ナビの北海道旅行記2002初冬編 パート2
1月14日
就寝が早い分、俺も連れも起床時間が早い。そして2人の顔の間にあった濡れた塗れたタオルはガチガチに乾いていた。
「やっぱりね!これがなかったら、多分二人ともノドがイガイガしてたかもしれなかったね。」正解だった。さっそく朝風呂に行く。

「ん〜気持ちいい。極楽ですがなぁ〜」でも今日で終わりなんだな。二人だと思いでもすっごく多い。多分ソロツーリングとはちがうな!何だか呆気ない北海道だったみたい。やっぱり4泊は欲しいね。入浴後朝食を摂りにレストラン?(どうみても大広間なんだけどな?)に行く。ここはバイキングスタイル。朝食はこの方が好きだ。気兼ねいらない。

俺的には生卵が欲しい。これだけでご飯のお代わりできちゃうもん。でも温泉タマゴだった。これでもいいか!バクバク食ってやった。(だからどうした!)部屋で着替えて出発する。今日は夜は自宅かあ〜!何だか物足りないなあ!まあ〜明日は昨日送ったホッケが食べられるってことで、、、。

出発して、大鵬記念館に行く。ここは川湯温泉の入り口にあって、昨日道路を走っていて気になっていたところだ。昨日は納沙布岬が目的だったので行かなかったんだけど、今日は立ち寄ってみる。駐車場に入ると、事務のおばちゃんが雪かきをしていた。開館は9時らしい。まだ開館まで20分ほど時間があったけど、どうしようか迷っていた俺たちを見ておばちゃんが
「寒いでしょうから、お入いんなさい!」と入れさせてくれた。ありがたや!!

でも申し訳ないけど、俺って大鵬関ってのはリアルタイムでは見たことがない。ただ、昔子供の大好きな?何とかで、巨人、大鵬、玉子焼きって聞いたことがあるな!ってことは、当時人気のあった力士なんだろう。俺の頃は北の湖や輪島、千代の富士だったもん。当時のNHKのビデオとか放送していた。へ〜!って関心した。
おばちゃんに礼を言って記念館を出る。道道を走ると右手に硫黄山が見えてきた。ここも昨日はパスしたところ。遠くにレストハウスが見える。そばまで行ってみよう。と思ったんだけど、アプローチの道が除雪が半端で進めそうにない。

「おかしいなあ?除雪の途中なのかな?」残念だけど車窓で諦めた。極寒の中でも蒸気かガスがモクモクと上がっているのが、かなり遠くでも見える。いい天気だ。今日もこのままであってほしい。
そのまま国道に出て摩周湖に向かう。夏は川湯温泉側からも行く事ができるけど、冬季は通行止めになる。今回も弟子屈方面からのアプローチしかない。その距離はかなりある。国道から左折していくと登りが急になる。カーブを何度となく走って駐車場に到着。ここは摩周第一展望台。冬季は第三展望台は道道が通行止めになるので行く事ができない。

さっきまで快晴だったのに、摩周湖の湖面はガスがかかっていた。多分団体さんが写真を撮るであろう場所でしばし鑑賞。
「摩周湖って晴れてた方が婚期が早く願うんだっけ?逆だっけ?」連れには
「晴れない方が幸せになっていいんだよ!だって霧の摩周湖って言うでしょ」って言われてしまった。何か意味ありげ?、、、、、。展望台から戻ると木彫りの熊さんがたくさん飾って(売って)いた。見なきゃいいのに立ち止まっちゃったもんだから、ババア!がやってきてシツコイ!そこそこ適当な言葉で逃げちゃった。こんなの買っても置き場ないよ!それに高いし。

特に買い物もなく出発。え?観光バスがやってきた。こんな時期にツアーがあるんだ!マニアックだねえ!そこそこ乗車していたみたいだし。俺達は同じ道を引き返す。昨日と同じ道で西春別鉄道公園に向かおう。
ここに行くにはコンビニのセイコーマートを目指せばいい。そばの道を入っていくと裏手に鉄道公園はあった。ここは手入れが行き届いているらしい。残念ながらD-51のSLとキハ22の気動車はブルーシートが被されていて見ることは全くできない。その行為が恒久的な保存をするためには大事なことなのかもしれない。

館内はいろいろな資料が展示されている。以前も見たことはあるけど、再度見入ってみる。連れにも何故廃止になったのか説明してあげた。鉄道マニアの端くれ?としては簡単なことだ。と言っても連れの方が現役で乗車していた方だったから、、、そっちの方が詳しいか、、、。

さて、そろそろ網走方面に向かわなければならないね。そう思ったんだけど、再度 中標津で所用をすましておく。たいした用事ではないけど。

計根別経由で道道に出て、、すると対向車の軽自動車アルトがスピン。一回転して突っ込んできた。わお〜!って思ったけど、ABS搭載の我がビッツは手前で停車。衝突ま免れた。あるんだね!地元の人でも、、、、!俺も人のこと言えたもんじゃないけど。

やがて開陽台方面の北19号の分岐にさしかかる。もちろんここはパスして峠をめざす。しかしながら峠に向かうとさっきまで快晴だった天気がとたんに大雪になってきた。根北峠は急カーブはあまりないけど、視界だけは確保したいな。
峠は雪だし、これと言って見るものはない。下り坂が続くと突然コンクリートのアーチ橋が現われた。これが越川アーチ橋。現在の知床斜里から、廃止された旧標津線根室標津を結ぶ目的で建設された旧国鉄越川線の橋だ。実際知床斜里から越川までは実際に鉄道が開通していたが、この橋は列車は走った事がない。

結局一度も走ることなく撤去されてしまったイワク付の橋。もっとも資材不足の時期に無理やり鉄筋の代わりに竹を入れて作ったもんだから強度的にはとても列車が走れたものではないらしい。
もし開通しても撤去されることに変わりはなかったかもしれないし、標津線が廃止になった位だから、確実に廃止になったでしょう。車を止めてみたものの、雪深くてとてもそばまで行けそうにない。確か夏は笹が茂っていなかったけ?
大雪が止んだと思ったら、だんだん風が強くなってきた。これって地吹雪の前兆かな?確かに天気は良くなってきているんだけど。道に雪が風で飛ばされて異様な光景が現われた。何て言うのかな?流しそうめんが道を横切っているみたいな表現?かろうじて電柱で道の存在は判るんだけど、センターラインが白なんで、同色に見えるから、判らない。対向車がきたら不安になるけど、ドライバーが不安になったら助手席のヤツは間違いなくビビルでしょ。だから、何事もなく走り続ける。

でも4WDにスタッドレスって凄いポテンシャルを持ってるね。ほんと、俺って運転上手いじゃんって錯覚しちゃいそうだもん。これで事故るバカタレがいるんだろうな!死んだら何のためにここまで来てるんだ!って思うし、いろんな人に迷惑かけるのにね。

時間が半端になってしまった。お昼を食べたかったけど、無理して走る。斜里市街で昼食も考えたけど、ここまできたら藻琴駅に行きたい。連れにも我慢してもらう。ゴメンね!原生花園まで来ると風も止み、天気が回復してきた。
藻琴駅は閑散としていた。もしかしてお店休みじゃないよね?って思ったんだけど、営業していた。よかった!ここは駅員さんがいた頃の駅事務所を利用して地元の方がトロッコという軽食喫茶を営業している。店に入ろうとすると列車が入線してきた。偶然だね!さっそく撮影。乗車率は半分くらい。但し誰も乗車しないし、下車もいなかった。静かに列車はエンジンの回転を上げながら斜里方面に走り出していった。

さて待ちに待ったお昼だ。ちょっとリッチに流氷ラーメンをオーダー。何が流氷ラーメンなんだろうかと思ったら、ラーメンと一緒に別のお皿に俵むすびが2個沢庵と一緒に出てきた。まあラーメンライスみたいなものかな?
「味はシンプルだけど あっさりしたラーメンのスープもおいしいね!」
「うん、美味しいし体があったまるね!
それに「俵むすび」が良く合う。でも連れから「俵むすび」が割り当て、、、
「え?俺4個も食べるの?」
「だってお腹いっぱいなんだもん」
でも体も温まった!連れにも大好評でなにより。
さて、女満別空港までかなり来てしまったけど、時間が予想以上に余ってしまった。ならば、オホーツク流氷館と網走監獄を見て帰ろうか!網走市内に入る手前でオホーツク流氷館の看板が出ていたので、看板に従って左折。本当は市内を通れば道も判ったんだけどね!近道かもしれない。ところが道が狭くなってきて急カーブはあるわ!登りはきついわ!これでいいのかな?って思った。どうやら天都山へのショートカットらしい。

久しぶりに真っ白な道を走る。ここは対向車がいない。っていうか、本当に近道なのか、いまだに信じられない。でも北方民族資料館を見たとき、道が正しい事を確信した。間違いなくこの先にオホーツク流氷館はあるはずだ。
小さな看板を発見してそれに従うと、その建物はあった。
入場料金を払って、さっそく流氷の展示室に入る。ここは流氷が溶けないようにマイナス20度以下の冷凍庫になっている。バナナで釘が打てるように、バナナと釘が置いてあって子供達が遊んでいた。それに入口で濡れたタオルを貸してくれてクルクルまわすとピ〜ンと凍っちゃった。
「すげ〜!」(以前もやったんだけどもね)
連れの地元中標津では氷点下になることはあっても、タオルを廻すと凍るってほどではないそうだ。

案内放送があって、知床の映像を放映するとの事。行ってみる。ここも見たことがあるけど、記憶が遠い。大きなスクリーンに流氷が流れてきて、海面のしたにはクリオネが泳いでいる光景は、いつ見てもいいもんだ。
続いて網走監獄に向かう。ここはオホーツク流氷館から車で5分くらい。時間も4時を廻ってしまい、車も3台くらいしかいない。多分俺達が最後かな?入場料を払って内部に入る。ここも以前来たから俺がガイドみたいに廻っていった。展示館がいろいろあるけど獄舎はいつみても凄いな!

休憩所で甘酒が無料で飲めるみたい。寒いので体が温まる。でもって美味しい。土産を買おうと思ってみたものの、お店は閉店していた。残念。じゃ空港で買うしかないか!あたりはもう暗くなってきた。ゲートを出て車に向かう。後は女満別空港まで30分くらいだろう。
ん?連れが
「ねえ!車の後ろのガラス割れてるよ!」だって!何で?誰か事故って、当て逃げか?って車のそばに行くと、
「あんぎゃ〜!ガラスが割れてるんじゃなくて、割られてる!でもって荷物がな〜い!一眼レフカメラのEOSがな〜い!バックが無いから航空券もな〜い!」俺は何をしたらいいんだろうか?監獄の事務所に行って、車上荒らしに遭遇して荷物なくなっちゃった!って駆け込んだ。

職員の皆さんが飛んできて、警察に通報してくれた。今日帰る事を話したら、空港に電話してくれてチケットの使用停止をしてくれた。警察が来るまで待つしかないので職員の方が車を出してくれて暖房を炊いてくれて車内に連れを入れてくれた。これだけでもありがたかった。監獄では以前も何回か車上荒らしはあったらしい。しかし最近モニターカメラを数台設置してから被害はしばらくなかったそうだ。

10分位してパトカーが到着。被害に遭った車の写真を撮影して近くの駐在所に誘導されて向かっていった。
被害は実際、着替えの一部と航空券。それとカメラ。お金は全て身に着けていたので1円も被害がなかったし、連れのブランド物も持って行ったので被害はなかった。のが幸いだった。それより精神的なショックが大きかった。まさか、北海道で車上荒しなんて考えた事もなかった。

駐在所のお巡りさんが言うには、気の毒だけど珍しい事ではないという。特にレンタカーは犯人には格好の標的らしい。(詳しい事は犯罪を助長するので割愛するけど)いろいろなパターンがあるらしい。レンタカーの会社に連絡して「車上荒らしに遭遇して、今警察にいます。」って言ったら、そのまま帰ってきてください。とのこと。調書を作成して、飛行機の便に間に合うように派出所を出る。お巡りさんも気の毒って思ったのか、後はこっちで書類を作成するから飛行場に行ってください。じゃないともう1泊することになりますから、、、。って言ってくれた。

レンタカー事務所で簡単に車を見る。どうやら車の被害はガラスだけみたい。さすがにこんな経験初めてですよ!って言うとレンタカーの人も簡単に、「結構被害は多いんですよ。」だって!そうなんだ!俺だけかと思ったんだけど、年間を通すとかなりの被害らしい。でもショックだった。こんなことって許されることではない。多少の損害金を払うのかな?って覚悟していたんだけど、保険に加入していたから問題ないって!それだけ助かった。駐在所の住所と電話番号を教えて空港に向かう。あとは警察とレンタカー会社で処理するらしい。

空港のチェックインで、車上荒らしにあって航空券を盗られたんですが、、、、って話をする。一応名前は登録してあるから、氏名を確認して盗られた航空券を正式に使用停止してもらう。タダでは帰れないのは判っているんだけど、いくら払うのかな?って聞いてみた。
「あの!盗難は規則にありませんから、紛失扱いとして再度航空券をご購入してください。」とのこと。で、
「1人いくらですか?」って聞くと
「はい、おひとり35000円です。」だって!
「ぎゃ〜〜お〜〜なんじゃ!その金額。」

2泊3日で温泉入って食事も付いて、往復航空券も付いて24800円なんだよ!単純に羽田に戻るだけで1人35000円かよ!マジスカ?って聞いちゃった。でも本当らしい。但し盗難にあった航空券は今飛び立つ飛行機が搭乗手続き終われば紙切れになる訳だし、半年経っても航空券が出てこなければ1枚当たり手数料2000円差し引いた33000円が戻ってくるらしい。現金なんてそこまで持ち合わせがあるわけないので、クレジットカードで支払う。助かった。とりあえず帰れる。

多分予約したであろう座席でグッタリして羽田に向かった。、、、、、大変な旅行だった。
 
編集後記
よく車上荒らしに注意なんて看板を見かけます。しかしながら、殆どの人は他人事のように思われるでしょう。自分も、まさにそうでした。まさか自分にこんなことがあるとは、その日の昼まで考えた事なかった。ここは日本。アメリカじゃない。でもそんな輩は生息しているんですね。今回はキャノンのEOSとデジカメの両方を持って旅行に出かけました。監獄では、デジカメだけ持って行ったために、窓越しに一眼レフカメラがよく見えたかもしれません。それこそ、自分がどうぞ、持ってってくださいって言ってるようなもんです。それすら考えていなかったのは浅はかでした。そのため、一部の景色は2度と見ることができない事になってしまいました。犯人はまだ捕まっていません。現金が手に入らないため唯一カメラくらいしか換金できるものはないので、捕まるまで何度犯罪を犯すことか、、、、。こんなヤツには何を言っても無駄ですけどね!

ただ航空券は半年後戻ってくるってのは助かりました。JRなどの切符と違って航空券は記名式だからできるんでしょうね。仮に紛失した(盗難にあった)航空券が出てこなくても半年後再度調査して、換金とかされていない事実が確認できれば事務手数料2000円だけ差し引いた金額が返ってくるシステムは知りませんでした。

今回はショックでかいけど、これこそ大切な経験をしたかもしれません。この記を読まれたみなさん。次の事には絶対守りましょう。私が経験し、警察のアドバイスです。
1 車内には荷物は置かない。止む終えない場合はトランクに荷物を置く事。
2 貴重品は絶対車内に残さない。
3 半端な時間(夕暮れや早朝)に人が少なかったら、その観光地に行かない。
これだけでも被害は免れるらしいです。

こんな被害はたくさんです。楽しい旅行をしたいですもんね。でも自分は連れの出身地でもある北海道は嫌いになれません。また冬に旅に出るつもりです。

旅行記お読みくださり有難うございました。  byナビ
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