ意外とスピードが出る。どっちかというとアイスバーンを期待していたんだけどな!ならばローカルな道を選択してみようか!そこで道道142号線で昆布森へ向かう。

除雪が行き届いていていて走りやすい。っていうか雪道ではない。道道でも同じか!まあしょうがない。でも車がいないなあ!結局R44に戻っちゃった。厚岸町に向かう。見慣れた町並みだ。だって昨年走ったばっかりだもん。道の駅でトイレ休憩。時間が早いので2Fのレストランもやっていない。まあ寄ることもないか。そして厚岸駅に行く。ここはローカルな駅だと思っていたんだけど、駅員やキオスクもあって駅の規模は大きい。ただ、釧路から先では特急も走らない閑散線なので、この大きさが意外だった。キオスクで駅弁「かきめし」を購入。あとで食べよう。

ここから厚岸大橋を渡って琵琶瀬湿原に向かう。昨年は蛇行している琵琶瀬川に感動したんだけど、冬の景色はどうなっているのか気になったからだ。
走っていると涙岬の看板を発見。車だとバイク以上に視界が良好だからだろうか!よ〜くわかる。さすがに時期が時期だけに人一人いない。車を降りて歩いて行くと遊歩道見たいな木板があったのでそれに沿って歩いていく。何だか自殺の場所を探しているような野郎に見えなくもない。だって寒いんだもん。体を丸めて歩いた。

ここは立岩近くにある小さな岬らしい。案内板で涙岬の由来を説明書きしてあった。何でも、厚岸の若者と、霧多布の網元の娘の悲恋物語が伝わる岬で、娘に会うため霧多布に向かった若者の船は、この岬近くで座礁。娘は、岬の断崖の上から若者の名前を呼び続け、いつしか岩となってしまったという悲しい物語なんだそうな。ふ〜ん!って感じ。確かに岩の先端が女性の顔に見えなくもない。
ちょっと神秘的だった。さて車に戻って暖をとろう。30分以上外にいると辛い。寒いというよりも耳が痛い。体を暖めてから出発。程なく琵琶瀬展望台に到着。意外と近かったのね!

湿原には雪は殆どなかったけど、気温が低いからだろうか川は中心を除いて岸辺は凍っていた。その為か夏よりもさらに蛇行がハッキリわかる。来てよかったあ〜!反対側を見ると荒波の太平洋が見える。昨年は青い海だったけ。今日は雪でも降りそうだ。
そこそこ撮影をして出発する。昨年はこの後霧多布に向かったんだけど、空がどんよりしているのでパスしよう。折角行っても見れないんじゃ無駄だもんね。このまま道道142号線を走る。途中ムツゴロウ動物王国の看板を発見。こんなところにあったのね!案内板の通りに行くと凄いダート!雪がぬかるんでいて泥道状態になっている。一応このスプリンターは4駆なので走らないことはないけど、すご〜く汚れてしまった。まさに工事用車両って感じ。でも折角行ったのに一般入場お断りしております。だって!だったら看板書かないでよ!行かなかったのに!結局下車するでもなく、動物も見えないから写真を撮るでもなく退散。(実際は通用門だったのかもしれません。売店らしき建物がみえませんでした。)また道道142に戻る。このまま根室に向かおう。昨年はR44で根室入りしたので、これはもう一つのルートだ。

やがて線路が近づいてきた。根室本線だ。ここでは愛称名花咲線と言うらしい。暫く併走して「別当賀」なる駅を見る。何だあ〜!何もないじゃん。ここは以前は人でも住んでいたんだろうか?それとも車で行くところあるんだろうか?突然踏切を交えたクランクをクリアして(突然の直角コーナーだったのであせりました。)落石をめざす。そう、できれば落石岬にある車岩を見たかった。市街に入り商店でコーヒーを買いながら車岩の情報を聞く。今は行かないほうがいいらしい。木道が凍っているかもしれないし危険だっていわれた。さすがに地元の意見は素直に受け入れよう。残念だけど諦めた。いつか夏に行けばいいや。ここで駅弁「かきめし」を食べる。寂れたロケーションではあるけど味は別格。旨い!
このまま根室市街へ。市内はそのまま通過して納沙布岬に向かう。ここは昨年霧で見えなかったのでリベンジだ。よ〜く晴れてきた。すご〜い!これだよこれ!目の前のでかい島が水晶島。え〜と貝殻島ってどれ?って探すと判らない。そこで望郷の岬公園の建物に入ってみる。そこには無料で望遠鏡があって自由に見ることができる。よく展望台に100円入れると見れるやつ。望遠鏡で見るとあった!申し訳ないように灯台が載っているけど、、、、
岩礁にしか見えない。ここが今の国境なんだ。なんだか判らないなあ!だって目の前にある島が日本の領土なんだもん。それなのにその前に国境があるなんて!ついでに水晶島も見てみる。ロシアの警備隊らしき建物やアンテナが見える。すご〜くリアル。本当に返せ北方領土って思う。でも土産屋さんが殆ど閉店している。たしかに観光客がいないから営業してても無駄かもしれない。昨年行った鈴木商店も閉まっていた。一軒だけ駐車場脇のお店だけ開いているので入ってみる。でも開店休業状態。形だけお菓子を買って出よう。

さて十分観光もしたので出発しよう。ここは冬に来るに限る!そう思った所だった。根室を経由して厚床まで戻ってきた。ん?厚床跨線橋だって!何?車を降りて見てみよう。白い道らしき線が遠く続いている。あ!これだ標津線の跡だ!へ〜え!ここから中標津まで続いているのね!初めて知った。R243に入って標津をめざす、、、、、でもさっきの標津線跡を見ちゃったもんだから予定変更で西春別の鉄道記念館に行ってみよう。別海町市街を通り過ぎ西春別をめざす。でも何処だろう?地名板で西春別の地名を確認。偶然にもセイコーマートがあった!ラッキー!店員に場所を聞く。どうやら裏手の方にあるらしい。少し悩んだけど無事到着。よかった〜!セイコーマートがなかったら多分弟子屈まで行っちゃたかもしれないもん。

モダンな建物だった。目の前が西春別バスセンターになっている。建物の中に入ると標津線の計画から最盛期そして廃止へのたくさんの記事が掲載されていた。一般に記念館というと写真のパネルで終わり!って感じるけど、ここは新聞の切抜きとかたくさん展示させていた。じっくり読んだ。また切符収納箱や保線用の車両も置いてあった。寒い外に出るとSLがブルーシートに包まれていた。実際見れなかったのが残念だったが保存が良く行き届いている証でしょう。いつまでも残ってほしいと思った。さて風が強くなってきたな!ここから道道13号線で中標津経由でモシリバに行こう。
だんだん風が強くなってきて、そのうち視界が殆ど閉ざされてきた。実際は前方に車が走っているんだけど、それすら見えない。これが地吹雪ってやつか!俺はどうしたらいい?マジで怖い!

とりあえず低速でヘッドライトを点灯させて念のためハザードランプをつけて走る。真っ白い景色だから瞳孔がかなり開いているのかな?目も疲れてきた。それに木の枝だか何だか判らないけど車にバタンバタン!ってボディーによく当たる。こりゃ外にいたら痛いや!辛い!ちょっと休む所ないかな?と思っていたら中標津市街地に入れた。そして地吹雪も少し弱くなった。あ〜助かった!地吹雪とか遭遇する期待はあったんだけど、まさかこんなにシンドイとは思わなかった。自分が未熟でした。

中標津のスーパーの駐車場でちょっと休もう。冷たい缶コーヒーを飲む。意外と気づかなかったが街の自動販売機では真冬でも冷えたコーヒーを販売している。これって暖房の効いた車の中で飲むと気持ちいいんだよね!本州じゃ真冬には冷えたコーヒーの販売機は殆ど姿を消すけど、こちらはどっちもあった。時間も4時を廻るとかなり陽が落ちてきた。そろそろ出発しないと。多分これから標津を経由してモシリバに向かうんだから1時間はタップリかかるだろう。できれば日没までには到着したい。

気がつくと俺はいつの間にかアイスバーンの道を走っている。あれ?意外と簡単に走れるのかな?何て思うけど決して急ハンドルやブレーキはかけたくない。知らない間に習得してたんだろうか?でも自信過剰は禁物。へたすりゃ新聞載っちゃうよ!なんちゃって!標津市街までくると周りは真っ暗になってきた。ヤバイ!あと30kmはあるかも!それに標津市街を抜けると強風がまたやってきた。マジで怖いっすよ!R244の分岐までくると国土交通省の黄色い車が羅臼峠吹雪通行止めって電光盤をつけて止まっていた。だいじょうぶかな?行くだけ行ってみよう。だめなら何か考えればいいや!

視界は非常に悪い。街灯もない真っ暗なR335だから自分の車のヘッドライトだけがたより!後ろから車がやってきた時は迷わず左にウインカーを出して追い越しさせてあげる。追従していこうかと思うんだけどすんごく早い。とても付いていけない。無理したら間違いなく事故るだろうな。結局孤独な一人旅になっちゃった。どうして地元の人ってこんなに早く走れるんだろう。やっとトンネルを通過。あれ?昨年来た時は工事中だったけど開通したんだ!よかった!旧道じゃなくて。トンネル内は安心できた。視界も確保でき明るい。でも結構長いのね!トンネルを出ると、あった!昨年モシリバの場所を聞いた全日食のコンビニだ。今日はもう閉店しているけど、あと少しだ。

やっとモシリバに到着。ってのはわかったんだけど、地吹雪のなかで駐車場へのアプローチが見えない。参ったなあ!一旦通り過ぎて強引にUターン。車線を逆走してやっと入り口が判った。助かった〜!無事到着。冬の道をなめたらアカン!

中村さんも吹雪の中出迎えてくれた。実は中村さんも事件が起こっていたらしい、、、。駐車場の入り口の立ち木が吹雪で倒れてしまい。大雪の中ノコギリで倒木をどかしていたんだそうな!お疲れさまでした。大変疲れたでしょう。

お風呂に入って温まる。気持ちいいもんだ。食堂で食事を頂く。ついでに焼酎をいただきいろいろな話をさせていただいた。中村さんの発音のアクセントが気になったんだけど実は関西からの移住だって聞かされたのは驚いた。だから時々関西弁みたいな発音をきいてたのか、、、すごいなあ!今日は羅臼に商用で行かれた人がいて今日帰って来るはずなんだけど羅臼峠通行止めなので戻って来れないらしい。どこかで宿取ったのかな?今回も俺一人だった。

十分酔いが廻ったし疲れたので早めに床に付くことにする。お休みなさい!zzzzzz
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