士幌線は旧国鉄の鉄道で帯広駅から北部の十勝三股駅までの総延長78.3キロの路線。大正15年7月10日に帯広〜上士幌間が先行開業し、その後の昭和14年11月18日に上士幌〜十勝三股間を開業して全線が開通しました。十勝地方北部の開拓やその一帯の森林資源開発を目的とした鉄道とし栄えて奥地への入植者がふえ林業が盛んになりました。
昭和27年に糠平ダム建設が開始され、昭和31年に完成します。これにともなって清水谷から幌加間のルートが変更され糠平駅は湖底に沈み新しい駅が建設されました。
昭和53年には糠平〜十勝三股間が全国初のバス代行輸送となりました。開通以来63年間にわたって地域開発に貢献してきた士幌線は、国鉄の分割、民営化に伴って63年3月22日をもって廃止されました。
上士幌駅は先行開業された時点での終着駅でした。この先糠平を経由して十勝三股まで開業するには14年もの年月を必要とされたわけで、間違いなく貨物の発着でかなり賑わいを見せたことでしょう。訪問する際の道路には所々木材が置いてあるので現在でもトラック輸送等で運搬するのかもしれません。
現在は駅の跡地は交通公園となっています。しかしながら実際に行ってみると愕然としてしまします。駅構内であったであろう場所はパークゴルフ場となっているのはいいのですが、保存されている客車が悲惨な形をとどめています。多分オハ62形式と思われる2両の客車ですが、何故か薄緑色に塗られてドアや窓は全てベニヤ板で塞がれていて内部を見ることはできません。床下機器にいたってはボックスごと外されたり配線がズタズタに引き裂かれたりと、余りにも無残です。駅があったと思われるものは何もありません。
本来ならば歴史的な駅なのだろうに、何故こうなってしまったのか残念でなりません。できることならば解体撤去したほうがいいのでは?とさえ思ってしまいます。
しかしながら市街地から少ししか離れていないのにこれはいかがなものか?って思いました。ちなみに場所を見つけるのが大変でした。
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